
【第1章】
【第2章】
【第3章】
【第4章】
【第5章】
【エピローグの代わりに】
※※※後書きのようなもの※※※
《アンケート》
【第1章】
「はい。入っていいわよ」
テンガロンハットの女性が、事務的にそう告げる。
その言葉は、ドアの向こうの全裸の少年に「もう逃げられないのだ」と思わせるに十分な重みがあった。
「ふふっ」
少年を連れてきた別の女性が笑う。
先に部屋に入った女性の後ろから少年が最初の一歩を、不安げに足を震わせたまま踏み出す。
少年は、股間を両手で隠していた。
よもや見られたくないという気持ちを持っていても、それは一切無駄なのだということは分かっているはず。
それでも隠してしまうのは自信の無さ故か。
テンガロンハットの女性は、少年を一瞥すると書類を付けたボードを引き渡しの女性に渡した。
「どうも」
作者はこの光景とよく似た光景をテレビで見たことが有る。
幼牛が親牛の元を離れて、新しい畜産農家に引き渡される光景そのままだ。
違いは、ここが厩舎ではなく保健所だということだろうか。
保健所内の引き渡し室には、ベッドが置かれている。
病院の安ベッドと変わらぬ鉄パイプで出来た、堅牢さ以外何の取り柄もないベッドだ。
少年は、引き渡しの女性からベッドの上で四つん這いになり、尻をテンガロンハットの女性に向けるよう言われ、恐る恐る従った。
少年の手が股間から離れる。
少しづつ晒されるおチ○ポ。
地方ではチン棒、あるいはミルク棒と呼ぶ場合もあるが、ここでは標準語に倣い「おチ○ポ」と呼ぶこととする。
「なるほどね」
テンガロンハットの女性は微笑んだ。
確かに、勃起している。
間違いない。
マゾだ。
一般的な、いわゆるマゾ男子でない場合、おチ○ポどころかアナルまで丸見えの恰好にされたら勃起は出来ない。
したくても出来ないだろう。
しかしマゾは違う。
恥ずかしさのあまり勃起してしまう。
ましてや、純な思いを募らせる若いマゾなら当然だ。
「剃毛済みなんだ」
「はい。こちらで処理いたしました」
「そう」
テンガロンハットの女性は、ゴム手袋を嵌める。
手袋の素材がいかに厚みがあって、固く、滑りにくいかを示すようにギチギチと音が鳴る。
そして、その音は少年の心に不安感をもたらすのに十分な迫力だった。
「どれどれ♪」
テンガロンハットの女性は軽く微笑むと、少年の勃起したおチ○ポを後ろから引き抜くように、無理矢理に下を向けさせた。
「あぐ・・・!」
「健康そうね」
「もちろんです」
テンガロンハットの女性は顔を少年のお尻に近づけて、大きく鼻で息を吸った。
「匂いも悪く無いわ。
プンプンマゾの香りがする。
この子はきっと良いマゾ牛になるわ。
じゃあ、早速初搾りをいただこうかしら」
「うふふ。どうぞ」
テンガロンハットの女性の言葉に、少年の顔が曇る。
検品なのでいろいろとチェックされ、値踏みされるとは知っていたが、まさかいきなり搾精とは思っていなかったのだろう。
怯えた顔に、涙が滲む。
「頭のてっぺんをベッドに付けなさい」
「ふぁい」
少年は、テンガロンハットの女性の言葉に素直に従った。
これから自分の未来を決めるのは、テンガロンハットの女性だということを重々承知しているのだろう。
涙混じりの言葉があまりに情けなく、それでいて可愛らしく思えて、二人の女性は微笑んだ。
どうやら少年の純粋さと可愛らしさを気に入ったようだ。
これは少年にとって良いニュースというべきだろう。
圧倒的な女性上位社会で生きるには、健気さや可愛らしさが男性には求められる。
特にマゾは、その点をさらに厳しく問われる。
マゾが女性に気に入ってもらえるということはそれだけ、重要なことなのだ。
テンガロンハットの女性は少年の勃起おチ○ポを(勃起おチ○ポは地方では、『ミルク出し前』や『お漏らし前』と呼ぶことがあるが、ここではやはり標準語に倣って『勃起おチ○ポ』と呼ぶこととする)、右手の指先でそっと撫でると、紙コップを亀頭の下に置いた。
紙コップには内側に目盛りが付いており、出した量を計れるようになっている。
