bel 327.6.3
「はぁ…… はぁ……!」
黒衣の女が、夕暮れの森を駆け抜けていく。
彼女の名はヴィオラ。
冒険者と傭兵との兼業で、本職は女アサシンだ。
ただし今回のパーティーには、スカウト(偵察役)として、騎士アルティ卿から雇われていた。
彼女はすでに、パーティーが壊滅したことを知っていた。
最前衛の騎士・アルティ卿は、すでにゾンビ化してしまった。
森エルフ族のグリーネは、
アルティ卿を始めとするゾンビの群れに包囲され、
手ひどく輪姦されていた。
ヴィオラが最初にそれを見た時は、アルティとグリーネが性交していることにショックを受けた。
彼女はさらに、アルティがゾンビ化していることを知り、
女心を二重に傷つけていた。
パーティーには、あと二人の男性がいた。
男の戦士と弓兵は、ヴィオラとともに森を走って、味方の陣地を目指していた。
しかし彼らは、走るうちに様子がおかしくなった。
気づいた時には、彼らもゾンビとなっていて、
ヴィオラに向かって襲いかかった。
ヴィオラは俊足で逃げ去った。
ゾンビとはいえ、つい先ほどまでの仲間を潰すのは忍びなかった。
そしてやはり、
近くにネクロマンサー等の気配は居なかったため、
正体不明のゾンビと交戦することを避けたのだった。
(このゾンビ化は……ネクロマンシーでは無いということ?)
一人きりになったヴィオラは、森の中を移動しながら考える。
伝染病。
彼らはリビング・デッド(動く死体)というより、
ゾンビ化という疫病の患者なのではないか。
だとすれば、アルメキア王国軍7,000名という大人数にとって、
これほど危険な相手はなかった。
一刻も早く、本陣に情報を持ち帰る必要がある。
ただ……そのためには、グリーネを見捨てなければならない。
グリーネはまだゾンビ化していた気配は無かった。
しかし感染型のゾンビに囲まれていては、救出は困難である。
しかも、おそらくまだ発症していないだけで、グリーネもすでに感染しているはずだ。
(グリーネ、ごめんなさい……)
ヴィオラは決断すると、一人会議を打ち切った。
人間側の陣地に帰投するため、一直線に森を南下していく。
”人から人へと感染していく、奇妙なゾンビがモルンゼ砦に存在している”
この情報の有るや無いやは、おそらく戦局に対して、決定的な意味を持つ。
背負い込んでしまった責任は重い。
ヴィオラは素晴らしい俊足で、森の地面を蹴りつけた。
--
女アサシンが、夜の森をひた走る。
むっちりと張った太ももの肌色が、
せわしなく動きながら、闇色の森に浮き上がる。
その太ももに、小さな白点がくっついている。
白点は女の肌にしっかり貼り付き、
激しい走行でも振り落とされない。
白点は少しずつ動き始めた。
女の太ももを上に登って、温かな股間を狙い、這い寄っていく。
その白い点こそが、ゾンビ化の元凶である寄生虫、屍蟲であった。
屍蟲はヴィオラの足を登り、股間に入った。
蒸れたブルマをくぐり、
汗の臭いがするパンティの中に侵入していく。
小虫のくせに、屍蟲は女体への性欲にたぎっていた。
走るためにムチムチと動く女肉の柔らかさを、
たまらないと感じていた。
屍蟲から見れば、ヴィオラは女巨人であり、その生殖器も巨大だ。
虫は女巨人の陰裂に全身を埋め、
メスの臭いを身に浴びていた。
身体全体を使って、プニプニとした陰唇を押し開く。
屍蟲は尿道口の汁を舐め、淫核を鞘からほじり出し、
膣穴の中に身体を入れて犯したりした。
ヴィオラは走っているので、
あちこちの肌や粘膜が摩擦している。
そのため、陰部を好き放題に触られても、はっきりとは気付かなかった。
虫は、たった一匹で巨大な女性器を独占して、
かなりの時間を楽しんでいた。
やがてそれに飽きてくると、屍蟲は本来の目的に戻った。
屍蟲はヴィオラの肛門に貼り付いて、
その動きを観察していた。
ヴィオラが足を動かすたびに、
肛門が小さく開閉している。
肛門が開いた瞬間を捕まえて、屍蟲は頭を突っ込んだ。
そこからは一気に身体をねじ込み、
じたばたもがきながら、ヴィオラの体内を目指した。
「ひゃんっ!?」
これにはさすがに、ヴィオラも変な声を出してしまった。
肛門にスイカの種でも突っ込まれたような感触だ。
スイカの種は、思わず締まった尻の穴でグリグリ暴れた。
やがてきつく締まる部分を抜けると、
そこから先の感触は、スッと体内に消えてしまった。
(な……何だったのかしら、今のは……)
陣地に帰ったら、こっそり鏡の前で下着を脱いで、お尻を広げて、
自分で肛門を確認しよう。
ヴィオラは赤面しながら、ブルマの上からお尻をさすった。
しかし、とにかく今は、情報を持ち帰ることが先決だ。
ヴィオラは夜に沈んだ森の中を走り続けた。
いっぽう。
ヴィオラの尻から侵入した屍蟲は、
驚くべき速さで、泳ぐように、長い腸の中を移動していた。
屍蟲の両目が赤々と光る。
小指の爪ほどの虫ではあるが、
その力ある存在感は、間違いなく魔物だ。
肛門から入って10分も過ぎるころには、
屍蟲は胃からのどへ、のどから鼻へ、鼻から耳の奥へと移動して、
ついにはヴィオラの脳にまで達した。
--
「はぁ……はぁ…… な、なぜ……?」
ヴィオラは道を間違えていた。
確かな方向感覚で、真っ直ぐ陣地を目指したはずだ。
なのにいつの間にか、ヴィオラは逆戻りをして、
気がつけば、ゾンビの群れの中に囲まれていた。
足が勝手に方向を変えたとしか思えなかった。
『ああ”あぁぁ……っ』
『ぉおアアァぁぁ……っ』
「くそッ、近寄るな!」
シュパッ! ズバッ!
ヴィオラは黒いカタールの刃を舞わせ、
近づくゾンビの腕を斬り落とす。
戦闘力でいうなら、ゾンビはしょせんゾンビに過ぎない。
しかし、このゾンビの恐ろしさは、戦闘力ではない……!
ヴィオラはゾンビ化の感染を恐れて、
毒蛇に囲まれたような緊張の中で、ゾンビの攻撃を回避していた。
ザシュッ、ズバッ!
敵の隙間を斬り開いて、
ヴィオラはゾンビの包囲を抜けつつあった。
だがその時、ヴィオラの頭の中で、何かがピクッとうごめいた。
すると彼女の肉体は、
「彼女以外の誰か」の意思でも動きはじめた。
「えッッ……!?」
突然、ヴィオラは足が動かない。
彼女は棒立ちになり、
ゾンビのタックルをもろに食らって押し倒された。
ドサッ!
