俺は床に座らせている彼をじっと見下ろした。
そそる。本当に俺好みの、美しくてかわいい男の子。薄い女の服を着た華奢な肢体。
それをじっくりと眺めたい。楽しみたい。触ることなく目で愛でたい。
指一本触れることなく命令だけで痴態を演じさせる。それをじっとりと絡みつく目線で視姦する。奉仕を調教するのに必要で、かつ俺の欲望を満たす羞恥プレイ。
俺は調教にかこつけて自分の性欲を満たす。これで金をもらえるのだからたまらない。もちろん欲望の一部は調教にそぐわないので行えないが、それは仕事以外の相手で発散するのでかまわない。
「座ったままだ」
俺の声に、彼がびくりと顔を上げる。何を言われるのかと不安な顔。もっと困らせたくなる実にいじましい顔。
「座ったまま、スカートをめくってペニスを見せろ」
彼の顔がぼっと赤くなる。
「ご主人様である旦那様や奥様にはさんざん見せているのだろう? 何を恥ずかしがっているんだ」
彼はうつむいてじっとする。俺は数秒待ってから少し強く言う。
「ペットは躾ないといけない。お前のご主人様たちの躾では温い。だからお前はいつまでもきちんと奉仕出来ないし、ご主人様たちはお前の躾を俺に依頼してきた」
彼は主人たちに対して申し訳なさそうにうなだれる。本当によくなついているな。どんなによくしてくれようが人をペット扱いするような連中にどうして愛情が持てるのか。俺はペットになったことがないから理解出来ない。
「恥ずかしがって頭がこんがらがって、パニックになるから上手く奉仕出来ないんだろう。あせって失敗ばかりするんだろう。頭が悪くて躾られた奉仕を覚えられないわけではあるまい。だからこの調教は性技を教えるだけではない。恥ずかしくてたまらないことをたくさんこなすことで、恥じらいながらも躊躇無く行動出来るようにする。それが俺の調教だ。いいか。恥じらいを忘れてはいけない。恥ずかしい、でもする。それが大事だ。そんなふうにもたついて嫌がっていては駄目だ。さっさとするんだ」
彼はびくりとおびえる。主人夫婦に聞いてはいたが、主人たちは強く叱るということが出来ないらしい。かわいがるだけでは駄目な奴もいるのだ。叱咤し尻を叩かないと動かない奴には少々厳しくしないといけない。
もっとも尻を叩くよりもきつくていやらしいことをするのだがな。楽しみだ。さっさとこれぐらいの羞恥プレイは済ませて次へ進みたい。
だが調教とはいつもこんなものだ。すんなりいくなら金を払ってまで依頼してはこない。こいつはそう手強そうではないから、ちょっときつめに命令すれば従うだろう。
案の定、彼はおずおずと足を開き、スカートの裾に手をかける。その手が震えている。俺はぞくぞくする加虐心に顔がにやけるのをこらえる。
「言ったばかりだろう。俺の命令にはさっさと従え。そのままめくり上げるんだよ。言われた通りパンツは穿いてないんだろうな。そのままめくればお前のかわいい生ペニスが丸見えになるぞ」
彼は顔を紅潮させ、ふうふう息を荒げている。うっすら汗ばむその顔がとてもなまめかしい。かわいい顔してすごく色気がある。男に尻穴をさんざん貪られていなければこれほど女の色気が宿ることはない。
彼はゆっくりと、スカートの裾を持ち上げる。十分上がりきるまでじっと待った。実に長く感じられる。彼がスカートを持ち上げその股間を丸出しにするのを待って、俺は上からのぞき込むように背を丸める。
「んん。かわいいな。縮こまって。いい色だ。奥様にどれぐらいしゃぶられた? 何回膣にくわえ込まれぎゅっと搾り取られたんだ?」
彼の顔がさらに紅くなる。俺にペニスを見られる羞恥だけではない。奥様に抱かれたことを思い出しているのだろう。
彼のペニスがぴくりと動く。俺に調教される不安とおびえで縮こまったペニスが反応する。奥様とのセックスはそれだけ気持ちよかったということだろう。
「もっと思い出せ。そのまま指一本触れずに勃起するんだ。男が一番恥ずかしいのは射精を見られることで、二番目は勃起していく過程を見られることだ。小さなやわらかいペニスがどんな種より立派に芽を出し大きく育っていく様を俺に見せろ」
