その2





転入してから時間が経ち、学校の生活にも慣れた。

前世から合わせると久しぶりだったが、何とか過去の記憶を思い出して違和感無く生徒達に溶け込めた筈。

クラスメイト達からの日本生まれに対する偏見は消えたものの、ニーナには未だに避けられている雰囲気を感じる。

その事はミレイも承知しており、生徒会の不和を無くそうと何やら画策している様だった。

まぁ、それはともかくとして、今はシャーリーだ。

ルルーシュも学校に不慣れだった俺のフォローを引退して、リヴァルと貴族相手に賭けチェスを始めたらしい。

良くも悪くも真っ直ぐのシャーリーは当然の事ながら良く思っていないので、生徒会室では頻繁に愚痴を呟いている。

聞き手に回るミレイとニーナは扱いに慣れているのか、苦笑いしながらも相槌を打っているが俺はそうもいかない。

作業をする場所がシャーリーの隣なので、必然と絡まれる頻度も多かった。



「それでね、ルルったら――」

「あぁ……」



魅力的なキャラを犯すにはルルーシュの近くに居るのが好ましいと判断して、ミレイの勧誘を素直に受けたが少し早急だったかもしれない。

全体的に見ればニーナが微妙な表情をしていた以外は好意的に迎えられ、ナナリーの喜びは激しかった。

俺の能力を知らないミレイ達が居た所為で明確には言わなかったが、暗に「もっとカツが食べられる」と聞こえる。

原作からの印象は特に食いしん坊とは思わなかったが、活発にあちこちを動き回って腹が減るのだろうか。

ルルーシュが食管理をしていなければ、制限無く食べていそうだな。

シャーリーの愚痴に困っていた俺を見かねたミレイは、時計を指差して時間を知らせる。



「愚痴るのも良いけど、シャーリー。そろそろ水泳部に行かないといけないんじゃないの?」

「えっ? あっ、本当だ! 有難うございます、会長!」



体育会系らしくハキハキと礼を言ったシャーリーは、慌てて自分の鞄を持って飛び出して行った。



「もう仕事は良いから、部活が終わったら直帰で良いわよ~」

「分かりました。また明日!」

「はいは~い、また明日」



静かになった室内で俺が疲れを多大に含んだ溜息を付けば、去っていく足音が聞こえる扉から視線を移したミレイが気の毒そうに声を掛けてくる。



「災難だったわね」

「本当ですよ。まさか生徒会の仕事初日に愚痴を聞かされる羽目になるなんて」

「まぁ、シャーリーはルルーシュの事になると、ちょ~っと暴走しちゃうからね」

長年の付き合いと女の直感で、シャーリーがルルーシュに対して少なからず思っている節を察しているミレイ。

同じ女としては恋の成就を願いたいが、正体がブリタニア王族であると知っている所為でイマイチ本気で応援は出来ない様子だった。

親友とも言える友人に隠し事をして、淡い恋心も応援出来ない現状に僅かながらも罪悪感を持っている雰囲気も漂う。



「ルルーシュも、もう少しナナリー以外に目を向ければ良いんですけどね」

「あっ! それ、すっごく同意!」

「ですよね~」



シャーリーが居なくなった後も他愛の無い会話を続けて仕事を消化していき、やがて部活も終える放送が聞こえる時間になった。

全員で肩の力を抜いて帰り支度をしていた時に、口数が極端に少なかったニーナが何かを指差す。



「ねぇ、それ、忘れ物じゃない?」

「ん?」

「あら? シャーリーの?」



机の下の置いてあった鞄にはシャーリーの名前が書いてあり、紛れも無く忘れ物だと分かる。

とりあえず持ち上げてみると、思ったよりも重かった。



「ミレイ会長、どうします?」

「う~ん……」



俺に聞かれたミレイは顎に手を当てて考えるが、目に悪戯を思いついた光が宿った。

端が上がった唇に何か嫌な予感を感じたのも既に遅く、返事を聞かずに帰ろうとした瞬間、声を掛けられる。



「丁度良いから、校内の場所の予習がてらに届けに行ってくれない?」



嫌な予感が当たってしまった。

ニヤリと笑った笑顔で頼まれてしまっては断れないだろう。

どうせ拒否をしても、会長命令を出されるに決まってる。



「はぁ、分かりました」

「宜しくね~」

「はいはい」



流石にニーナからも気の毒そうな視線に見送られながら、生徒会室を後にする。

距離は少し遠いがミレイのお陰で道順は問題なく、然程時間を掛ける事無くプールに着いた。

金持ちっぽい中は予想通りに室内プールで、もちろん温水だ。



「……誰も居ないのかな?」



扉を少し開けて覗き込んでも水泳部員の声は聞こえない。

しかし、鍵は開いているので、誰か居るかもしれないと中に入った。

原作知識を思い出せば、水泳部は女子が多かった筈。

つまりは僅かに波打つ水の中には、うら若き乙女の色んな体液が浸み込んでいると言う事か。

塩素の匂いに包まれながら、そんなおっさん臭い事を考えていると、少し奥まった所から大きな水の音が聞こえてきた。

釣られる様に確認に行けば、ちょうどシャーリーがプールサイドへ上ってくる姿が見える。



「居たか」

「えっ!?」