量と質が良いほどマゾ牛は好待遇だ。
というよりも質が悪いと、“良くなるまで、調教を受けなければならなくなる”のだ。
この点から若いマゾ牛ほど、好まれるのは自明の理だろう。
出涸らしになり始めたマゾには厳しい調教か、あるいは別の家畜の道が待っている事も付け加えておくことにしよう。
テンガロンハットの女性は少年のアナルに左手の人差し指を入れた。
なるほど、質が良い。
締りも良くて、伸縮性の有るアナル。
間違いなくアナル童貞のモノだ。
まさかマゾのくせに、普通のセックスを経験済みということはあるまい。
つまり、チ○ポもアナルも童貞。
もはや彼が女性の膣の中に出すという“非童貞”の人生は歩めまいが、アナル童貞だけはここで奪っておいてあげるのが女性の優しさだろう。
それがテンガロンハットの考えだった。
だから人差し指で、探す。
前立腺を。
「あぐぅ・・・お・・・」
人差し指がアナルの中を、まさぐる。
お尻の中をチェックするように・・・。
少年はテンガロンハットの女性が探している『前立腺』というものがなんだか知らなかった。
しかし、ゴム手袋のギチギチとした触感がアナルの中をほじくり返すことに、とてつもない恥ずかしさを感じる。
何が恥ずかしいか。
アナルが年上(?)であろう女性二人に丸見えになっていること。
それでもおチ○ポが勃起をやめないこと。
アナルの中をほじくられて、声を上げてしまったこと。
そして、アナルの中をまさぐる女性の指先が、まるで自分の排泄を促しているかのような感覚を与え、その予感ともいうべき感覚に抗っている自分がいること。
それらを恥ずかしく思えば思うほ、体温が上がり、心臓が強く鼓動する。
「あった。ここだわ」
テンガロンハットの女性は指の腹でコリコリとした部分を押す。
「ふぁひっ!」
「あらあら❤」
引き渡しの女性は呆れたように、そして嬉しそうに、そう言った。
そしてその言葉が『始め』の合図だったかのように、テンガロンハットの女性は、激しく、遠慮なく、それでいて圧力を加えぬよう、表面だけを擦るように、上下におチ○ポを撫で上げた。
その勢いは一切止むこと無く、激しく上下運動を繰り返す。
同時に、アナルの中のゴムで武装された人差し指が、もにゅっもにゅっとアナルの中を押しては引き、押しては引く。
人差し指の動き自体は、まるでエレベーターのボタンを連続して押すかのような、単調な動きだったが、少年の脳内に届く快感の波は、射精の直前に一瞬だけ感じるはずの高揚感で脳を激しくノックされている、正にそんな感覚だった。

「3,4,5、6」
引き渡しの女性が数をカウントしている。
少年にはそれが、射精するまでの時間を図っているのだと思えた。
違う。
引き渡しの女性が数えているのは、テンガロンハットの女性がおチ○ポを擦った回数である。
上に一度、下に一度擦っての一往復を1回とカウントしている。
「7,8,9」
少年のお尻がブルッと震える。
と同時に、少年は勃起おチ○ポをいっそう硬くした。
「結構な量、出るわよ」
優秀な射精技師、あるいは搾精士は勃起おチ○ポの直前の硬さでマゾ牛が射精するミルクの量が分かるという。
射精されるミルクの量は経営に大きな影響を与えるので、それが出来ないと一流にはなれないともいわれている。
が、実際に勃起おチ○ポの硬さが射精するミルクの量に関係しているという学術的証拠は何もない。
あくまで、俗説というやつだ。
どうやらテンガロンハットの女性は俗説の信奉者で、自信もマゾ牛の射精量を計れる搾精士だと自認しているようだ。
一方、引き渡しの女性は顔にこそ出さなかったが、少しも同意しなかった。
何度かの、少年の事前健康診断の際に提出させたオナニーミルクはいずれも量が少なかったからである。
(・・・気高くあるべき女性が俗説なんか信じちゃって・・・)
そう心の中で毒づいた。
そして射精の瞬間が迫る。
亀頭の先に申し訳程度にある尿道穴が、中からメリメリと押し出されてくるおチ○ポミルクを押し込めきれずに開いた。