彼は目を瞑り、いやいやするかのように首を小さく左右に振る。そしてスカートを持った手を下ろそうとする。
「動くな」
俺がぴしゃりと言うと、彼はあわててまた手を上げてスカートを元の高さまで持ち上げる。
「いい子だ。素直に言えばやさしくするからな。叱られると怖いだろう。辛いだろう。どうせ調教が済むまでお前は愛しいご主人様の元へは戻れないんだ。調教が延びればそれだけ金もかかる。ご主人様たちを待たせることになる。そんなのいやだろう。迷惑かけたくないだろう。素直にした方がお前にとっても得なんだ。わかるな?」
彼はこくこくとうなずく。ああ。かわいい子を服従させるのは本当に楽しくてぞくぞくする。
「そのまま。足を開いてペニスを見せたまま。思い出すんだ。奥様はお前のペニスをどうやって握った? どんな目でお前を見つめ、そのまま亀頭を口に含んだ? キスするようにか。それともかぶりつくのか。大きな音を立ててしゃぶったか? それとも貞淑なふりでちぱちぱとついばんだか?」
彼の顔がどんどん紅潮する。奥様にされたフェラを思い出している。
彼の縮こまったペニスが再びぴくりとうごめく。今度はそのまま、むくむくと膨らんでいく。
「お、お、いいぞ」
俺は凝視する。普通の男の勃起なんて醜いだけだ。でも女の子のようにかわいい男の子の勃起はとてもいじましくていやらしい。どんな男でも見たくなる。見れば興奮する。
「いいぞ。すごくいやらしいぞ。そのまま大きくするんだ。ギンギンにそそり勃たせるんだ」
ごくりと唾を飲む。くそ。情けない。興奮を隠せない。この子は本当に俺好みの容姿で、仕草で、恥じらいで、しかも妖艶だ。
ただかわいいだけではない。主人夫婦にさんざん抱かれ愛でられて、熟成された色気がある。この子を抱くだけでは飽き足らず、さらに奉仕まで上手にさせたいとは。あの主人夫婦の性欲は底無しだな。
男の子は首輪の仕掛けにより声が出せない。口を動かし頭を小さく振って悶えている。
俺が命令したので動くことも隠すことも出来ない。ただぐんぐんと膨らみ天に向かって鎌首をもたげていく勃起を俺にさらすことしか出来ない。
「奥様の前でもそうして勃起したか。手を使わずに勃起をするよう命じられたことはあるだろう。それとも奥様と二人きりになるだけでそうして膨らませてしまったのか」
図星らしい。彼はあきらかにうろたえた。
「いやらしい子だ。心がいやらしいから身体もそんなにいやらしいんだ。小さいときのサイズに比べてずいぶん大きくなるな。勃起膨張率が高いほどスケベな証拠だ。お前はかわいい顔してとんだドスケベだよ」
彼は首を左右に振る。でも俺にののしられてあきらかに興奮している。ペニスが勢いよく跳ね上がり、とうとう完全に勃起した。
「ははっ。すげえ。でかいな。これだけでかいと奥様はずいぶん喜んだんじゃないか。なるほど。奥様がずいぶんとお前に執心するわけだ」
彼は小さく息を荒げている。勃起していく過程を見られるのはとても恥ずかしい。さらに性的にののしられながらの勃起だから興奮が半端ない。ただ勃起しただけで、彼は相当疲労していた。
「びくんびくんと元気だな。若い若い。くくく。ああ。それにしても立派なペニスだ。じっとしていろよ。じっくり観察してやる」
若い子の勃起ペニスはまるで別の生き物かのように激しく元気に動く。びくん、びくんと何度も脈打つ。大きく揺れるそれは俺を誘っているようだ。触りたい。握りたい。しごいて射精させたい。でも我慢だ。今回は彼に触れずに辱める調教なのだ。自分の欲望に従って好きにしていては仕事にならない。
この仕事は対象が魅力的なほど我慢が苦しいので、想像されているよりはるかに辛い。欲情する相手と二人きりで、しかも調教だと言えば好きなように抱くことすら出来る。我慢出来ない意思の弱い奴には勤まらない。
俺は違う。俺はプロだ。触らないと決めたら触らない。それを徹底する。