「うぐうっ!」
ブルマのお尻から地面に落ちた。
慌てて立とうとするのだが、両足は依然として
神経が通っていないように動かなかった。
「ど……どうしてっ!?」
ヴィオラは立ち上がれずに、
腕だけでカタールを振り回す。
ゾンビの指や顔がスパスパ斬れる。
しかし彼らに痛覚はなく、勢いを止めることが出来ない。
ガシッ! ぐいっ!
「あっ!? やっ!
離せっ、離しなさいっ! きゃああっ!?」
たちまちヴィオラは、ゾンビの群れに捕まった。
ヴィオラは胎児のように身を丸めて悲鳴を上げた。
ゾンビたちはヴィオラの身体に欲情していた。
”その手を離せ、おっぱいをこっちに見せろ”
そんな感情のさざ波が、ヴィオラの周囲からはっきりと伝わる。
「くっ、だ、誰が……!」
ヴィオラは頑としてゆずらずに、
両手で乳房をガードする。
すると、ヴィオラの脳の真ん中で、またピクッと何かが動くのだ。
ガバッ!
「わわっ!?」
今度はヴィオラの腕が、かってに左右に開いた。
彼女はゾンビに向かって胸を突き出していた。
「さぁ、私のおっぱいを見て下さい」と言わんばかりの格好だ。
ボディスーツ一枚だけしか着ていない巨乳が、
プルンと大きく揺れはずみ、ゾンビたちを誘っていた。
「なっ、なんでよおぉっ!?」
ゾンビたちは、無表情な顔で興奮していた。
赤い両目が邪悪に光る。
彼らはもう人間ではなく、魔物だ。
彼らの目や口から、ウゾウゾとウジ虫が這い出してくる。
虫たちもまた、赤い両目を光らせていた。
虫のくせに性欲に満ちた視線で、豊かにたわむヴィオラの乳房を凝視している。
(な、なんでゾンビが……虫が、私のおっぱいを?)
見下ろす虫たちの何匹かは、
我慢できなくなって飛び降りてきた。
ヴィオラの乳房に直接はりつき、触りはじめる。
乳房の上で、小さな重みがモゾモゾ動く。
それは、ヴィオラの脳内にある異物感と同じ感触だった。
「はっ……そうか!?」
ヴィオラは状況を理解した。
それをあざ笑うかのように、虫が一匹、乳房から立ち上がり、
赤い目を光らせてチキチキと鳴いた。
(やられた……!)
なぜ道を間違えたのか。
なぜ両脚が、急に動かなくなったのか。
なぜ両腕が、自分から乳房をゾンビに差し出したのか。
ヴィオラの脳に、もうすでに、虫が一匹入っているのだ。
この虫こそが、ゾンビ化を引き起こす病原体。
しかもどうやら魔物のようだ。
「じゃ、じゃあ……! さっき、私のお尻から入ってきたアレ!?」
あの恥ずかしい刺激は、実は生死を分ける大失態だった。
脳という人知の及ばぬ臓器の中に、
敵が侵入しているという状況は、背筋が凍るほどに恐ろしかった。
ビリッ、ビリイィーーッ!!
「きゃ、キャアァーーーーーッ!!」
ゾンビたちは、狙っていた巨乳を裸に剥いた。
長距離を走っていたヴィオラの乳房は汗ばんで、
ピンク色の乳首が大きく上を向いていた。
ゾンビたちは遠慮のない手つきで乳房を触り、揉みしだく。
ヴィオラは猛烈な嫌悪を感じた。
ぐにゅっ、むちっ、にゅむっ……!
「ひい、嫌ァっ!? 触らないでっ!」
ヴィオラは必死に暴れるが、もはや虫が操るまでもなく、
手足はゾンビにしっかり押さえられていた。
『うう”あ”ああ”ぁぁ〜〜……!』
(嫌だ! これ……犯されるっ!!)
グリーネの状況を見届けたので、
自分が何をされるのかも予想が付いた。
必死に身をよじるが、逃れられない。
柔らかい乳房だけが、左右にプルンプルンと揺れていた。
その生乳揺れのサービスは、ゾンビたちを大いに煽った。
ゾンビのウジ虫が湧いたペニスが、
次々と海綿体に血を含み、肉の槍へと変化していく。
「やめてっ、離しなさいっ!
なっ、何だって、ゾンビがこんな事を……!」
ビリビリッ、ビイィーーッ!
「やあああああぁーーっ!!」
こんどは紺色のブルマが引き裂かれ、白いパンティがズリ降ろされて、
ヴィラは陰部を裸にされた。
大きく割り開かれた女の股で、ピンク色の粘膜孔がヒクヒク震える。
ゾンビたちは先を争ってヴィオラの股間に群がった。
順番争いが激しくて、愛撫したり、臭いを嗅いだりしているヒマはない。
ゾンビはヴィオラの女性器に熱いペニスをあてがうと、
奥まで一気に貫いた。
ずぶううううっ!!
「いやああああああっ!!」
男に不慣れなヴィオラの膣を、虫だらけのペニスが貫いていく。
女の粘膜を、魔物の生殖器にこすりあげられ、膣はおぞましさに震えた。
その侵入感は、死者とは思えないほど高温だった。
ずぶっ、ずちゅっ、ずぶっ、ずぷっ!
「あっ! いやっ、いやぁっ! やめて!」
ゾンビのペニスは不気味な粘液を吐き出して、
濡れてもいない膣内を無理やり滑る。
”また”レイプされてしまった。
侵入をくり返す男根の圧迫感に、ヴィオラは大粒の涙をこぼした。
ヴィオラに恋人が居たことは無い。
彼女は八年前に、山賊に輪姦されて処女を失った。
それが人生で唯一の性交だった。
ずぶっ、ずちゅっ、ずぶっ、ずちゅっ!
「あうっ! あっ! 嫌っ、嫌だぁ!」
かつて山賊たちは、少女ヴィオラの膣をガバガバにした。
年月によって穴がすぼまり、またアサシンの訓練によって筋力が増し、
今のヴィオラの膣肉は、性器として絶妙の締めつけだった。
その締めつけによる摩擦感が、ヴィオラのトラウマを刺激する。
彼女は全身から力が抜けて、泣きながら犯されていた。
『あ”あ”あああぁ……!』
ヴィオラを犯そうとして、ゾンビたちが森から集まってくる。
光に集まる蛾のようだ。
ヴィオラは何本もの手に捕まって、全身の女肌をまさぐられる。
大きな乳房を揉みつかみ、
ボリュームのある尻肉を握り、まさぐる。
ゾンビだけでなく、無数のウジ虫たちも悦びざわめく。
ゾンビと屍蟲は女犯の快楽を共有し、
皆で一体となって、ヴィオラというご馳走を楽しんでいる。
ずんっ、ずんっ、ずちゅっ、ずぶっ!
