第1次痴漢大
戦、3代目痴漢王である寺田武率いるチーム西遊記と、
痴女女王モリガン率いるダークストーカーズとの戦い。
痴漢師と痴女の犯し合いのはてに、寺田がモリガンを昇天させる。
この大戦で、表裏の社会に影響を持っていたレイプ請負組織ダークストーカーズが解散し、
社会は若干の平和を取り戻し、不況も緩和された。
そのため、多くの痴漢師が表社会へと戻り、レイプ請負人たちは社会から姿を消した・・・。
3代目痴漢王である寺田は伯父の逝去により山形へ帰郷、
次期4代目になるであろう息子、佐山武に自分のチームを託した。
痴漢王と共に四天王と呼ばれたビッグフット・ゴリは痴漢大戦前に痴漢師を引退、
そして残り2人の四天王である電マの伊藤、スメルマスター拓もそれぞれ痴漢師を引
退、
今はこの東京で元同僚の女性と結婚し平穏に暮らし始めていた・・・・
はずであったのだが・・・。
ダークストーカーズの残党たちが、最後の悪あがきの抵抗を始めていた。
伊藤のアパート
「今月で5人目だ・・・、ピストン岡田も全部の指を折られたという・・・」
「明日はわが身かもしれん・・・」
「一体どうしたら・・・」
数人の男たちが頭を抱え、ため息をついていた。
痴漢師を引退したものの、伊藤のアパートには
今も電マを購入しようとする元痴漢師たちが集まる。
「と言っても俺たちはもう痴漢師を引退したんだ。
今更、ダークストーカーズの残党共と事をおこすとなると・・・」
「今の生活が破綻するかもしれない、ということですね」
伊藤の言葉に、チチクリマンボウが口を挟んだ。
今は痴漢師を引退し心を入れ替え、まっとうな教師の道へと戻っていた。
「そういうことなんだよなぁ・・・。それに、今は我々のリーダーだった3代目痴漢
王、
寺田武もこっちにはいない。息子である佐山武も高校受験だか何だかで、
時期がくるまでは目立った行動は起こさないと言っている・・・どうしたものか・・・」
「正直、後は伊藤さん、拓さんと残った四天王にお願いするしかないんですよ。
兄貴にも尻尾を掴ませないような奴らなんです。おちおち安心してスリなんてできません」
「そうです、四天王だけが頼りなんです!!」
「たのんます!!」
元々の本業であるスリ師に戻ったチョロが嘆いたのを皮切りに、
他の元痴漢師たちも伊藤にすがりついた。
「と、言われてもなぁ・・・。確かに、札付きの元痴漢師たちもやられてきている、
最終的に俺たち四天王の首も狙っているかもしれない・・・。
まぁ一度、拓と相談してみるしかないかな」
ボリボリと頭をかき、伊藤は微妙な笑顔を皆に向けた。
電マの伊藤、電マの神様とも呼ばれる、電マの制作と使用に長けた痴漢師。
3代目痴漢王寺田武の右腕で、実質この時代の痴漢師のNo.2。
そして今、伊藤は拓の経営する会社へと赴いていた。
「というわけなんだ・・・」
伊藤は、今起きている状況を拓に話した。
拓は神妙な顔をしてコーヒーをすすった。
スメルマスター拓、元天才科学者であ
り、国の科学者として働いていた事もある。
鼻のよさと薬の知識をいかして媚薬を作る痴漢師。
「なるほどな・・・しかしどうする?チビなオッサンと中肉中背のオッサンが2人で、
この事態を治めようって事か?」
ギロリと拓は伊藤を睨んだ。
「出来れば、何とかしてやりたいんだが・・・どうにかならないものかな」
ハハッと愛想笑いを浮かべ、恐る恐る伊藤は拓に言った。
拓はガンッとコーヒーカップを置き、口を開いた。
「なぁ伊藤、俺たちは四天王と呼ばれていたわけだが今では2人しかいない。
それに四天王の力は圧倒的に、3代目痴漢王である武のカリスマ性、
ゴリの絶対的格闘力が主で俺たちなんて裏方、
媚薬と電マでサポートするようなちっぽけな力だ。
今の状態を冷静に分析するとしたら、
片羽どころか両羽をもがれた鳥のようなもんだ・・・」
「うぐっ・・・」
(何も言えない・・・)
拓の言葉に、伊藤は何も返せなかった。
薄情な用だが、それが現在の状況だ。
四天王、そして数々の仲間たちが終結したからこそ
第一次痴漢大戦は勝利できたのだ。