顔を近づけ彼のペニスをじっくり眺める。いい形だ。左右への曲がりがほとんど無くまっすぐ上を向いている。でも反り返りはきつく、座っているせいで亀頭がお腹に当たっている。勃起しただけで包皮はきれいにむけてほとんど余っていない。少し薄めの赤黒い亀頭は花を思わせる美しさがある。血管のあまり浮いていない竿に張り出した裏筋。とてもきれいな造形だ。
「いいペニスだ。女が喜ぶ形と大きさ。それにこの元気さ。膣の中でびくびく跳ねさせると女は大層喜ぶ。奥様は喜んだか? どうだった?」
彼はうつむいて目を逸らす。彼は自分に自信が持てないタイプなので、自信たっぷりにうなずくことが出来ない。でも奥様の話では彼とのセックスでそのペニスには大変満足している。騎乗位で何度も何度も彼の限界まで搾り出す間、まるで萎えない元気なペニスは大変気持ちよく、何度もイけるそうだ。
彼はセックスが下手なので、正常位や後背位では奥様は満足出来ない。その腰遣いなどは俺が調教してやることになっている。俺のペニスを彼の尻に突っ込んで、手取り足取り尻取り直にたっぷり教え込んでやる。
彼の勃起ペニスをじっくり視姦し、彼を辱める。彼の息がどんどん荒くなる。びくびく跳ねるペニスからとろりと先走りが漏れ出す。
「濡れたのか。触ってもないのに、見られているだけで。とんだ変態だな。いいか。お前はまず、自分がとんでもないスケベで変態で、四六時中いやらしいことをしないではいられない淫乱だということを自覚しろ。見られるだけでそんなぎんぎんに硬くし、さらに濡れるなんて普通ないぞ」
実際には普通だ。いやらしい目で見られればだれでも興奮を覚えるし、男は興奮すると勃起する。勃起し続ければ濡れもする。そんな生理現象も、いいように理屈をつけて調教に利用する。
彼の息が荒くなる。ペニスの脈動が早くなる。勃起を見られながらののしられて、しかも自分が変態だと言われて興奮している。普通なだけなのに変態行為をしているせいで、自分が本当に変態なのかもしれないと思い始めている。
調教は順調だ。彼の心も思考も性癖も俺が塗り変える。仕事だからな。俺好みに作り替える。それをさんざん楽しんでから仕事を終える。最高の仕事だ。やめられない。
「勃起を見られてそんなに興奮するんだ。男が二番目に恥ずかしいのは勃起していくところを見られることだと言ったよな。なら一番恥ずかしいところも見られたいんじゃないのか。それでもっと興奮の快感を味わいたいと思っているんじゃないのか」
彼はぶんぶんと首を左右に振る。いやがっているのは本心だろう。でもほんのわずかに望んでいる自分がいることを必死に否定しているようにも見える。
だれだって考える。勃起の次は射精も見られることを意識する。意識するだけ。考えるだけ。でもそれを、自分が望んでいるかもしれないと錯覚してしまう。人間の心理とはそういうものだ。調教はそれに都合のいい理屈をこじつけて相手の思考をコントロールする。
「見られたいんだろう? 勃起していくのを見られたときの快感よりもはるかに強烈な、視姦される悦びをもっと味わいたいんだろう? いいよ。見ていてやるよ。射精してみろ。男の一番恥ずかしい瞬間を、俺に見せてみろ」
彼の身体が大きく震える。ぎくりとする仕草。おびえた小動物。肉食獣が小動物を襲うのは糧を得るためだけではない。おびえた小動物は襲いたくなるいじましさがある。俺は目の前の小動物を襲って貪りたい衝動を必死にこらえた。
くそ。たったこれだけで何度我慢を強いられているのだろう。この子はそそりすぎる。俺は調教の際自分が我慢することも我慢プレイの一種として楽しんでいる。でもこれはきつい。この子は襲いたくなる何かがある。主人夫婦が溺愛し夫婦そろって貪るだけの魅力がある。今回の調教自体は難しくないと思っていたが、俺が我慢するのがとても難しいようだ。
「ん? 言わなくてもわかるだろ。俺は何もしないぞ。射精しろと言ったら自分で射精するんだよ。俺の目の前でオナニーしろと言っているんだ」
彼が俺の目を見ては逸らす。また俺の目を見る。顔を真っ赤にして挙動不審だ。
