森エルフ族の若き女シャーマンは、名前をグリーネといった。
グリーネは、まだ28歳だった。
彼女は村人が止めるのも聞かず、エルフの里を飛び出して、
好奇心の導くままに、人間の国を冒険していた。
一般的に、エルフはもっと無感動で、人間を見下している種族である。
圧倒的に長い寿命が、精神を加齢させているためだ。
エルフから見た人間などは、白髪の長老ですら「餓鬼」だった。
しかしエルフといえど、60歳ぐらいまでの少女時代は、
人間とさほど変わらない精神をもつ。
若きグリーネは、フェアリー族のように怒って笑った。
乳ばかりがでかい女アサシンを相手に、
アルティ卿という貴公子を取り合いしながら、
グリーネは人間社会に混じって青春時代を謳歌していた。
しかし冒険者とは、文字通り”危険を冒す者”である。
グリーネの生涯は、まさに冒険者という存在の典型だった。
--
bel 327.6.3
「ぜいっ……ぜっ……! はぁっ……はぁ……!
な……なんか、私だけ損してるわよね……」
グリーネは森の悪路を走っていたが、
ついに力尽きて樹木にもたれた。
他のメンバーたちは、まだまだ元気に走っているだろう。
グロス=アルティ卿のパーティで、純粋な頭脳職はグリーネだけだ。
「はぁ……はぁ……!
里の森なら、このぐらいで疲れないのに……!」
エルフは森の民であり、
グリーネはその中でも”森エルフ族”という名を冠する部族だ。
しかしこの森はダメだ。
モルンゼ砦の森は、魔王の気配に侵食されて、
エルフの存在を拒絶している。
そもそも、もう走る必要はないはずだ。
ゾンビの群れは、はるか後方に引き離した。
万がいち追いつかれても、少数なら精霊魔法で倒せばいいのだ。
グリーネはそう結論づけて、ここから先は歩くことにした。
せっかくなので、アルティ卿の姿とかを探しながら、
散歩するように森を移動していく。
果たしてグリーネは、騎士アルティの姿を見つけた。
アルティ卿は俊足で、かつタフなのに、
グリーネより後からのんびりと来た。
騎士はあくまで最後尾を歩いて、パーティーの背中を守っているのか。
「アルティさん、見ぃ〜つけた!」
これぞ神のご采配。
グリーネは小躍りするように騎士に駆け寄っていく。
騎士アルティも、グリーネに気がついたようだ。
『ウ……ああ”……』
アルティ卿は、少しおかしな返事をしていた。
グリーネが騎士の肩をポンッと叩くと、
彼はよろめくように振り返り――そして突然、グリーネの唇を奪った!
「――――ッ!?」
グリーネの目が点になる。
なにが起こっているのか、まだよく分かっていない。
一瞬、すべての時が止まった気がした。
グリーネの脳は混乱し、時間の流れが遅くなっている。
口元には、肌が肌を押し付けるような圧迫感がある。
(アルティさんが……ものすごく近くに居る?)
こんなに近づいてしまっては、
自分とアルティがどういう姿勢になっているのか
グリーネには良く分からなかった。
なのでグリーネは、順を追って考える。
アルティに声を掛け、彼が振り返ってからなにが起こったか。
記憶をもう一度手探りして、思い出そうとした時……
ちゅぷっ
グリーネの柔らかい唇を、アルティの固い唇が、かむように挟んだ。
(こっ……この感触は、もしかして……)
距離や、姿勢や、口の感触から察するに。
どうも自分は、アルティにキスをされているのではないかと、
ようやくグリーネの頭が状況に追いついた。
(え……えっ、えええっ!? これ、どういうこと!?)
ドッ、ドッ、ドッ、ドッ……!
グリーネの心臓が急に暴れ出す。
こうなることを望んではいたが、現時点では、まだ脈もないと思ってた。
アルティ卿は、その落ち着いたマスクの下側で、
密かにグリーネのことを想ってくれていたのだろうか?
あるいは、苦境を切り抜けた若い男女が、
危機によって心を一つにしたのか。
例えば騎士が少女をゾンビから救った、あの時に。
(あ、アルティさんったら……!)