「うぁっ! あっ、あぐ! あぐうっ!!」
太いペニスが膣奥を突く。
柔らかいヒダ肉が、ペニスにねじられて痛みを発する。
ヴィオラの足の付け根に、突きに合わせて、
痛みをこらえる筋肉のすじが浮きあがる。
ゾンビたちのペニスは、生前よりかなり肥大していた。
変な体液で潤滑してはいるのもの、
熱い女の肉穴と、太い男の肉棒は、ギチギチとしごき合っていた。
じゅぷっ、にちゅっ、じゅるっ、じゅぷっ!
「ひあっ! あっ、あんっ! ああっ!」
ところが女の股は、次第に水音が大きくなった。
本人が気付かぬうちに、吐息は熱く、全身にじっとり汗が浮かび始める。
ペニスと一緒に膣に入った虫たちが、
いまや子宮と卵巣に寄生して、
ヴィオラの性ホルモンを狂わせているのだ。
じゅぶっ、ぬぷっ、にちゃっ、じゅぽっ!
「ああっ! あんっ、あっ……な、何これぇ!?」
膣穴を突かれながら、女の腰が浮いて、ピクピクと震える。
女の尻に、熱い悦び汁が伝い流れる。
いったん鎮まっていた乳首が、また勃起する。
ずぶっ、ずちゅっ、ぐちゅっ、ずぶっ!
「あんっ! あんっ! ひあっ! あっ、あはぁぁっ!!」
ヴィオラも思わず腰を振る。
乳房が水風船のように揺れ弾む。
膣はイソギンチャクっぽく波打ちながら、ゾンビの竿に絡まり、熱く締め上げた。
女体の肌が、全身から発情臭を立ち昇らせる。
ゾンビの輪の中心に、メスくさい霧がこもっていく。
じゅぷっ、じゅんっ、ぬるっ、にゅぷっ……!
「あんっ、あっ! あんっ! あんっ!
何……あそこ熱い、身体がへン……んきゃあっ!?」
ヴィオラはアンアン鳴かされながら、不自然な快楽に狼狽していた。
夜に裸で股を開いているのに、
肌寒いどころか、穴が燃えるようだった。
ペニスに突かれるたびに、子宮がキュンキュンと恋をする。
子宮に寄生している屍蟲たちが、
好き放題に、ヴィオラのホルモンを操っていた。
屍蟲は、苗床にする女の脳を壊さない。
その代わり、女性器を性に狂わせて、
繁殖に特化した女体に変えようとする。
じゅぶっ、ずむっ、じゅるっ、じゅぷっ!
「ああっ! らめっ、そんなっ! 感じすぎっ……!」
(こ、こんな……! 身体が勝手に……怖い……!)
ヴィオラの股間は、栓が外れたように潮を吹く。
膣がうねり、心臓が熱く高鳴っていく。
自分の身体が自分以外に動かされ、心のほうは真っ青だった。
ぱんぱんぱんぱんっ! じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ!
「あんっ! あっ! あんっ! あひぃっ!」
快楽に痙攣する膣を突き抜いて、
ペニスがいよいよ加速する。
ペニスは太く脈打ち、女にとどめを刺そうと、武者震いをする。
(い、いや……! 中に出される……!)
かつてヴィオラは山賊たちに孕まされ、泣く泣く堕胎の薬を飲んだ。
その後すぐに、彼女は死んだ赤ちゃんを産まされた。
人生最大のトラウマを思い出し、ヴィオラの両目に涙があふれた。
「嫌あああぁぁーーーーっ!!」
ゾンビの腰がブルッと震える。
ヴィオラは妊娠の恐怖に叫ぶ。
その一番奥に、子種が容赦なくぶち込まれた。
どびゅっ、びゅるるるるるっ! びゅるるぅーーっ!!
「うぐううううううううぅぅぅぅーーーっっ!!!」
女に刺さった太い幹から、熱い精液が注ぎ込まれる。
熱感は膣の奥をグッと押しひろげ、
圧力が限界を超えると、子宮口から、さらに奥まで飛び込んでいく。
どくんっ、びゅるんっ、どくっ……! どくんっ、びゅくっ……!
「ああっ! あああぁーーっ!!
も、もう妊娠はいやああああっ!!」
腹の奥で、種付け棒が脈動している。
男たちの白い悪意が、八年前と同じように、子宮の中に広がっていく。
女の心を踏みにじり、
その下腹部に、望まない肉の塊を植え付ける。
なみなみと注がれた精液は、
子宮の中でいったん溜り、
やがて白いスライムのように動き始めて、卵管の中へと入っていった。
どくんっ……どくん……
「うう……離してぇ…… いやだあ……!」
ヴィオラは幼児のように泣いていた。
どんなに嫌がっていても、女は種を注がれたら孕むのだ。
また腹が重たくなって、毒を飲み、膣穴から死体をひり出すのだろうか。
子供に返ったヴィオラの乳房を、
ゾンビたちの手が鷲づかみにする。
こちらは大きく柔らかく育った、大人のサイズだ。
ぐいっ、むにゅっ、ぐにゅ……
ゾンビたちは、乳房を強く揉み潰しながら、前後にゆすった。
乳房を取っ手にして、ヴィオラの子宮をゆっくりかき混ぜている。
『胎の中で、よく混ざれ』
そんなゾンビの心の声が、
ヴィオラにも聞こえるようだった。
びゅっ……ぴゅる…… ぴゅるる……
「いや…… いやぁ……!」
射精は人間の男よりもずっと長く続いたが、
ようやく勢いが弱まってきた。
だがもうすでに、狭い子宮は精液で満たされている。
「うっ……うう……ぐすっ……」
強いショックが通り過ぎ、つぎは深い悲しみに泣いていた。
彼女の膣は、彼女の心にお構いなしに、
強く、柔らかくペニスを搾って、どん欲に精液を吸い出している。
『ああ”あぁあぁ……!』
最後の一滴まで奥に注ぐと、
ゾンビはゆっくりとペニスを抜いた。
ぬちゅっ……
「ああっ……!」
ペニスが抜ける、粘液質な音がした。
凌辱行為の完成を感じた。
ヴィオラはがっくりと打ちのめされて、
男たちに抵抗する気力がなくなった。
ゾンビがヴィオラから離れると、
濃い精液がつうっと糸になって、女の股間から伸びていく。
一つのレイプが終わりを告げた。
しかしヴィオラは、八年前を覚えている。
悪夢はまだ終わらない。
男たちの欲望に一人で囲まれた時、
女は一度犯されただけでは許してもらえない。
予想通り、次のゾンビがヴィオラに跨がり、
精液だらけの膣にペニスをあてがってきた。
輪姦される。
でも、もう抵抗できない。
諦めきった女の身体が、ゾンビたちに向かって、勝手に開いていくような気がした。
ずにゅううううううっ!