「恥ずかしいのか? 言っただろ。恥ずかしいことをたくさんして慣れるんだ。恥ずかしくてもする。お前がご主人様たちにちゃんと奉仕出来ないのはそうやって恥ずかしがってしどろもどろになるからだ。恥ずかしくてもてきぱきと、求められたことをこなす。相手の望みを一所懸命叶える。それが奉仕だ。行動よりもその心を捧げることが大事なのだ。恥ずかしくて出来ないとは言っても、相手にとってはいやがってしたがらないだけにしか見えない。そんなだから奉仕にならない。いいか。お前はご主人様たちをさんざん失望させてきたんだ。奉仕を求めてそのたびいやがられたと感じているんだぞ。ちゃんと奉仕しないのはいやがっていると取られても仕方がない。お前はご主人様たちが嫌いなのか。奉仕がいやでいやでたまらないのか」
彼は強く首を左右に振る。彼は主人夫婦を愛している。ペットはかわいがられれば情がわくし主人を好きになる。ただなついているだけ。ただ利用されているだけ。でもペットも、そして主人たちでさえそれを愛情と勘違いしている。情が移りなついて利用しているだけなのに。愛情? うそつけ。そんなものこれっぽっちも無いくせに。愛情詐欺だな。
「ご主人様たちを愛して、本気で奉仕したいと思っているなら言われたことをすみやかにするんだ。いくら恥ずかしがってもいい。恥じらいを忘れるな。それでもする。頑張ってする。お前が再びご主人様たちに愛されるためには乗り越えないといけない試練なんだ。調教に失敗したらどうなる? お前はご主人様たちに捨てられる。いやだろう? それに俺も困る。調教に失敗したら金をもらえない。経費だってかかっているんだ。大損だ。しかも調教に失敗した調教師なんてもう仕事をもらえない。お前は俺を飢え死にさせる気か。おおげさではなく、お前のせいで俺の人生は終わってしまうんだぞ」
彼は目を大きく見開いて俺を見る。おどしすぎたか。いや。こういう手合いにはどんどん責任を押しつけた方がいい。主人に奉仕出来なくて申し訳ない。ちゃんと調教されなくて俺に申し訳ない。プレッシャーで潰れるならもう少しやさしくしないといけないが、なるべく厳しく強く打つ方がより大成する。
彼なら頑張れる。彼は責任感を力に変える強さがあるはずだ。今までは甘やかされていたから必死になれなかった。今は厳しくする俺がいる。だから彼も必死に、真剣に取り組めるはずだ。
彼はしばらくおろおろしていたが、やがて目に力が宿る。おどおどした表情の中に一点、強い光がともる。
彼は震えながら自分のペニスに手を伸ばす。片手でスカートをめくり上げたまま、足を大きく開いてきゅっと勃起ペニスを握る。
彼はびくりと震えた。
「気持ちいいだろう? さんざんののしられ興奮しているのに放置されっぱなしだったペニス。さぞかし敏感になっているだろう。自分の手で握っているのに、ただのオナニーとは違いすごく感じるだろう」
彼はこくこくとうなずく。喜んでいる。普通オナニーというのは気持ちよくない。自分の手が他人の手より気持ちいいと感じたことなんてないだろう。でも他人にののしられ、じらされ、視姦されれば興奮する。興奮が高まるとペニスは敏感になり、自分の手でも他人の手と同じように気持ちよくなれる。
「さあしごくんだ。いつもしているみたいに、いや、見られていることを意識しながら、見せつけるように、よりいやらしく見えるようにしてみろ。見られる興奮が快感になり、ただのオナニーとはまるで違う、フェラやセックスにも匹敵するほど気持ちよくなるんだ」
彼は潤んだ瞳で俺を見つめる。ペニスを握る手はほんのわずかに上下している。それだけですごく気持ちいいのだ。これ以上本気でオナニーしたらどれほど気持ちいいのだろう。快感への不安に戸惑っている。
「怖がるな。いくらでも気持ちよくなっていいんだ。乱れていいんだ。それを見るのが楽しいんだ。自分がよりいやらしくなり、より淫猥な姿をさらす。それを見せつけるのもまた奉仕の一種だ。お前のご主人様たちはお前のとんでもない痴態を見たがっている。しっかり身につけ物にしろ。きっと喜んでもらえる」
主人への奉仕が下手で困っていた彼。これを乗り越えればひとつ、主人へ喜んでもらえることが増える。不安と恥ずかしさをぐっと噛みしめ、彼は大きく手を動かし始めた。