告白より先に唇を奪うなんて、とても力強い『押しの恋愛』だった。
いかにも豪傑アルティ卿らしいと、グリーネは好意的に解釈していた。
(私……今日からは、アルティさんと恋人同士に……)
グリーネはふわっと頭の中を白くして、新しい日々の到来を予感した。
ところが騎士アルティは、
そんな彼女の恋を一気に踏み越え、攻め込んで来た。
アルティはグリーネの衣服をグイッと掴んだ。
そのまま一気にまくり上げる。
グリーネは乳房をはだけられ、乳首まで丸見えにされてしまった。
ガバァッ! ぷるんっ
「へ!? え!? えええっっ!!?
ちょっ、ちょっと! アルティさん!?」
男に乳房を見られるのは、生まれて初めての体験だった。
ここまで一気にがっつかれるとは、グリーネも予想していなかった。
このあと、男と女はどうすればいいんだっけ?
グリーネは頭がガンガン響くほどの緊張を感じながら、
慌てて脳内の記憶を手探りしている。
(そっ、それにしても、大胆すぎる……!
さすがって言うか……ちょっと待ってぇ!)
若くて形のいい乳房と、ぴょこっと上を向いたピンクの乳首を、
アルティ卿は両手で触り、揉み潰すようにこね始めた。
ぐにゅっ、むにゅ……ぎゅむっ!
「あ! ひあっ! やっ……!」
そんな揉み方をされると乳房の芯が痛い。
しかし好きな男に乳房を触られるのは、ひどく興奮もした。
グリーネは乳肌からジンジンと溢れる女性ホルモンを感じながら、
金縛りにあったように動けず、
顔をトマトのように赤くして、短く呻くだけだった。
『うう”うぅ……!』
アルティ卿も、一声を呻いた。
彼は若エルフの乳房を堪能したあと、
さも当然のように、今度は下の服を脱がせにかかった。
グリーネのショートパンツを両手で掴み、
その優れた膂力で、布を一気に引きずり下ろす。
ぐいっ! ズルッ!
「ッッキャーーー!!?」
ズボンが降りて、
グリーネの下穿きが丸見えになる。
エルフらしい、シンプルで白いパンティだった。
(急に、急にこんな事になるなんて……!)
もっと可愛いやつを穿いておけば良かった!
グリーネは普段着のパンツを男に見られて、
震えながら後悔していた。
白いパンティはグリーネの恥丘をふっくら包み、
異性の気配に緊張しながら、静かに呼吸をしていた。
もちろん男は、次にそのパンティも掴んだ。
今のアルティ卿には、情緒もへったくれもなかった。
男の手は薄布の両端を強く引き下げ、
一気に膝の下までずらしてしまった。
エルフは思わず目を閉じながら、身体をビクッと硬直させた。
「うっひいいぃ〜〜〜〜ッッ!!!」
グリーネのつるんとした陰部が丸出しになる。
彼女は可愛いお尻をプルッと震わせ、
素っ頓狂な悲鳴を上げた。
張りのある若い肌肉の隙間から、細く、
つんと甘酸っぱい女の子の臭いが漏れ出していた。
少女の陰唇や肛門が、
緊張によって、柔らかく「むすんで開いて」をくり返す。
『はああ”あぁ……!』
騎士は相変わらず言葉もなく、ただ興奮したうめき声だけを
エルフの陰部に吐きかけた。
しかし鼻息が荒いということはなく、
むしろ、ほとんど息を止めているようにすら思われた。
(アルティさんも……緊張してくれてるのかな)
薄目を開けて、グリーネは男の様子をうかがった。
何とアルティは、裸になったエルフの股間に顔を密着させて、
膣口にキスをするかのような距離だった。
(ひいいいいいっ! あ、アソコ見られてるううっ!!)
落ち着きかけていたグリーネの心臓が跳ね上がり、
また長い耳の先まで茹でダコになる。
さらに騎士は容赦なく、エルフの大陰唇をグイッと開いた。
(ぎゃあああっ!? 嘘おおおっ!!)