「ふぐううううっ!!」
二本目のペニスも、実に立派な一物だった。
長く太くそり返り、
ヴィオラの膣を、奥までみっちり埋めつくす。
「あうっ! あっ、あんっ! あんっ!」
赤い膣肉を押し潰しながら、
じゅっぽ、じゅっぽと前後運動が始まった。
たちまち快楽の火が、ヴィオラの膣を燃え上がらせた。
(でもきっと、穴が腫れ上がって、痛みしか感じなくなるまで犯されるんだ)
そのうち男たちは、順番を待ちきれなくなって、
口にも、お尻の穴にも、臭いペニスをねじ込んでくる。
ヴィオラには分かっているのだ……
ずぶっ、にちゅっ、ずんっ、ずんっ!
「うあっ! いやっ! あっ、あんっ!」
ヴィオラの視界に、森の木の枝が揺れていた。
だが上空に風はない。
揺れているのは、犯されているヴィオラの身体の方だった。
ずぶっ、ずちゅっ、ずぼっ、ずむっ!
「あっ! あはっ! んっ! んうぅっ!」
膣は大いにピストンを悦んで、女の蜜をたれ流す。
身体のど真ん中をクシ刺しにされ、
その快感は波となり、全身の末梢まで広がっていく。
わき下や乳房に汗が流れる。女の吐息が熱くなる。
ガクガク震える股関節の中央で、
クリトリスはペニスのように勃起していた。
(も、もはやこれまでか……)
恋に破れ、軍務をしくじり、敵の凌辱によがらされ、
最後はゾンビにされるのだろうか。
もみ潰される自分の乳房を見おろしながら、
ヴィオラは無念の涙にぬれた。
彼女の奥歯には、自害用の毒が仕込んであった。
死ぬのは怖いと思った。
でも、もっと怖いことに巻き込まれる前に。
まだ人間であるうちに……
怖くて唇をふるわせながらも、
ヴィオラは思い切って、奥歯の毒を噛もうとした。
ぴくっ、もぞっ……
「うぐ…………!?」
そうはさせぬと、ヴィオラの脳で虫がうごめく。
毒を噛もうとした顎から、ふわっと筋力が消え、自害は許されなかった。
「そんな……わ、私どうすれば……!」
じゅっぷ、じゅっぷ、ずんっ、じゅぽっ……
「あっ、あっ! あんっ! ああんっ!」
蕩ける膣をかき回されて、
望まない快楽に身をよじる。
魔物のペニスなんかで悦んでしまう、女の身体が悔しかった。
その身体の奥底では。
いよいよ卵巣の表面で、虫の精子たちが受精を始めた。
ちくっ……ちくっ……
(お腹の奥に、小さな痛み……何の痛みなの……)
過去に輪姦された経歴のあるヴィオラは、
処女でレイプされたグリーネよりは冷静だった。
いま自分の中で、魔物との受精が起こっている。
それは女の本能的に分かった。
しかしこのチクチクとした小さな痛みがそうならば、
受精が二十回も三十回も起こるのは変ではないか?
胎の中で、いったい何が起こっているのか。
(そもそも……こいつらはゾンビなのよ?
死人が、なぜ女を犯す……)
妊娠したら、ゾンビが産まれてくるのだろうか?
生まれる前から死人だなんて、出来の悪い冗談だ。
そんなヴィオラの考えを読んだのか。
女の視界に蠢く虫が、
彼女を馬鹿にするように、赤い目で一斉に見下ろした。
「あっ……!?」
ヴィオラは状況に気がついた。
そういえばゾンビは操られているだけで、
敵の本体は虫なのだ。
レイプの本質をいえば、ヴィオラは虫に犯されている。
そして、この虫たちは魔物だ。
魔物とは、人間の女性を孕ませて殖える生物だ。
つまりヴィオラが孕まされているのは、この虫だ。
虫ならば、二十や三十の受精は当然だ。
人間一人分の死体には、数千匹ものウジ虫がウジャウジャと湧く。
それが今、ヴィオラのお腹の中に……
ちく……ちく……
「ひっ…………!?」
ヴィオラの心に、恐怖の大波がわき起こる。
彼女はあらん限りの悲鳴を上げて、
魔物たちの種付けを拒絶した。
「いっ、いやあああっ! いやっ!
きゃああああああああああっ!?
きゃああぁぁーーーーーーーーっ!!」
自分の腹からウジ虫が湧く!
女の一番大事な器官に、
いま虫の卵がびっしりと生まれつつある!
恐怖はヴィオラの背すじに鳥肌を立て、全身の筋肉を硬直させた。
むろん膣も強く締まった。
奥まで入っていたゾンビのペニスは、たまらずその場で射精した。
どびゅっ、びゅくくっ! びゅるるぅるっ!!
「いやああああっ!?
いやっ、助けてっ! 抜いてっ!
あっ……! あっ……! 入って……! うわあああああああああああっ!!」
彼女が叫ぶたびに膣が締まって、
虫の精子が、胎の奥へと吸われていった。
ちくっ、ちくっ、ちくっ、ちくっ……
「あっ!? あっ! あっ!! ダメダメダメ!
ストップ! やめて! 嫌アアアアアアァァァァッ!!」
ものすごい数の虫が受精している。
本当に何千という単位で孕まされても、おかしくなかった。
つま先までブルブルと震えるヴィオラの股に、
精液は脈々と注がれていく。
「あ……ああ……! あああ…………っ!」
にゅぷっ
種付けを終えたゾンビが、満足げにペニスを抜いた。
ハッと、ヴィオラは首を起こして股間を見やった。
そこにはすでに、三本目のペニスが宛がわれていた。
ずにゅうううううっ!
「嫌アッ!? もう駄目よ、助けてっ! 許してええっ!」
ぱんっ、ぱんっ、じゅぷっ、じゅぷっ……
周囲にゾンビはどれだけ居るのか。
あと何回種付けされるのか。
百体のゾンビの全員が、自分を犯しに来るのだろうか。
「ああっ! 許してっ、許してえっ!!」
『ああ”ああぁ…… ぉあ”あぁあぁ……!』
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、じゅぷっ!
ゾンビたちは、入れ替わり立ち替わりでヴィオラを犯す。
猛烈に嫌がる彼女の膣に、
次から次へと虫の子種が注ぎ込まれる。
どびゅっ、びゅるるっ! どびゅっ!
「嫌あああああっ! 嫌あああああああっ!!」
ちく……ちくっ……ちく……
ヴィオラの二つの卵巣は、
すでにびっしりと虫の卵に覆われていた。
にぶく熱を発しながら、ヴィオラの血液から養分を吸い、
ドクン、ドクンと、卵殻のなかで、ウジ虫の幼虫を育てている。
「あぐうううっ!!」
ヴィオラはもう一度、必死に奥歯を噛もうとした。
入れ歯のような薄い貝殻を噛み割れば、
たちまち毒が回って、眠るように死ねるはずだった。
しかしやはり、屍蟲が脳を操って、ヴィオラの自決を許さなかった。
「はぐっ! はむっ、はうっ……!