にちゅ、にちゅ。すでにたくさんあふれている先走りを竿に塗り付けるようにしてペニスをしごく。粘つく卑猥な水音が部屋に鳴り響く。
彼は声を出せないから、口をぱくぱくさせても何のよがり声も出ない。彼のあえぎ声が聞きたい。でも聞けない。俺にとっての我慢プレイ。彼がペットでなければ声を殺す首輪などついていないものを。女よりもかわいい彼の声はきっとどんな女よりも透き通ってきれいな女声だろうに。くそ。仕事はペットの躾だ。だから首輪を外すことは出来ない。もっとも主人の持つ携帯からの暗唱番号入力が無ければ外せないからどのみち俺には外せない。
女の服を着たかわいい男の子が、大きく口を開けてよがりながらオナニーしている。でもそのよがり声はほんのわずかも聞こえず荒い吐息のみ。それだけでも十分興奮する。いや、下手すると普通に声を聞くより想像をかき立てられる分いやらしいかもしれない。
にぐちゅ、ちゅぐ、ぐちゅ。
汁まみれのペニスはぐちょ濡れで、しごく度にいやらしい音が鳴る。声が出ていない分この卑猥な水音が鮮明に聞き取れ、あえぐ以上のいやらしい演奏を奏でている。
「竿だけか? そんな単調にしごくだけか? もっといやらしくしろと言っただろう。俺をご主人様のつもりで、本気で奉仕しろ。いやらしいオナニーを見せろと言ったらもっといやらしくなるように触るんだよ」
俺は怒ってはいないが、自分の興奮を隠すために怒気をはらんだ声色でうなる。さっきまでならこんなにきつい口調で言われたら彼はびくびくおびえていただろう。でも今は、見られながら、見せつけながらのオナニーの快感に溺れている。強い口調の命令に快感を覚えたら調教は一気にやりやすくなる。彼は俺の声に対しぞくりと身震いし、おびえの中にはっきりと恍惚の表情が見て取れた。
ぐずぐずせずに、すぐに手の動きが変わる。片手でスカートをめくり上げているので使えるのは片手だけだ。彼は竿を握っていた手をするすると上げていき、濡れそぼった亀頭を手で包み込む。
ぬちゅ。軽く握って小さく揺する。彼の亀頭は先走りまみれだ。それをあのやわらかそうな女みたいな手でやさしく握って搾るのだ。気持ちよくないわけがない。
彼がびくりと悶える。大きな潤んだ吐息を漏らす。竿ばかりしごいて放っておいた亀頭はとても敏感で、触るのが辛いくらい感じるのだろう。
「いいぞ。亀頭とカリ首を触れ。もてあそべ」
彼はくにゅくにゅと、手の中で亀頭を転がす。小指をカリ首にひっかけてこする。びくびくと震えながら背を丸める。でも見せないといけないのでまた背を反らす。
「まだ射精するなよ。射精しないようにあちこち触れ。指先で亀頭を弄愛(いぢめ)るんだ」
彼の指が五本とも、別々の生き物かのようにうごめく。指を立て指の腹で亀頭をぬるぬるとしごく。裏筋やカリ首を滑るようになでては離れる。鈴口をこすりそのもどかしい苦しみに耐えられず指を離す。
亀頭から伸びた先走りの汁糸が指と繋がっている。糸を引いた指と亀頭はともにいやらしくてかっている。
「よし。次は玉だ。玉ももんでかわいがってやれ」
彼はこくりとうなずくとすぐに自分の玉に手を伸ばす。自分でオナニーしているのに自分がだれか他人の性器を責めているような錯覚に落ちているのだろう。あるいは自分が他人に愛撫されているという錯覚。命令されてオナニーすると、自分一人でするのとは別種のプレイに変わる。
手についた先走りを塗り込めるようにして玉をもむ。左右の玉を手の平にのせて転がし、ときどき包み込むように握ってもむ。
「奥様にたくさんいじってもらったんだろう。思い出すんだ。とてもいやらしい触り方をされたことを。玉を口に含んで吸われなかったか」
彼は玉を手に握り込んだままきゅっきゅと引っ張る。奥様に両の玉を口に含まれ引っ張るように吸われたことを思い出しているのだろう。
「そろそろいいか。もう我慢の限界だろう。射精していいぞ。奥様に責められたことを思い出せ。手で、口で、そして膣で責め立てられ射精させられたことを思い出しながら、激しく責め立て思い切り射精するんだ」
ようやく射精の許可が下りた。彼はもう辛抱たまらず竿を握り、亀頭の先まで搾るように、手首をひねりながら大きくしごき上げる。