いまのアルティ卿は、とにかく何もかもが荒っぽい。
グリーネの女性器は、はしたなく丸見えにされ、
引き伸ばされたサーモンピンクの膣口が、男の眼前でピクピクと震えた。
「死にたい!」と思うほどに、
グリーネは口唇を内側に巻き込み、咥えて、恥じらっていた。
騎士はグリーネの血色のいい膣を覗き込み、
その処女膜を見つめ、
肉穴の奥からメスの匂いを吸い込んでいた。
そして騎士は、とうとうグリーネを茂みの中に押し倒した。
「あ、アルティさん……私……!」
ドッ、ドッ、ドッ……
早鐘の心臓に撃たれながら、グリーネは男の名前を呼んだ。
まさに急接近だが、
急すぎて、相手の顔をまともに見れない。
グリーネを押さえるアルティの両腕に、ぐっと力が加わった。
グリーネはピクッと体を震わせる。
男性の前に、裸で、乳房と陰部をさらす日が来るなんて。
世の中ではみんながやっている事だけど、
それがいざ自分の番になると、ちょっと信じられないような気分だった。
唇と唇をつなぎ……生殖器を、つなぐ。
つがいになる。
生き物本来の姿にもどる瞬間を感じて、エルフの子宮がキュンと高鳴る。
(つ、つがい……! この人となら、望むところだ……!)
エルフの娘は、人間の騎士に処女を与える決心をした。
グリーネは憤死しそうな羞恥と戦いながら、
自分から、おずおずと両足を広げはじめた。
エルフの陰部がふたたび割れ開いて、
無防備に、肉色の粘膜をオスに許した。
しかしそれこそ、
グリーネにとって人生最大の失敗だった。
男は自分のペニスを取り出し、猛然と女の股間にかぶさってきた。
柔らかい大陰唇に、熱くて硬い亀頭がムニッと沈み込む。
(いよいよだっ……!)
グリーネは思わず目をつむる。
そのとき、形の良いエルフの乳房に、パラパラと何かが落ちて、くっついた。
何だろう?
エルフは少しそう思ったが、
今は人生の一大事なので、後まわしだ。
すると、肌に貼り付いている小さな重みは、モゾモゾと動いて、
グリーネの乳房を這い回り始めた。
「えっ!? な、何がおっぱいに付いてるの!?」
グリーネは思わず目を開けた。
彼女の乳房には、ウジ虫のような白い昆虫が無数に蠢いていた。
「うげ……っっ!!」
蝶々は好きだが、幼虫は嫌いだ。
ウジ虫なんて論外だ。
グリーネはゾワッと鳥肌を立てて悲鳴を上げる。
(なっ、何これ!? 一体どこから……)
グリーネは思わず、虫が落ちてきた上を見あげた。
そこには騎士アルティの頭がある。
再会してからじっくりと顔を見たのは、今が初めてだった。
――そ、そんな――
グリーネは一瞬目を疑った。
信じられない、というより、信じたくなくて、
グリーネは目はしに涙を浮かべながら、首を小さく左右に振った。
「あ……アルティ……さん」
愛しい男の顔は、あちこちに無数の白虫を湧かせていた。
両眼は赤く魔性に光り、
先ほど騎士が倒してくれたゾンビとまったく同じ姿だ。
丸々と太ったウジ虫たちは、
グリーネの女体をしゃぶるようにまさぐっていた。
乳房の柔らかさに密着し、乳首をほじるように食いついている。
ウジ虫はどういうわけか、その小さな身体から、
女に飢えた浮浪者のような性欲を感じさせていた。
「いっ、いやっ!? 気持ち悪いっ!!」
『あアあ”あぁぁ… あぁあ”あぁぁ〜〜!』
ゾンビの声でアルティが鳴く。
彼はもうダメだ。
グリーネの目尻に溜まった涙が、ぽろりと頬に落下する。
パーティーが散開した後で、アルティは戦死していたのか。
とはいえ、彼ほどの騎士がゾンビ程度に殺されるはずはない。
きっと戦場のどこかに、
グリーネには分からない術を使うネクロマンサーが居たのだろう。
「ご……ごめんなさい、アルティさん……
私の……私のせいで……!」
アルティ卿は、剣の戦いでは勝ったものの、
仲間の術者の質で負けてしまったという訳だ。
そしてむざむざと死体を奪われ、ゾンビなんかにされてしまった。
なんと、無念なことだったろう。
グリーネは自分のふがいなさに、
血が出るほど唇を噛む。
どんな術者かは知らないが、絶対に許さないと神に誓った。
(と……とにかく逃げなきゃ! 離れないと!)
