目の前に、吐息すら感じるほどの距離に。

 紅い瞳と長い耳の女が――淫魔サキュバスがいた。

【冬真】
「い、淫魔――っ……!?」

 しくじった。

 とにかく距離を取るべきだった。

 慌てて逃げようとするも、もはや遅かった。

 淫魔の腕が僕を――抱き寄せる。

【冬真】
「し、しまっ……」

【サキュバス】
「捕まえたわよ、ボーヤ?」

【冬真】
(だめ、だ……ここまで密着されたら……)

 抵抗もままならず、体から力が抜けていく――。

 


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