開いた瞬間、中から空気に触れることを夢見続けたミルクが勢い良く溢れだす。
飛び出したと言ったほうが、より正確だろう。
最初の第一陣は引き渡しの女性が予想した程度の量がぴゅっと飛び出る程度だった。
(ほら、やっぱり。この年齢でこれしか出ないんじゃ、先が思いやられるわよ)
普通の、いわゆる搾精技術の無い女性ならここで諦めるだろう。
射精した当人、つまり少年自信も同じ考えだった。
しかし、そうは思わなかった人間がいる。
テンガロンハットの女性、つまり搾精士だ。
彼女はそのまま、アナルの中の人差し指で前立腺をノックすることをやめなかったし、おチ○ポを擦る手も止めたりはしなかった。
全く同じスピード、全く同じ力加減で続けた。
これはこの後、少年に必ず装着される『搾精機』と同じ動きである。マゾ牛を刺激し続ける。
マゾ牛が泣こうが喚こうが、暴れようが関係なく。
延々と、機械的に(この表現はいささか、可怪しいかもしれない。マゾ牛のミルクを搾り取っているのは心を持たぬ『機械』そのものなのだから)、なんの感情も無く、射精を促し続けるのである。
そのことを思えば、最初から機械と同じように刺激してやるのがマゾ牛の幸せというものだ。
テンガロンハットの女性はそう考えていた。
搾精機のことなどよく知らぬ引き渡しの女性は訝しく思いながらも、カウントを続けた。
「10、11,12、13・・・あっ」
テンガロンハットの女性が微笑む。
その姿を見て、引き渡しの女性は自らの無知を恥じた。
「くっ・・・ふ・・・ふぐ・・・」
あまりにも多くの射精量。
今までも何度かマゾ牛を引き渡したことが有る。
しかしここまでの量を出すマゾはいなかった。
だから「結構な量出る」と言われても、ピンと来なかった。
しかし、実際に少年のおチ○ポからはあまりに多くの量、ミルクが溢れ出た。
文字通り、尿道からミルクが溢れている。
下に置かれた紙コップの8割は、すでにミルクでいっぱいだ。
目盛りはすでに見えない。
350ミリリットルは入るであろう紙コップだが、おチ○ポミルクが飲み口からこぼれて始めている。
(・・・もったいない)
引き渡しの女性がそう思うと、テンガロンハットの女性は視線を少年のおチ○ポに向けたまま、
「こぼれた分だけなら舐めてもいいわよ。
ただしこぼれた分だけ。
コップは私がもらうわ。
いいわね?」
少し強い口調でそう告げた。
(俗説だの、なんだのって考えていたの、バレちゃってたのかしら?)
引き渡しの女性はそう感じ、困ったように眉を八の字にしながら微笑んでみせた。
それでもテンガロンハットの女性は、少年のおチ○ポから目を離さない。
少しくらい引き渡しの女性に視線をくれて、人間関係の修復を図っても良さそうなものだが、そうはしなかった。
「プロですね」
「そうよ。搾精のプロ」
テンガロンハットの女性は、返事と同時に、やっと射精が落ち着いた少年の、ミルクの滴りが残るおチ○ポをぴっぴっと前後に振った。
おチ○ポに滴り付いたミルクを払うためである。
その姿は、トイレの小便をした直後に男が行う仕草に似ている。
わざとテンガロンハットの女性はそうした。
ベッドに2,3滴のおチ○ポミルクが落ちるように。
常識で考えて、世の中にある大抵のものは、全うな人間ならオコボレを与えられることに腹を立てる。
人間としてのプライドがそうさせる。
しかし、今回に限っては違った。
なにしろ今回のオコボレは「ミルク」だ。
しかも、搾精士による“初搾り”。
おチ○ポ2,3滴、つまり1ミリリットルあたり7万円から10万程度取る店だって有る。
金現物よりもはるかに値が張る。
ベッドにこぼれてしまった分を拭き取れば、全部で20ミリリットルはあるだろうか。
額にして140万から200万。
「これをどうぞ」と言われたら心が揺らぐ。
しかもミルクは飲めば極上、美容にも絶対に欠かせない。
初搾りなら尚更だ。
女性が生きる上で必要不可欠なミルク。
大変に貴重で必要不可欠なミルクをこれだけ貰えれば、嫌な顔はできない。
引き渡しの女性は深々と頭を下げて
「有難う御座います!