目の前に居るのは魔物であり、戦闘は既に始まっている。
急いで対応しなければ殺される。
『うああ”あぁ……ぉあああぁぁ……!』
「こっ、このっ! 離せえっ!!」
しかし体勢はあまりに不利だ。
なにせ性交をする直前で、装備どころか、下着まで脱いでいるありさまだ。
グリーネにとって、これほど不利で無防備な状況はない。
ぬるんっ!
「ひあっ、そこは!?」
焼けただれるような騎士ゾンビのペニスが、
女陰部の溝を縦になぞった。
すでに騎士も股間を露出させ、目の前の膣を狙って勃起していた。
(そ、そういえば、なんでゾンビが……!?)
騎士がゾンビだったというのなら、
どうしてグリーネを殺そうとせず、
乳を揉んだり、女陰を拡げて臭いを嗅いだりするのだろうか。
(まだ生前の記憶が、少し残っている?)
それも確かにあるかもしれない。
しかし女の直感が、そうじゃないと告げていた。
ゾンビから発せられる、ぞわぞわとした性欲は、
もっと別の、禍々しい敵の存在を暗示していた。
「いやっ! いやああああっ!」
しかも、逃げられない!
強靱な騎士の両手に押さえつけられ、
グリーネの細い腕ではまったく太刀打ちできない。
太いペニスが膣の入り口に亀頭を添えた。
どういうわけか、このゾンビは明らかにグリーネを強姦するつもりだ。
(うっ、嘘ぉ!? 私の初めてが、ゾンビなんかに……!!)
グリーネはせめて股ぐらを閉じようとした。
だがすでに、騎士の胴体はエルフの股に割り込んでいて、
彼女は内太ももで、凌辱者にしがみついただけだった。
「だっ、駄目……!」
エルフ娘は為すすべもなく、
自分の処女に、魔物のペニスが突き刺さる瞬間を見せつけられた。
ずぶううっ、ぶちプチぷちっ
「あぐううううううううううっ!!」
股に杭を打たれたような激痛とともに、
グリーネは処女を奪われた。
ゾンビのペニスは、自ら汁を吐いて潤滑している。
処女の膣肉を切り裂いて、奥の方までこじ開けながら、
固いオスの柱をねじ込んでいく。
メスの肉は、肉離れが連続して起こるような痛みにさらされ、
呼吸もままならないほど苦しんでいた。
ぎちっ、ずぶっ、ぎちいいっ!
「あぐうっ、あ”あ”ッ! 痛い、いたっ!
やめて! アルティさん、やめてえええっ!!」
グリーネは必死に騎士の名を呼ぶ。
しかしゾンビの動きは止まらなかった。
ざわざわとした正体不明の性欲が、
アルティ卿の身体を包み、死者の力で女冒険者を蹂躙していく。
『はあ”っ はあ”ぁああああっ……!』
ずぶううううっ…………!
「うぐうううううっ!!」
(痛い、痛い! まっ、膜がやぶけちゃってる!!
こんなのひどいよ……!)
プチプチと肉が千切れる痛みが、膣の入り口でくり返される。
少女にとって、まさに一生傷だ。
グリーネはこの痛みを、死ぬまで忘れられないだろうと思った。
「こっ……このぉ……!!」
グリーネは頭を切り換えて、精霊魔法で敵を倒そうとする。
ロッドは遠くに飛ばされていた。
両手は押さえつけられて印を組めない。
それでもエルフは、使える呪文で反撃を試みる。
ぶちゅううっ!
「んむううっ!?」
しかし魔法の理屈が分かっているのか、
ゾンビはグリーネに深いキスをして、呪文の詠唱をかき消した。
やはりこの密着状態では、はなはだ魔法戦闘に不利だった。
じゅむっ、じゅるっ、じゅぽっ!
「ふむっ!? ふむううっ!!」
ゾンビは舌でグリーネの口腔を犯し始めた。
死体のはずなのに、その舌は熱病患者のように熱かった。
なんだか良く分からない体液と、うごめくウジ虫たちが、
グリーネの舌の上に流れ込む。
「んぐうううっーー!? んぐうううううっ!!」
グリーネは、全身に鳥肌を立てて身震いしていた。
「ぷはっ! ぺっ、ぺっ!!」
ゾンビが唇を解放し、グリーネは堪らず虫を吐き出していた。
呪文を唱えるたびに、おぞましいキスをされるのかと思うと、
もう次の魔法を使う気にはなれなかった。
ゾンビはいよいよ交尾の動きに入る。
大きく腰をグラインドして、
奥までぶち抜いたばかりの処女膣を、逞しいペニスで前後に突き始めた。
ずぶっ! ぎちっ! ぎちっ!