突然声を掛けられた驚いた表情を浮かべながら顔を向けてくるシャーリー。



「あれ? 何かミスでもしたっけ?」

「いや、用件はそうじゃないんだ」

「そうなの?」



生徒会関連の付き合いなので、書類の不備を思い浮かべたらしい。v 用件は当然の事ながら違う。



「忘れ物があったんでね。会長命令で届けに来たんだよ」

「えっ、ホントに?」



持っていた鞄を掲げてやると近寄って受け取ろうとしたが、水に濡れている手を見て思い止まった。

近くに在ったタオルで身体を軽く拭いて、改めて受け取る。



「有難う」

「どういたしましてっと」



水を吸った水着はシャーリーの身体にピッタリと張り付いて、その形を浮かび上がせる。

ミレイには負けるものの、伸縮性の高い布を胸が大きさを誇示するかの様に下から持ち上げていた。

腰は水泳をしているお陰で引き締まってバランスの良い括れを維持しており、股間はスジこそ確認出来ないが大陰唇の形に盛り上がる。

足に至っても太過ぎず細過ぎず、日本人では在り得なさそうな長さでスラリと伸びていた。



「こんな時間まで練習をしているのか?」

「普段はしていないんだけどね、ちょっとイライラしてたから憂さ晴らしのついでにね」

「……やっぱりルルーシュの事で?」

「はぁ……、そうなの」



溜息混じりに肯定してきたシャーリーは、ルルーシュの賭けチェスを止めさせたい様子を隠さない。



「それだったら気分を落ち着けるお茶でもあげようか? 集中力も上がる筈だから水泳にも役立つだろうし」

「そんなのあるの?」

「あぁ、丁度持ってるんだけど……」



精神を落ち着けると言うも、実の所は自我を混濁させる物。

この香りを嗅いだ人間は暗示に掛かり易くなり、良い様に操られる、

差し出したビンを見たシャーリーは、流石に胡散臭そうに見ていた。



「……効くの?」

「ナナリーも同じ様なのを昔飲んでたんだよ。気性が荒くて警戒心の高い猫みたいだったけど、今ではあの通り」

「へぇ、何か意外」

「まっ、それほど効果はあるって事だよ」

「ふ~ん……」



ビンを手に取ったシャーリーは蓋を開けて匂いを嗅いでみる。

思ったよりも好みの香りだったのか、躊躇う事無く飲んだ。



「あれ、美味しい?」

「そりゃ不味い物は渡さないよ」

「や、何か苦そうなイメージがあったのよ」

「昔のナナリーでも好んで飲んでたんだから、苦くはないよ」

「それもそうね」



子供が苦味を嫌うのは当然だとの思い込みでアッサリと納得し、一度口を付けてからは間を置かずに飲み干していく。

もうすぐ無くなる所まで来ると、シャーリーに変化が訪れる。



「あ……れ……?」

「リラックスしてきたのかな?」

「そう……なの……?」



フラフラしてきた身体と意識を必死で繋ぎ止めようとしているが、お茶を一気に飲んだ所為で努力も無駄に終わった。

ビンを持ち上げていた腕がゆっくりと下がって行き、最後は口を半分開いたままで自我が押さえ込まれる。

この状態になってしまえば、極端に暗示を受け入れ易くなってしまう。

要は催眠状態と言って良いかも知れない。

解除するには専用のお茶があり、それを飲ませれば時を置かずして自我を取り戻す。

しかし、与えられた暗示はそのままで、何かを言われた記憶すら残らない。



「さてと……」

「…………」



早速だが、誰も居ないプールを活用する事にしよう。

人当たりが良く、友人も多いシャーリーが一人になるのは結構希少だ。

この身体を目の前にして、チャンスを逃すのは愚の骨頂。

精々、大事に味わう事にしたいが、その前に確認を一つしておく。



「シャーリー、水着に替えはあるか?」

「……ある」



替えがあるなら俺がやりたかった事が出来る。

最初に『水着を着ているのならどんな格好でも恥ずかしく無い』と誤認する暗示を掛けて、ついでに足腰のトレーニングに協力を頼む様に仕向けておく。

シャーリーは飛び込みを主にやっているが、水泳部なら下半身を鍛えておいても損は無いと思う。

犯す俺にとっても膣内の締りが良くなるだろうし、協力したと思わせれば信頼関係も高まる。

まさに一石二鳥だ。

そして暗示を掛けた後、意識を覚醒させるお茶を出して飲ませた。



「――ん……、ぷはっ」

「どうだ、落ち着いてきたんじゃないか?」

「……本当だ!」



催眠状態に落とされる前にリラックス効果を持つ飲み物を飲んでいた記憶が、覚めさせる物を飲んでいる現状と繋がって自分の行動を違和感無く受け入れられる。

ビンを一旦置いたシャーリーは、効果に驚いた。



「凄い。さっきまでのイライラが全く無くなったわ」

「今なら練習も効率良く出来るんじゃないかな?」

「そう……かもね。じゃぁ、ちょっと、トレーニングに付き合ってよ」



少し考えた後、催眠状態の時に掛けられた暗示を自分の考えと思い込み、予定通りに俺へトレーニングの手伝いを希望してきた。v 承諾の答えを聞く前に準備をするシャーリーは水着の肩口を引っ張って胸の谷間で纏め、美乳を曝け出す。