先走りでずぶ濡れのペニスはあんなに激しく乱暴にしごいても痛くないようだ。ぬちゅんぐちゅんと大きな水音を立てながら激しくしごきまくる。
かわいい男の子が顔を真っ赤にしながら猛烈な勢いでオナニーしている。もう射精することしか頭に無い。俺に見られていることなど忘れているのではないのか。もう少し見られることを意識しないといけないが、それはまたの機会でもいい。今はこの、本気オナニーを存分に鑑賞させてもらおう。
彼の全身がびくんと跳ねる。彼のペニスが離れて見てもわかるほど、ぐんと膨らむ。射精するときの急膨張。
「いいな。そのまま射精するんだ。天に向かって噴き上げろ。射精は男の一番恥ずかしい瞬間だ。それを俺に見せろ。見せつけろ」
彼が細く目を開けて俺の目を見る。その顔が羞恥にぐしゃりと歪む。そうだ。お前は見られているんだ。それを意識しながら射精しろ。見られる快感と羞恥を徹底的に覚えるんだ。
彼は口をぱくぱくさせ、ぎゅっと目を瞑る。こらえにこらえてもう限界だ。これ以上こらえきれない。
びゅっぐ、びゅ、ううううううううううううっ。
噴火のように天高く、白く濁った精液が噴き出す。何も無い宙を舞い、彼の身体に降り注ぐ。
びゅぐん、びゅぐん、びゅるるるどびゅん。
若い男の子の限界までこらえた射精だ。一回二回の噴火で終わるわけがない。彼は目を瞑り、よだれを垂らしひざをがくがくけいれんさせながら連続して射精する。
次々噴き出す精液は宙を舞い、彼に降り注ぐ。数度目の射精でもなおけっこうな高さまで噴き出す。なんて元気なんだ。若く元気で爆発するような射精。いやらしい。見事すぎる。
びゅっびゅ。ようやく少しだけ漏れる程度になる。十回以上は噴き出しただろうか。とにかく量も勢いもすごかった。
彼は服に、手に、そしてもちろんペニスにまで精液がかかってしまった。ザーメンまみれでペニスを握ったままあえぐ男の子。ごくり。本当にそそる。駄目だ。襲ってはいけない。でも襲いたい。
俺は彼にタオルを投げかける。彼はうつろな目で俺を見上げる。
「疲れたろう。よく頑張ったな。上出来だ。今日はここまでだ。タオルで拭ってからシャワー浴びてこい。そのあとは夕食の支度を手伝ってもらうからな」
彼は赤いほほとゆるんだ瞳で俺を見つめる。明らかに欲情している。
そんな目で見るな。これ以上は俺が我慢出来なくなる。これは仕事なんだ。俺は欲情して彼を襲ってはいけないのだ。
調教とはどんなに軽いものに見えてもかなり疲れる。肉体的にも精神的にも疲労する。連続して行うのはよくない。一日に一つだけだ。それがゆっくりに見えて一番効率的に身に付くのだ。
「わかっているだろうが、調教以外でオナニーしてはいけないからな。まだしたくても、もうするなよ。絶対だ。いいな」
彼はうなずかなかったが俺がにらむとしぶしぶといった感じでこくりとうなずいた。
まだまだ身体がうずくだろう。調教を続けてさらに気持ちよくして欲しがっているのがわかる。だが我慢させるのも調教のうちだ。物足りない、まだ足りない、もっとしたい。次の調教まで一晩ずっと悶々とし続ける。調教されたくてたまらない、調教中毒になるように仕向ける。
俺だって我慢しているんだ。くそ。調教の続きだと言って、あるいは頑張ったご褒美だと言って一緒にシャワーを浴びながら彼を抱きたい。犯したい。でも駄目だ。調教は綿密なプランに基づいて行われる。最大の成果を得るためには欲情ごときに流されてはいけない。
俺は風呂へ向かう彼の後ろ姿を見つめる。なんてなまめかしい尻だろう。スカートをひょいとめくり上げ、とっくに濡れているであろう尻穴にずぶりと突っ込みたい。
くそくそくそくそ。そそりすぎるぞ。彼は主人を愛しているしその忠誠心は信頼出来る。主人の期待に応えるために、俺の命令には絶対従う。風呂場でこっそりオナニーしたりはしないだろう。もししたら様子を見ればわかるしな。我慢しているかすっきりしたか。
俺の方が限界だ。俺は彼がシャワーを浴びている間に、さっきの彼の痴態をオカズに抜いておくことにした。