「あぎっ! 痛”っ!! いだいいいいっ!!」
赤い破瓜血を飛び散らせ、肉棒が処女をかき回す。
固い膣は、必死で締めつけて抵抗している。
並の男ならペニスがへし折られそうな圧力だった。
だがアルティ卿は、オークをも押し返す頑丈な男だ。
小娘の膣筋肉の抵抗など、
板を踏み抜くように突き破って膣奥を突く。
ずっ、ずぶっ、ずぐっ、ずぶっ!
「あぐっ、あっ、ああっ!!」
レイプの重たさが前後に動く。
形のいい乳房がプルンプルンと揺れ弾む。
深く貫かれる少女の股は、
ペニスという太い針で、地面に縫い付けられるようだった。
パラパラと落ちてくるウジ虫たちも、
ざわざわと騎士に這い回るウジ虫たちも、
グリーネの方を見ながら悦んでいた。
ゾンビの性交を通じて、虫までも快楽を得ているらしい。
数え切れない赤目が光る。
この虫たちもまた魔物なのかと、グリーネはいま気付いた。
「あぐっ! あっ! 痛”いっ!
やめて、お腹の中が壊れるうう”ぅっ!
そんな突き方っ! あぐうっ、だめえっ!!」
ずちゅっ、ぎちっ! ずむっ、ずぶっ!
ぎちゅっ、ずぶっ! ぎちっ、ぎちっ!
硬い亀頭が前後するたび、
膣筋肉が小さく断裂しながら引き伸ばされる。
処女の膣は、あっという間に大孔だ。
穢されるということは、体内に穴が開くということなのか。
股間の激痛の意味を思うと、グリーネの顔が蒼白になる。
ゴッ、ゴッ…! ゴッ、ゴッ…!
「あぐっ! あっ! ぐえっ!」
重たい突きが子宮を打つと、
膣とは違う、腹にたまるような痛みが響く。
(子供が産めなくなってしまう)
グリーネが本気でそう心配するほど、
子宮口を殴りつけるペニスの動きは、
性交というより、純粋な暴力に近かった。
森が夕暮れに沈んでいくと、濃い灰色で塗り分けられた
不明瞭な暗色ばかりになった。
その黒っぽい光景の足元で、
ひと組のレイプが動き続ける。
犯す男の尻と、犯される女の尻だけが、
モノトーンの世界から色鮮やかに浮いていた。
上下に動いていた男の尻が、
動きを止めて、ブルブルと震え始めた。
女の尻が、じたばた必死にもがいていた。
どうやら女は、膣内に射精をされているようだった。
どびゅ、びゅるるる! ごぷっ、びゅるうぅーーっ!
「ふぐううううぅぅーーーっっ!!」
エルフの一番奥に、人生で最初の精子たちが飛び込んできた。
望まない種付けをされて、
白い太ももは悲しげにわなないていた。
びゅるるっ! どくんっ……びゅるっ、びゅる……っ!
「うっ……うぐっ……! いやあああ…………!」
グリーネは下腹の中に熱い侵略を感じた。
そこは先ほど、騎士アルティとの恋に、ときめきを感じてた場所だった。
種付けとはまるで、精液を魂に注入されるような儀式だ。
(あっ……熱い……! これが子種……!)
グリーネの小さな子宮の中に、熱さと重さが溜まり始めた。
屍蟲に改造されたアルティ卿の睾丸は、
心臓のように脈打ちながら、大量の精液をエルフに注ぐ。
どくっ、どくんっ……! びゅっ、どくっ……!
「くあぁ……! 抜いて……いやあ……!