余りにも自然に行なわれ、何の戸惑いも感じられないが、顔へ視線を向けてみれば流石に羞恥心は隠しきれておらず、頬が赤くなっていた。

僅かに震える身体の振動を余す事無く伝えられた胸は、小さく揺れる。

頂点に息衝く乳首はミレイよりも色が薄く桜色をしており、温水と言ってもまだ肌寒い季節で身体が若干冷えた事で鳥肌が立ち、少しばかり立っていた。

中央に寄せられた水着で左右へ広がっているのも欲情を誘う。



「俺に出来る事なら喜んでやるよ」

「有難う。っと、ちょっと待ってね」



赤い顔のままで礼を言い、思い出した様に鞄を漁る。

ベンチの上にバッグがあるので上半身は腰から曲げられてしまい、巨乳が重力に従って垂れ下がった。

腕を探らせる度にユラユラと揺れる光景に、俺の視線は釘付けにされてしまう。

髪から落ちた水が肩を通って胸へ流れ、そして乳首から床へ落ちる。

催眠状態の無防備なシャーリーを見ている時から徐々に大きさを増していた陰茎が、ここに来て一気に硬さが最大まで高まった。



「あった」



俺の視線を胸に感じて羞恥に染めた顔のまま、取り出したのは小さな裁縫用のハサミ。

それを股間へ持っていくと、スクール水着のクロッチを引っ張って中心に縦の切れ込みを入れてしまった。



「……よし」



普通、水泳用の水着は水の抵抗を減らす為、少し身体を締め付ける程度に小さい。

その所為で伸縮性が高い生地の股間部は切れ目に沿って左右に開き、大陰唇が皮を向かれた果実の様に顔を出した。

足の付け根に残る水着に外側から圧迫され、秘裂は僅かに開いて乳首と同じ色の小陰唇を中から食み出させる。

淫核を護る包皮もスジから出ており、歳相応の性器を思わせた。

食い込みの激しい水着を着ているので陰毛はある程度処理され、下品にならない程度に生え揃っている。

性器を露出させる目的を達したシャーリーは腰に手を当て、先程よりも赤くなった顔で向き直った。

幾ら暗示で水着を着ていればどんな格好でも恥ずかしくないと思わせても、物心付いてより十数年もの間に教え込まれた価値観は簡単に変えられない。

そんな強固な羞恥心すら、俺にとっては興奮を高める一つの要素でしかなかった。

むしろ、この反応を予想して暗示を掛けたと言っても良い。



「手伝って貰うトレーニングの内容を教えるね」

「あんまり複雑な事は一度には覚えられないよ」

「大丈夫。ただそのベンチに座っているだけで、私が勝手に動くから……」



そこまで言ったシャーリーは恥ずかしそうに顔を逸らしつつ、小さくなった言葉で続きを話す。



「その、お、おち、じゃなくて、下半身裸で……」

「そんな事ならお安い御用だよ」

「う、うん……、お願い」



流石に陰茎を直接言うのは無理だったのか、違う言葉に変えて来た。

あらかじめ暗示で教えていた事なので断る訳も無く、素直に応じる。

胸と性器を丸出しにした上、付き合いの短い男に下半身を出してくれと頼むのはシャーリーの人生で一番恥ずかしい状況だろう。

既に反り立つ陰茎は、ズボンを脱いだ瞬間に腹へ当たる程の勢いで跳ね上がる。