だ、駄目!? 死なせて、お願い、死なせてえええっ!!」
その後もずっと、ヴィオラは為すすべもなく輪姦された。
何百、何千というウジ虫の卵を、
ちくちく、ちくちくと、卵巣に植え付けられた。
夜は長く、輪姦は終わらない。
屍蟲たちは、音波のようなもので呼び合っていた。
すると森の少し離れた場所からも、
ゾンビたちがわらわらと集まってくる。
たった一人の女を相手に、何十体で輪姦しようというのか。
ヴィオラの姿はゾンビの群れに覆い隠され、
亡者たちの隙間から、チラチラと女の肌色が見えるだけだった。
どびゅっ、びゅるっ、びゅるるるっ……
「んぐっ!! むっ、うっ……ごくんっ、ごくんっ……!!」
ヴィオラは上下の口から屍蟲の精液を注ぎ込まれて、
ビクッ、ビクッと身体を震わせている。
次から次に種付けされて、
今のヴィオラは、大声を出す体力もない。
ただぐったりと、
身体の色んな穴から精液を注入されていた。
『ああぁぁ…… うあぁあ”あぁぁ……!』
『おぉぉ…… おあ”あぁ……』
「んぐっ…… うぐっ、うぐう……」
精液はヴィオラの口から溢れ、また胃の中にも溜っていった。
頬には涙の跡がこびり付き、
その上から常に新しい涙で上書きされた。
揉み続けられた大きな乳房は、赤く腫れ上がって震えている。
少し触れただけでも激痛だろう。
ずっちゅっ、ずっちゅ、ずっちゅ……!
ぐぶっ、むちゅっ、ずぼっ……
「うんっ…… んっ……んんっ……」
ゾンビが動き、女体が揺れる。
かつて山賊に輪姦された時でも、
ここまで徹底的には犯されなかった。
お腹の中の卵巣は、腫れ上がってずっしり重い。
女の一番大事なところが虫に食われるのは
ヴィオラにとって、堪えようのない悲しみだった。
びゅるっ、びゅっ、びゅううっ……!
「んぐううっ! んうっ! んふうううっ!!」
ちくっ……ちく……
それでもなお受精は続く。
押さえつけられた女の足が、思い出したようにじたばた動き、
その真ん中に、男が容赦なく種を注いでいく。
数十体のゾンビたちは、全員が勃起していた。
正確にいうなら、あと41体のゾンビが
ヴィオラの肉穴の順番を待っていた。
チュンチュン、チチチ……
夜が白み、小鳥がさえずる。
ヴィラはまだ犯されている。
ずんっ、じゅぷっ、ずぷっ、じゅぷっ……
どびゅっ、びゅるっ、びゅるるる……
「い……や……」
もう膣内に射精されても、ヴィオラの足が暴れない。
指の先まで脱力しながら、
小さく呻くだけだった。
膣の締めつけも、ひどく弱っていた。
それでもゾンビたちは女を囲み、
機械のように腰を振って精を注いだ。
正午を過ぎて、長い凌辱がようやく終わった。
ヴィオラの目は、開きっぱなしで焦点がない。
膣も開きっぱなしになっていて、
奥から子種が逆流していた。
「…… あ……」
すでにゾンビたちの姿は無かった。
ヴィオラはボロ雑巾のように汚れた姿で、
一人きり、森の中に転がっていた。
ヴィオラは「ひゅー、ひゅー」と、か細く呼吸していた。
ときどき息が引っかかり、
彼女はゴボッと精液を吐く。
ヴィオラの巨乳は、いまだに弾力を持って上を向いている。
ゾンビに揉まれすぎて、ジンジンと腫れ上がった乳肌は、
わずかに風が撫でただけで痛みが走った。
ヴィオラの股間は、関節が外れたように力が入らない。
開きっぱなしの陰部に、広がりきった女陰がはみ出している。
お腹の中は、精液のタンクになっていた。
その奥に、丸々と腫れた二つの卵巣が転がっている。
焼けそうに熱を発する卵巣は、表面に、屍蟲の卵がびっしり並んでいた。
ヴィオラは実に、七千匹もの屍蟲を孕んでいた。
それはグリーネの妊娠を上回る数だった。
今は何も思考ができずに、
ヴィオラは精液に塗れて倒れたままだ。
身体中が熱くて、痛くて、とても臭くて、
ヴィオラが落ち着くまでには、しばらく時間が要りそうだった。
「もう…… 私…… こんな……の……」
地面に手足を投げ出して、
涙ににじむ視界の中で、もう揺れていない木々の枝を見つめていた。
本来は恥ずかしがり屋なヴィオラだが、
今日ばかりは、乳房も陰部も丸出しにして、
何時間も大の字のままで倒れていた。
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bel 327.6.3
アルティ卿のパーティーを全滅させたゾンビたちは、
その半数が、森で二人の女冒険者を凌辱し、
残りの半数は、より大きな人間の集団を求めて移動した。
ゾンビたちは真夜中ごろに、
アルメキア王国軍が夜営している陣地まで近づいた。
ゾンビは闇に紛れて人間を襲撃しはじめ、
ただちにアルメキア軍も応戦をした。
「たかだか、数十体ほどのゾンビ」
王国軍の本営に居た将軍たちは、
ゾンビ出現の報告を受けても、簡単な討伐指令を返しただけだ。
いよいよ、明日はモルンゼ砦の大攻囲戦だ。
各員はしっかり睡眠を取っておくように。
そんな命令の方が熱心に言われた。
--
いっぽう、ゾンビ討伐に向かった第5歩兵隊では。
一個歩兵隊は「大隊」であり、400名もの戦士が居る。
だから50体程度のゾンビが相手では、
負けるどころか、ほとんど被害も出ないはずだった。
ところが、戦っても戦ってもゾンビが減らない。
いやむしろ、敵は増えているような気配さえある。
暗闇の中で、ゆっくりとパニックが広がる。
『あぁあ”あぁ……』
「おい、そこのお前っ。 大丈夫か? どうしたんだ!」
『うああ”ああぁああっ!』
「うわ、な、何をするっ!?
ぐああああっ!!」
「隊長さんっ!? きゃああああっ!?」
いつか夜闇の中で、王国軍の制服同士が戦っていた。
分隊の仲間たちが、いつの間にか魔物に変わった。
「自分たちは、いったい何に襲われているんだ」
戦士たちは敵の正体に恐怖しながら、
誰が敵で、誰が味方か分からない戦いを続けていた。
”ゾンビは、味方に感染している”
一部の戦士たちがその性質に気付くころには、
大隊長や百人隊長といった、
主な士官たちはみなゾンビ化していた。
第5歩兵隊は、部隊としての身動きが取れなくなって、
闇の中でゾンビに食われていった。
3時間後には、歩兵大隊はほぼ全滅させられた。
そして新たに、百体ほどの精液便所と、数百体ものゾンビが生まれた。
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「敵襲、敵襲ゥーーっ!!
魔王軍の夜襲だ!」
「いっ、いつの間に!?