うわああああぁーーーっ!!」
男の身体がどっしり重い。
その下敷きにされた女の腰に、熱いペニスが刺さってる。
ペニスの先端からは、悪夢のような体液が注ぎ込まれる。
しかし女は、男という重し石の下で動けずに、
絶望の表情でじっくりと種付けされた。
若い娘の尻肉に、精液の筋が、破瓜の血と混じって伝い流れた。
そのピンク色の体液は、
力尽くで破壊されてしまった純潔の無念を描いていた。
「こ…こんなの、酷い……!」
ドクン…… ドク…ン……
精液の熱はジワジワと胎に広がって、
エルフ娘の細胞一つ一つに染みこんだ。
二度と消せないたぐいの穢れだ。
無垢だった処女の子宮が、精液のにおいでむせ返る。
膣口から溢れる白濁は、グリーネの尻の穴まで伝い流れた。
グリーネは、自分がもう穢れた女だと自覚した。
青春の価値を大きく失い、その喪失感に涙した。
子宮の中では、ゾンビの精液が”動いて”いた。
正確にいうなら、屍蟲の精子の塊だ。
屍蟲の精子は、非常に激しい運動をする。
あたかも白いスライムが這いずるように、
かれらは肉眼で見ても分かる速さで、女体の奥へと移動していく。
精液は卵管を一直線に通過した。
その奥にあるエルフの卵巣が、
精液の膜で白く包まれていく。
やがてエルフの卵巣の表面に、精子の群れが浸潤していく。
精子は未熟な卵細胞にむりやり受精し、
その構造を変化させ、虫の卵に作り替えてしまうのだった。
グリーネの卵巣が、お腹の奥で、チクチクと小さな痛みを発した。
子を孕んでいるんだ。
エルフの娘は、本能的にそれを察した。
(アルティさんの……子供が……)
受精をじっくりと感じ入りながら、
グリーネは騎士アルティのことを考えていた。
妊娠の相手を思うと、嫌悪がなかったのは救いだろうか。
自分のせいで死んだ恋人の子を孕む。
それは恋の残り香であり、
死者に対する罪滅ぼしのような気もした。
ゾンビとなったアルティ卿は動かない。
その股間で、ドクン、ドクンと射精は続く。
僅かに残っていたアルティ卿の魂が、
グリーネを見下ろしながら、悲しそうな、済まなさそうな顔をした。
騎士はエルフの卵巣を守りたかったが、それはもう不可能だった。
グリーネは勘違いをしているのだ。
死んだ男が、生きている女に欲情するようなことはない。
グリーネに欲情し、彼女を孕ませようとするのは――虫たちだ。
アルティ卿の睾丸には、屍蟲がびっしり寄生していた。
人間の精子を虫の子種に作り替え、
ペニスや前立腺はそのまま利用し、人間の女に虫の種付けをする。
卵巣でチクチクと続く小さな受精の痛みは、
何十回、何百回とくり返された。
そうやって人間の卵巣の表面が、
虫の卵の塊に変化していく痛みであった。
グリーネの知らぬ間に、彼女の胎内で、取り返しの付かない変化が起こる。
陽が沈みきってしまうと、灰色だった森の景色が真っ黒になる。
夜の森で、グリーネはいまだに凌辱されていた。
他のゾンビも追いついてきて、エルフ娘は亡者に囲まれながら輪姦された。
グリーネの卵巣は何千個という虫の卵を宿し、
右も左も焼け落ちそうに脈打っている。
今となってはグリーネも、
何かおかしなものを孕んでいると気がついていた。
胎の中で脈打っているのは、少なくとも貴族の跡継ぎでは無いはずだ。
今でも膣内に精を注がれるたび、
卵巣に、チクチクとした受精の痛みがわき起こる。
(これはきっと、魔物を孕んでる……)
エルフの娘はすっかり弱り、
涙と鼻水で顔を汚して
「やめて、中に出さないで」と懇願するばかりだ。
しかし誰も止めてくれない。
騎士のゾンビにさんざん犯され、
空いている穴は他のゾンビたちに取り合いされた。
何本ものペニスが同時に女を求め、
グリーネは全身の穴という穴に男の生殖器を押し込まれた。
ぱんぱんぱんぱんっ
ぐっちゅ、ぐっちゅ
ずぶ!
じゅぽっ、ぐぽっ
「んむぅっ! んぐぅーーっ!」
膣が、喉が、肛門が、
いきり立つペニスで犯され、掘り抜かれた。
エルフの穴の入り口で、肌色のリングがペニスの形に押し開く。
その向こうにある赤い女の粘膜が、
ぶちゅっと押し潰されながら、奥の方まで圧迫される。
ぱんぱんぱんぱんっ!
じゅっぷ! じゅっぷ! じゅっぷ!
