序文1


光神エリオスと魔王バニコス あい争いて幾千年

戦さは人間と魔物の肉体を借り

大陸の至る処で 血液と生命を奪い合う



冒険者と呼ばれる人たちがいる

殺伐とした時代にも 夢や希望を抱いて東へ西へ旅をする

冒険者たちの足跡は物語となり

彼らを時代の主人公へと光らせる


しかし光あれば闇もまたある――

大志を成し遂げる者など ほんの一握りばかりで

何万人ともいわれる冒険者たちは

そのほとんどが 異郷の果てで誰にも知られることなく

若い命を散らせ続けている