こんなところまで、気付かれずにどうやって入ってきたんだ!」
「第5歩兵隊はどうなったんだ!?」
「援軍を下さい! 敵に攻撃されています!」
深夜2時。
眠りの中に居た王国軍は、
”陣地の中から”魔物たちの奇襲をうけた。
元・第5歩兵隊の戦士だったゾンビたちは、
王国軍の制服を着ている。
彼らが全滅した時と同じ混乱と、同士討ちに似た戦いが、
王国軍の本陣で拡大再生産をされていく。
「ど、どうしたんだよ、お前ら。 くっつくなよ……
うぎゃああっ!?」
『ああぁ〜…… ああ”ああぁぁ……』
「何なの貴男たち!? 勝手にテントに入らないで……きゃあぁー−っ!?」
ゾンビは無防備な王国兵にかじりつき、
また、相手が女兵士であれば、
集団でテントに押し入って陵辱を始めた。
第5歩兵隊の悲劇はくり返される。
”ゾンビは伝染する”
将軍たちがその性質を知ったころには、
ゾンビ化の感染は、かなりの広範囲に広がっていた。
立て直そうにも、軍全体が機能不全を起こして動けなかった。
そこにとどめを刺すように、モルンゼ砦の魔王軍まで突っ込んできた。
敵軍の数は約二千。
砦に駐留していた全兵力だ。
『ファファファファファ! 屍蟲あっぱれ、魔王軍万歳!
思惑通りではあったが、よもやここまで上手く運ぶとは!』
魔族の将は、嬉しくて仕方ない顔でバカ笑いをしていた。
ゾンビ感染をまじえた夜襲は、
数で負けている魔王軍の、一か八かの賭だった。
「陣地を捨てろっ! 南へ逃げ……い、いや転進するのだ!」
総崩れとなった王国軍は、闇の中を、徒歩や馬やで南に逃げる。
前衛も後衛もなく、右翼も左翼もない雑軍だった。
人間たちは、夜目の利く魔物に追いかけられて、
あちこちで各個撃破をされていく。
そこら中で男が斬られ、またはゾンビにされた。
女は穴が広がるまで凌辱された。
こうしてアルメキア王国が2個軍団で挑んだモルンゼ攻略戦は、
決戦前夜にして、その勝敗が決まってしまった。
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bel 327.6.5
第5歩兵隊が全滅してから、
30時間ほどが経過した。
もはや戦域に、王国軍の組織的な連携はない。
散り散りで逃げる王国軍の背中を追いかけ、魔王軍が人間狩りを楽しんでいる。
アルメキア軍は王都に帰還するため、南方のビリジア山脈を目指した。
しかし兵士たちの大半は逃げ切れず、
後ろの方から、次々と魔王軍に捕まっていく。
「やめっ、止めてくれ!
命だけは……
うぶるあぁぁあっ!!?」
『ブヒャヒャヒャヒャ! ジョウロみたいに血が出るブゥ!』
「あっ! あっ! あっ! やめて、中に出すのは……」
ぱんぱんぱんぱんっ! どびゅっ、びゅる、びゅるるるっ!
「嫌ああああああぁぁぁっっ!!!」
この30時間で、
何百人もの男が殺され、何百人もの女が妊娠をした。
それでも人間狩りはまだまだ続く。
モルンゼ砦からビリジア山脈までは、百キロメートル以上もある平原が広がっている、
空も飛べず、地にも潜れない人間が、
魔物から身を隠せるような地形ではなかった。
平原のあちこちに、血にまみれた男たちが横たわる。
たいていその近くには、裸に剥かれた女たちも転がっている。
女戦士や女騎士が、精液まみれで放心している。
彼女たちの下腹で、虫の卵やオークの胎児が、
ドクン、ドクンと、闇の生命を育んでいた。
家畜係のオークやゴブリンたちが、そんな平原を巡回している。
彼らは倒れている女を見つけると、鎖につないで、モルンゼ砦に回収していく。
家畜用の鎖と首輪は、ドッサリと用意されていた。
光と闇が争いはじめて、言い伝えによれば数千年。
魔物たちは先祖代々、人間の女を家畜にして繁殖してきた。
おかげで魔物たちは、じつに手際よく女兵士たちを連れ去っていく。
--
そのころ、女兵士たちより二日も前に種付けをされていたヴィオラは。
女アサシンはほとんど裸の格好で、
フラフラと歩きながら、ようやく森を抜け出した。
彼女のお腹は、臨月の妊婦そのものだった。
ボテ腹の内側で、ざわざわと蠢く、不気味な陣痛が始まっていた。
彼女は重たそうに腹を抱えて、味方の姿を探していた。
「あっ…… あっ…… お、お腹が……!」
臨月にしても大きすぎるボテ腹が、
一歩あるくごとに重たく揺れる。
腹が破れて中身が出るんじゃないかと、ヴィオラは本気で心配していた。
歩行に合せて乳房も揺れる。
ゆっさ、ゆっさとたわみながら、
その圧力で母乳が吹き出していた。
股間は虫に性ホルモンを操られ、ずっと潮を漏らしっぱなしだ。
そんな膣の入り口は、
触っても居ないのにパクパクと開閉していた。
出産まで秒読みだった。
それでもヴィオラは、何とか治してもらおうと、
破壊された味方の陣地で、必死に医者を捜していた。
「誰か……誰か助けて下さい……!
うぐっ……お腹がっ、私のお腹がぁ!」
種付けをされたあと、ヴィオラの卵巣は、痛みがどんどん悪化した。
そして4時間まえ、卵巣が爆発するような痛みとともに、
七千個の虫卵が一斉に孵化した。
幼虫の群れは卵巣から子宮に流れ込み、
そこで魔王の波動にさらされ、急速な成長を始めた。
卵の孵化からたった4時間で、キュッと締まっていたヴィオラの腹部が、
見る見るボテ腹へと膨らんだ。
それこそ倒れてのたうち回るほどの激痛だった。
腹が裂けるのかと思い、ヴィオラは失禁するほど怖がった。
しかし臨月腹にまで膨らみきると、子宮の肥大が止まってくれた。
なので、彼女は恐怖と苦痛に必死で耐えて、
とにかく医師の処方を受けようと、王国軍の陣地まで帰って来たのだ。
「あぐ……もうダメ……!
産まれる、あそこが、下向きに抜けちゃうぅっ……!」
七千匹のウジ虫を胎に抱えて、
ヴィオラは必死に味方を呼んだ。
ところが王国軍はとっくに敗走していて、
陣地はどこも壊滅していた。
周囲に味方は一人もおらず、敵ばかりが集まってきた。
『あぁああ”あぁぁっ!』
『うあ”ぁーーー……』
「ひぃっ…… ま、またゾンビ!?」
ヴィオラはゾンビの群れに囲まれた。
身重であるうえ、激しい陣痛も始まっていて、
戦うどころか、逃げることすらできないでいた。
ガバァッ、どさっ!