「んおっ! んおおおっ、おぐうぅっ!」
今朝まで白露の花のようであったエルフの身体が、いまや汚物だ。
腐った体液と、精液の青臭さを塗りたくられて、
不潔なことこの上なかった。
(うう……酷い……! 酷い……!
私、こんなことをされてしまって……!)
若くて瑞々しいエルフの尻や太ももが、
雑多な体液でぬらぬら光りながら、苦しんでいた。
穴の奥を突かれるたびに、
グリーネは涙を飛び散らせてのたうっている。
ぱんぱんぱんぱん
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ!
「んぐううっ! ぷはっ、許して、もう許してえぇ……っ!!」
どくんっ、びゅるっ、びゅるうるっ!
「ああああぁぁーーーーっ!!」
胎の中で熱の噴射が炸裂すると、
ちく、ちく、またいくつかの魔物がグリーネの中に卵を作る。
(助けて……誰か……)
魔法使い職であるグリーネは、もう体力の限界だった。
目に汗が入るほど疲労して、意識が混濁し始めた。
もちろんゾンビたちは、女体が弱ろうがお構いなしだ。
一人の女を相手に十体がかりほどで、
夜が明けるまで、しつこく輪姦を続けた。
ずぶううううっ!
「うああぁっ、嫌あぁぁーーーーっっ!」
ぱんぱんぱんぱんっ
ぐちゅっ、ずぶっ
ぐりっ、ぐりっ
どびゅっ
ずっぽ、ずちゅっ、ずっぽ!
じゅぶっ、ぎゅむっ!
ぐぼっ、がぼっ!
どびゅるるっ……! どくんっ!
ずんずんずんっ! ずんずんずんっ!
ぱんぱんぱんぱんっ!
ぎゅっ、ずりゅっ
どびゅるるる……
「ぐ……ふっ…………」
bel 327.6.4
グリーネの長い長い夜が終わって、
森には朝が訪れていた。
「ぁ…… ふぁ……」
清純なエルフは失われ、肉便器が一つ転がっていた。
若く美しかったエルフの乳房も、
甘酸っぱい少女の匂いを漏らしていた肉の割れ目も、
いまでは精液というヘドロがわき出す、腐った泉のようだった。
(お腹……熱い…… 何かが腫れてて……痛い……)
グリーネの卵巣はすっかり種付けされて、いまや虫卵の塊になっていた。
その卵の数は、およそ六千個。
卵巣は元もとウズラ卵ほどのサイズだが、
グリーネの卵巣は鶏卵ほどにも肥大していた。
表面部分には、びっしりと虫の卵が息づいている。
グリーネの心臓が鼓動するたび、虫卵は血管から栄養を吸い上げて、
激しい細胞分裂をくり返していた。
エルフの卵巣で、幼虫が一斉に孵化するのは、
およそ40時間後のことになる。
『ああ”あぁあ……』
『おあぁあ……』
ゾンビたちはようやく種付けを切り上げ、グリーネを囲むのを止めた。
ゾンビはより多数の人間を求め、
アルメキア王国軍の陣地方向へと移動を始めた。
騎士アルティも、他の死者たちも、
もうゾンビの仲間を増やすことしか頭になかった。
それから一時間がたち、二時間がたつ。
グリーネはいつまで経っても動かない。
森の茂みに裸で倒れた死体のようだ。
「あ…… あぁ……」
開いたままの両目は涙で溢れ、
瞳は光を失っていた。
彼女は脳を食われておらず、まだれっきとした人間だった。
しかし脱力したままうめく彼女は、
少しゾンビにも似ていた。
女の股が、だらしなく開きっぱなしだ。
真ん中の肉穴はこじ開けられて、いまも精液があふれ続ける。
花も恥じらう年頃の少女が、乳房や陰部を丸見えにしたまま
手で隠すことも、足を閉じることさえしなかった。
体力も精神力も空っぽで、
指を動かすだけでも辛かったのだ。
じっとしているグリーネの腹で、
静かに卵が温められる。
彼女は森に産み捨てにされた、虫の卵の塊だ。
草に産み付けられて、
じっと孵化を待つカマキリの卵嚢(らんのう)にも似ている。
女エルフの卵巣からも、カマキリの卵嚢からも、
しばらくしたら、小さな虫がわらわらと這い出してくる。

|