「ただいま〜」

伊藤はしばらく夜の街を歩き、帰宅した。

だいぶ心も落ち着きを取り戻し、冷蔵庫に入っていた麦茶を飲む。

ガタガタ!

「ん?」

ふと、寝室の方で物音がした。明かりは特についていない。

「あれ、渚?帰ってたのか・・・」

嫁の名前を呼びつつ不思議に思いながらも、伊藤は寝室の電気をつけた。

(どういうことだ・・・これは・・・)

数々の修羅場をくぐり抜けた伊藤だったが、

さすがの異様な光景に声が出なかった。

確かにそこにいたのは自分の嫁だった・・・が、

全裸で分娩台のような台にM字開脚気味に固定され、

台の上の方ではタイマーが11秒時を刻んでいた。

そのタイマーから伸びるコードの先には、両胸と秘部に

取り付けられたローターのような物に続いていた。

「伊藤ちゃん!!」

渚の声で、伊藤は我に戻り側にかけつける。

「一体どうしたんだ、これは!」

「部屋についた途端、変な女たちに捕まって・・・。

気づいたらこんな台に固定されちゃったんだよぉ・・・

助けて・・・伊藤ちゃん・・・そこに、手紙が・・・」

渚の指差す方向、ベッドの上に1枚の手紙があった。

伊藤はすぐさま手紙を手に取り、読み始めた。

「これは時限爆弾・・・ではなく、時限性感マシーン。

性感と生還をかけている・・・なんだこれは?

時間内にコードを解除することが出来れば無事生還、

時間ごとに右胸・左胸のローターが動き出し、

最後は秘部のローターが動き出す。

時間切れの場合は昇天、なお無理やり外そうとすると

電気で黒コゲ・・・?ほんとかよ・・・」

しかし、曲がりなりにもいくつかの電気・電子の特許を持つ伊藤、

回路などを見て瞬時に冗談ではないことを理解した。

(変な女、まさか俺たちの所にも痴女たちの手が伸びてきたのか?

ええい、しかし時間が無い・・・やるか!!)

伊藤はすぐさま工具を持ってきて、時限性感マシーンの前に陣取る。

回路を読みつつ、ハンダを溶かす。時にはコードを切り、

電気の流れや波長をチェックしつつ着実に攻略していく。

しかし・・・。

(マズイ・・・こんなペースじゃ駄目だ・・・間に合わないぞ・・・)

思ったより難解な回路、時間はもう15分の所まで差し掛かった・・・その時。

ヴィヴィヴィヴィヴィ!!

「あぁぁぁ・・・ン!!」

渚の右胸に付けられているローターが震えだす。

その振動は徐々に強くなり、強さはMAXになった。

「あぁぁぁん・・・伊藤ちゃぁぁん・・・たすけてぇぇぁぁ・・・キクゥゥゥ!!」

「待ってろ、もうすぐだから!」

嫁の悶える姿を見て、伊藤に焦りの色が見え始めた。

強がりで返した言葉が、逆に自分を追い詰めて行く。

(すぐになんてできるもんじゃない・・・しかし、間違えればドカンだ・・・

やるしかないが・・・だが・・・)

そうこうしている内に、5分なんてすぐに経過して行く。

次に左胸のローターが動き出す。

「アァァ・・・くぅぅん・・・あぁ・・・だめぇぇあ・・アァァ・・・両方何てぇぇ・・・・」

渚の秘部からは愛液が溢れ出し、床に流れ落ちて行く。

首をブンブン振って快楽に対抗しようとするも、

この振動の前には皆無である。

「アァァ・・やぁぁ・・・やめてっぇぇぇ・・・アァァ・・・伊藤ちゃあぁっぁん・・・

我慢できないよぉぁおぉ・・・アァアゥゥアア・・・・」

伊藤は渚の声に声を貸さず、黙々と作業を続ける。

しかし、不覚にも勃起してしまっていた。

悔しい思いと、興奮とか入り乱れる。

そんな自分が情けなかった。