「いやっ、いやあっ!! もう許してえっ!!」
ヴィオラはゾンビに押し倒された。
一昨日の夜と同様に、
腕を押さえつけられ、下半身は大きく開脚されられた。
今回のそれは、レイプではなくお産の準備だ。
親虫たちが信号を発すると、
ヴィオラの子宮で、幼虫たちが暴れ始めた。
ぞわぞわっ! じゅるじゅるっ!
「嫌あぁっ!! う、産みたくない! やめてぇ!!」
ビチッ、ジョボボボボボ……
ガッシリ押さえられたヴィオラの股間で、
褐色の破水が始まった。
羊膜からはち切れたウジ虫たちが、
子宮口から膣に降りようとする。
ヴィオラは必死に膣を締め、
ウジ虫を外に出すまいと踏ん張っていた。
しかしゾンビたちは容赦がなかった。
女が抵抗するのを見ると、
彼らは力尽くで産ませにかかった。
二体のゾンビが四本の腕で、妊婦の腹をズンと押す。
男二人分の体重が、
柔らかく膨らんだ女の腹に突き刺さる。
ズンッ!! ぎゅむうううううっ!!
「ぐぎゃああああああっっ!?」
ヴィオラの腹は、破裂する直前の風船みたいに形を歪めた。
子宮に、引き裂けそうな痛みが走り、
これにはたまらず、ヴィオラは膣を開いてしまった。
その瞬間、ウジ虫の塊が膣の中に飛び込んだ。
「ひっ……!!」
熱い異物がゾロゾロッと膣を通り過ぎ、
股の間に熱いしぶきをぶちまけ、汚い水音を響かせた。
ぶびっ、バブッ びちゅぶちゅっ、ビチュッ
「嫌ああああああああっ!!? うああああぁぁぁぁぁーーーっっ!!!」
ヴィオラの膣口は、柔らかく開閉しながら汚物を吐き出していた。
まるで膣から下痢便を出しているようだった。
ボテ腹に詰まっていたウジ虫たちが、
大量の汁にまみれて飛び出してくる。
女の股から、腐った下水のような臭いが広がっていく。
いまや彼女の子宮や卵巣も、こんなひどい臭いに染まっているのか。
「ひぎぃ! 嫌ぁ、嫌ああぁぁっ!!!」
ヴィオラは必死に膣を締めるが、
そのたびに、ゾンビがボテ腹を押し潰す。
お腹の肌が、痛みと苦しみで痙攣していた。
ズンッ! ギュムッ! ギュッ、ギュッ!
「うぎゅうっ! うげえっ!? ぐえっ、ぐえっ!!」
プニッとしたボテ腹の肌が、ゾンビの指の形にめり込んだ。
ヴィオラにとっては、
取り押さえられてボディー・ブローを連打されるような苦痛であった。
また彼女の膣は、高圧の噴出をくり返すことで、
粘膜がすり切れそうな痛みが走った。
ぶびゅっ、びゅるるっ! ぶちゅぶちゅっ!
「あぐうっ! だめ! だめえっ……!!」
大きく開かされたヴィオラの股に、
ゾンビたちが頭を突っ込んでくる。
彼らは下痢便を食べるかのように、ガツガツと屍蟲を口から取り込んだ。
害虫がえさに群がっているような、気味の悪い光景だった。
この様にして、新しく産まれた屍蟲たちも、
ゾンビという乗り物に乗る。
さらなるゾンビ感染を広げるために。
「はぁ…… はぁっ……! もう嫌……もう嫌……」
15分ほどボテ腹を押し搾られて、
七千匹のほとんどが体外に出た。
ヴィオラは涙と鼻水で顔を汚して、
苦しげな呼吸で、ゼイゼイと肩を動かしている。
とにかく、一休みが欲しかった。
心臓がバクバクと鳴って弾けそうだ。
ところが、そうは問屋が卸さない。
お産が終わると、ゾンビのペニスがメキメキと勃起していく。
苗床の腹が空っぽになれば、すぐに次の種付けだった。
ずぶううううううっ!
「あひいいいっ!?」
まだお産の余韻で震える膣に、ゾンビの男根が突き刺さる。
ヴィオラはその意味を悟り、目を見開いて怯えた。
ずぶっ、ずちゅっ! ずむっ、ぐちゅっ!
「あっ! あっ! 嫌ッ! あぐぅっ!」
太くて固い肉塊が、膣の奥まで突っ込んでくる。
閉じることの出来ない股が、オスの圧迫感で埋め尽くされる。
それに乗じて、屍蟲の成虫たちも子宮に乗り込んできた。
子宮が屍蟲に操作され、たちまち膣内に快楽が燃え上がる。
疲れはてた女体にむち打ちながら、
薬物的な快感によって、無理やり発情させられていく。
ずちゅっ、ぐちゅっ! ずぼっ、ずぼっ!
「あひっ! あっ! あんっ! ひゃんっ!!
もっ、もう駄目っ! もう孕ませないでえ!」
また輪姦の、独特な雰囲気が始まる。
雑踏にも似たざわめきの足元で、何十人分という性欲に見下ろされる。
ヴィオラがこの悪夢に入り込むのは、人生でもう三度目だった。
膣だけでなく、太ももや尻や腋もまさぐられる。
ミルクを噴きながらブルンブルンと揺れる乳房が、
ゾンビたちの手のひらに捕まった。
ぐにっ、むぎゅっ……ぴゅっ、ぴゅるるっ……!
「あひっ!? あっ、あんっ! 熱い……!」
(私、牛みたいにおっぱい搾られてる……!)
女体がピストンに揺れるたび、握られた乳肉にもギュッと力がこもる。
乳房に激しい痛みがはしる。
その反動で、先端から勢いよく乳が噴き、こちらは焼けるような快楽を生む。
種付け棒は、膣の肉をかき回す。
ヴィオラの股間が、甘酸っぱい臭いを吐きながら、
じっとりと発情しはじめた。
『あぁあ”ああぁ……!!』
ぱんぱんぱんぱん、ぱんぱんぱんぱんっ!
「嫌っ! 嫌あああっ!!」
膣を犯すゾンビが、身を固く力ませながら、腰の動きを速くする。
ペニスの径が太くなり、亀頭の裂け目が射精に向けて開いていく。
「やっ、やめてっ!
お願い、もう中に出すのは許して! 本当に、本当にもうやめて!
やめてったら! いやああああああっ!」
ぱんぱんぱんぱんっ、ぱんぱんぱんぱんっ!
どびゅっ、びゅるるるるっ!!
「あああああっ! もういやだああああああぁぁ!!」

(第三章の最終画像)
びゅるるるっ、どくんっ、どびゅるるぅるるっ、びゅうーーっ!!
「うぐっっ!!! うぐうううううぅぅぅーーーーっっ!!!」
太い射精の液筋が、お産で少し開いた子宮口を突き抜け、
子宮の中までダイレクトに撃ち込まれた。
熱い刺激に身体の奥をほじられて、
ヴィオラは絶望の涙をこぼしながら、ビクビクと下半身を震わせた。
(いやぁ! 入ってる! また奥まで入ってるうううっ!!)
