「リアルな夢だったな・・・」

朝起きても、承安の手には痴漢した感覚が残っていた。

学校が終わってからもずっと承安は夢のことを考えていた。

自分の手を見つめて見ても、いつもと変わらない手だ。

「何だったんだろうな・・・あ、電車がきちまう・・・」

そうこう考えている内に、帰りの電車がホームへ着く。

承安は電車に乗り込んだ。

ガタン・・・ゴトン・・・

(チッ、やけに空いているな。平日でもいけるとおもったんだが・・・)

今日の夢のせいで、承安は悶々していた。

帰りに痴漢しようと思っていたが今日は平日、

講義も早めに終わったこともあって空いていた。

そんな日に限って、金髪の良いスタイルをしたギャルが、

すぐそこに立っている。

(クソッこんな日に・・・ストーキングするか?嫌しかしまた電車に乗るとも限らん。

そんな事に金を使うわけにはいかない・・・。貧乏学生の悲しい性だが・・・)

空腹の時に、高級料理を出されて食えない気分だ。

承安の悶々とした気持ちは、ピークに達してきていた。

(クゥゥゥ・・・うぉぉぉあぁぁ・・・・くそぉぉっぉぉお!!!!)

その時だった、承安の体から黒い影のような手が2本飛び出し、

ギャルに抱きついたのだ。

「影の手だ!!」

「キャア!!」

大声を出した承安と女性を、乗客たちが何事かと交互に見る。

承安が何かしたのかと乗客と女性は疑いの眼差しを向けるが、

特に何も無いと分かると、各々読書をしたり音楽を聞いたりと自分の世界へ戻った。

(どうやら、他人には見えないようだ。びっくりして引っ込めてしまったな・・・。

どうやら、精神に関係しているのか?発動するだけで消耗が激しいが・・・)

再び影の手を出してみる。少し伸ばしただけで、承安の額には汗が吹き出てくる。

まだ季節は春、そんなに暑くないはずだ。それだけ精神の消耗が激しいと言う事だ。

(夢では分からなかったが、まだ慣れてないこともあって手の形を

維持するのも結構精神力がいるぞ・・・。でもこのチャンス、逃すものか!!)

気を抜いたら手の形が解け、ただの棒状の形になってしまう。

しかし、承安は絶品のギャルを目の前に悶々とした精神を集中させた。

すると見る見るうちに影が伸び、ギャルの所へ手が届いた。

プルン!

「あっ・・・」

ギャルの胸を影の手で揺らす。

女性は辺りを気にするが、何も無い。

承安はもう片方の手で首筋を撫でる。

ザワザワとした感じが女性を襲う。

(な・・・なに?風邪でも引いたかな・・・。

さっきから体が何だかヒリつくような・・・)

構わず承安は愛撫を続ける。

首筋を撫でつつ、胸の頂点にある突起物を嬲り始めた。

「アッああぁ・・・ふぅううぅ・・・・」

(ほんとうぅにぃなにぃぃ・・・?あっつふぅぅアァァ・・・なんか・・・チクビが・・・擦れる・・・。

アアァ・・・何かに触られているような・・アァ・・・でもぉぉあぁぁ・・・いぃぃぁぁ・・・・)

承安の執拗な愛撫に、ギャルの下半身はガクガクと揺れ始める。

何とか手すりに寄りかかるが、呼吸は乱れ感度はどんどん増していく。

(これくらいの愛撫でやられるとは・・・。コイツは普通に痴漢したかったなぁ・・・。

ま、あんまり贅沢は言えないか。必ず今日はキッチリ・・・イカせなくちゃあなぁ!!)

承安の興奮が増し、性への集中力が高まる。

ついに承安の影は手だけでは無く、うっすらと人間の形へと変化していった。