頂きます」
そう告げた。
「マゾの搾精は女性の『器』が問われるの。
学問じゃないわ」
「し、失礼しました」
テンガロンハットの女性は、引き渡しの女性が謝罪しても視線を少年のおチ○ポから外さない。
おチ○ポの硬さが緩んできた。
どうやら一回の射精量はこんなものらしい。
「ま、この保健所経由では一番かな」
そう言うとアナルから指を抜いて、殺菌ウェットティッシュで真っ先に少年のアナルを拭いた。
続いておチ○ポ。
丹念に、しっかりと拭き取る。
マッサージも兼ねているのか、時折握りこんで圧迫したり、指先で揉みほぐす。
その丁寧な拭き取りに少年は「あっ・・・あっ・・・」と何度も声を漏らし、おチ○ポを硬くしたが、一切手を止める気はないらしい。
雑菌が繁殖したら、可愛いマゾ牛が台無し。
そんな風に思っているのだろうか。
拭き取りが終わると少年は、すぐにでもベッドから降りたかった。
すぐにでもおチ○ポを隠したかった。
他のマゾ牛に比べて自分のそれが小さいことがコンプレックスだからだ。
―勃起しても、この程度か―
そう思われたくなかった。
テンガロンハットの女性は最初からそのことに気がついていたが、まだ「降りて良い」とは言わない。
代わりに、紙コップを握りしめ、口につけると一気に煽った。
引き渡しの女性が生唾を飲む。
あれだけの量、一気に飲むことがいかに豪勢で、いかに美容に良いか知っているからだ。
彼女は心の底からテンガロンハットの女性を羨ましく思った。
「射精後も乳首が勃っていること、勃起がおさまらないこと、ともに報告書には書いておきなさい」
「あ、はい!」
引き渡しの女性は慌てて少年を下から覗き込む。
確かに乳首、おチ○ポ、ともに未だ勃起していた。
(・・・すごい)
「痙攣が収まらないわね。
仕方ない」
テンガロンハットの女性は、少年のお尻が時折ビクッと震えるのを見て、そう呟いた。
今までしっかりと搾精されたことがないのだろう。
間違いなくオナニーする時も、しっかりと射精することを意識して出したことはあるまい。
だからたった一度、しっかりとプロの搾精士に射精させられただけで痙攣が収まらなくなるのだ。
テンガロンハットの女性は、一度脱ぎかけたゴム手袋をもう一度しっかりとはめ直すと、右手を大きく頭の上まで振り上げてから、強く、強く、少年のお尻を手の平で叩いた。
「ひぐぅううううっ!!!!!!」
牛のように泣く少年の姿は、引き渡しの女性の笑いを誘った。
「まだ痙攣おさまらない?
もう一発欲しい?」
「いやっ!
あ、・・・あの。十分です」
「そう?
でもまだ痙攣してるわよ?
遠慮しないで。
ね?」
「あ・・・」
少年はテンガロンハットの女性が手を振り上げるのを見た。
そしてもう一度、自分のお尻にゴム手袋が張り付く瞬間も。
「じゃ、あの子はウチで貰って行くわよ」
少年を部屋の外に全裸のまま立たせ(マゾ牛なのだから当然だが・・・)、テンガロンハットの女性は引き渡しの女性にそう告げた。
「はい。あの・・・」
「?」
「これ・・・本当に・・・有難う御座います」
引き渡しの女性が必死でベッドのシーツからおチ○ポミルクを指で拭きとって集めているのを見ながら、テンガロンハットの女性は微笑んでみせた。
今度こそ人間関係を円滑にすべく視線を彼女に向けて、優しく。
「いいのよ。
次もお願いね」
「はい!」
少年はその日の内に搾精場に、“輸送”された。
|