卵管の形が女に分かるほど、太くて勢いのある注入だった。
たちまち卵巣は真っ白な液に包まれ、
その表層組織で、チクッ、チクッ、と虫の命が生まれた。
「ううっ! やあっ! また孕む! 孕んでるっ!
ぐすっ、私ちゃんと産んだのに……もう産んだのにいいっ!!」
ヴィオラはベソをかいて嫌がるが、
ゾンビたちには一片の人情もない。
太ましい射精を注ぎ終わると、すぐに次のペニスが彼女を貫く。
ずっちゅっ、ずっちゅ、ずっちゅ!
「うぐっ! うっ! ううっ!
いっ、嫌やァァァァーーーーーーーーッ!!」
ゾンビは押しくらまんじゅうの塊になって蠢いていた。
その内側から、ヴィオラの悲鳴だけが聞こえている。
ヴィオラが叫べば叫ぶほど、ゾンビたちの性欲は高まるばかりだ。
女の願いも虚しく、何十本というペニスが順繰りで膣内に射精していく。
妊娠から解放されたばかりの女性器は、
さっそく新しい命を抱え込んで、熱くて痛みのある脈動をはじめた。
bel 327.6.6
ずっぷ、ずっぷ、ずっちゅ……
「あんっ…… あひっ…… うあっ……」
10時間以上が経過したが、輪姦はまだ続いていた。
ゾンビの押しくらまんじゅうは、さらに大きく膨らんでいた。
森で出会ったゾンビの群れは、百体前後だった。
いまやこの戦域には、千体を超えるゾンビがうろついている。
その一部が集まるだけでも、
女一人を目茶苦茶にするには、充分すぎる数だった。
ずぶっ、ぬちゅっ、ずちゅっ、ちゅぷっ……
「あひっ…… あんっ…… らめぇっ……」
大きくなった押しくらまんじゅうの真ん中で、
すべてを諦めてしまったヴィオラが、あえぎ声を上げている。
発情しきったメスの匂いが、まんじゅうの隙間から漏れ出していた。
メスの匂いがゾンビのペニスを誘惑し、
ヴィオラはたった一人で百本以上のペニスに種付けされた。
彼女の卵巣は、ふたたび虫の卵でびっしりだ。
早く次のウジ虫を孵化させたいと、
パンパンに腫れ上がって脈動していた。
ヴィオラを孕ませ、産ませて、また孕ませる。
一回の妊娠で七千個を孕むとすれば、
三十回も屍蟲を産めば、
女体の卵子を使い切って解放されるのだろうか。
「ア……アルティ……さま……」
ヴィオラは、淡く片想いをしていた騎士の名前を呟いた。
そして、古い電球の線が焼き切れるように、
快楽と絶望の中で、ぷつんと意識を失った。
閉じた彼女のまぶたから、一筋の涙が頬を伝った。
--
ゾンビ感染の流行は、最初の発症から二週間後に、
唐突に終わった。
ゾンビにむらがり、億万と蠢いていた屍蟲の群れは、
親も子も孫も、世代を超えて、一斉に溶けるように死んでいく。
屍蟲の支配から逃れたゾンビたちは、ようやく人間として死体になった。
膝を突き、地面に崩れ、
東部地方の土の中で眠りについた。
この現象は何なのだろうか。
王府の学者や導師たちの見解では。
屍蟲とは、自然に産まれた魔物ではなく、
魔族が虫を品種改良して造り上げた、
広域を範囲攻撃するための、生物兵器だったのではないか。
戦術的な目標を達成した後は、
適当な頃合いを見て、
感染が終わるように設計されていたのではないか。
もし感染が際限なく広がれば、魔物たちとて人間領を征服する価値を損なう。
魔族たちは人間を滅ぼしたいのではなく、
支配者と奴隷の関係になりたいのだ(と思われる)から。
……というお話だった。
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bel 327.6.30
生き残った王国軍の将兵は、
ビリジア山脈を南に抜けて、戦役のあった地方から完全に撤退した。
兵力7,000名を号した二個軍団だったが、
王都アルメキアまで帰って来れた者は1,000名にも届かなかった。
必勝を期した大兵が破れ、
痛恨の打撃は、魔王軍を大いに前進させる結果となった。
また穀倉地帯の奪還に失敗したことで、
王国領内では、遠からず食糧危機がおとずれるものと目されている。
敗戦からしばらくの後に、
アルメキア王府は
戦没者や行方不明者に対する追跡調査を始めた。
冒険者ギルドの魔術師なども動員し、
敗戦前夜、戦場でなにが起こっていたのかをほぼ解明した。
大敗北の先頭にいた、グロス=アルティ卿らの分隊について、
彼らがたどった結末が明らかになっていく。
正騎士グロス=アルティ卿は、
モルンゼ砦を偵察中に、屍蟲ゾンビの第一波と遭遇し、これに感染。
以後はゾンビとして徘徊し、
感染の流行が終わると共に、完全に死亡した。
彼は将来を嘱望された貴族でもあった。
その死は、遺族を始め、大勢の人物に惜しまれたが、
遺体は敵領内であり、回収を諦められている。
森エルフ族のグリーネと、女アサシンのヴィオラは、
アルティ卿に雇われていた個人的な知己であり、王国軍としては客分だった。
グリーネは戦場で死亡した。
彼女は何度もビリジア山脈を目指して走ったが、
魔術師の足ではゾンビの群れから脱出できず、
屍蟲の苗床として、捕まるたびに妊娠と出産をくり返した。
4回目に捕まったとき、グリーネは200体以上のゾンビに欲情されて、
超長時間にわたって輪姦された。
その輪姦で、グリーネは三万匹もの屍蟲を妊娠させられた。
彼女は出産まで持ちこたえられず、
子宮を破裂させてしまい、生殖能力を失った。
ためにグリーネは屍蟲にとって用済みとなり、
その場で脳を食い荒らされた。
少女は泣き叫んでのたうち回った末に、女ゾンビとなり果てた。
パーティーの中でただ一人、
女アサシンのヴィオラだけは、最後の行方が分からなかった。
彼女も苗床として、何度か屍蟲を産まされた痕跡はある。
しかし彼女は感染の流行が終わる以前に、
オーク兵の手に捕まった。
ヴィオラはオーク兵に散々な凌辱を受け、捕虜となり、
モルンゼ砦の奥の方へと連行された。
モルンゼ砦の中枢には、魔力的な結界があり、
使い魔や千里眼からの追跡を遮断している。
なので、ここから先の調査は打ち切られた。
おそらく女アサシンのヴィオラは、現在もモルンゼ砦に囚われている。
オーク兵やゴブリン兵を産んで補充するための、繁殖用の奴隷として、
鎖につながれ、毎日種付けをされているものだと考えられる。