「ひっ!?」



処女のシャーリーは、思わず身を引いて胸を大きく揺らしながら悲鳴を上げた。

その光景を見た俺は更に陰茎を大きくさせる。



「何だ、別におかしい事はしていないだろう?」

「うぅ、うん、そう……なんだけど、初めて見たから」



顔が引き攣っていても、怖い物見たさで陰茎から視線が離れない。

俺がベンチに深く座ると、シャーリーは恐る恐る近付いてくる。



「え~っと、じゃぁ、私が膝の上に乗って、細かいスクワットをするから私の身体を支えててね」

「あぁ、分かった」



そして、僅かな恐怖を顔に浮かべさせながらベンチの上に立ったシャーリー。

俺の視線の先には水着から剥き出されたシャーリーの大陰唇が至近距離で迫って、屈む為に曲がった脚に従って下がっていく。

水泳部で鍛えられた綺麗な括れを持った腰が通り過ぎ、隠されていない巨乳が降りて来た。

微かに震える身体の反動で、左右に広がる胸は揺れる。

間近で見れば緊張と肌寒さで、何もしていないにも拘らず乳首が立っていた。

そんな光景を俺に見せている事に気を配る余裕が無いシャーリーは、反り立つ陰茎目掛けて腰を落とし、遂には上を向く鈴口が大陰唇へ接触する。



「ひくっ!?」



息を詰まらせ、自分の行いが本当に正しいのかと不安に揺れる視線を俺に向けてきた。

安心させる意味で頷いて腰を掴んでやれば恐怖心が和らいだ雰囲気が僅かに湧き上がり、自分でも身体を支えようと俺の肩を掴んだ。

腰が再び降り始めると、太股の付け根を通る水着で肉厚になった大陰唇が鈴口を柔らかく包み、膣口にまで食い込む。



「くっ……」

「おふっ……」



亀頭を半分ほど膣口に咥え込んだ状態で腰を止めたシャーリーは、次の行為を教えてくる。



「その……先っぽだけを、い、入れて、細かいスクワットを、するからね」

「あぁ、分かった」



やはり、深層心理では何処か可笑しいと思っているのか、言葉を詰まらせながら言うのは葛藤を思わせた。

それでも、信じ込んだトレーニングを続行する意志は折れない。



「すぅ……はぁ……」



一度大きく深呼吸をしてから、キッと視線を鋭くさせて腰を下げた。



「いぐっ!?」



狭い処女の膣口に亀頭が入り込み、シャーリーは悲鳴を漏らす。

愛液の分泌は当然無く、殆ど乾いたプールの水だけでは激しい抵抗が俺に返って来る。

更に進んでも和らがないどころか増すばかりで、本能的な危機感を受けた身体は挿入を拒もうとして来るが、腰の力には勝てずに押し込まれた。

辛うじて亀頭全てが処女の膣内の納められると、鈴口には処女膜を押し上げる抵抗を感じる。



「くっ……、はっ! ……じゃ、じゃぁ、動くから、支えててね」

「まかせろ」



一先ず痛みから逃れたい気持ちがあったシャーリーは腰を上げた。

太股にグッと力が入った瞬間、亀頭を咥え込む膣内の締め付けも強くなる。

握られているとも言えそうな感触は、膣内から異物を押し出そうとする必死さを感じた。

カリの凹みに引っ掛かっていた膣口がジワジワと上がる腰に連れて引き出され、弾ける様に外へ亀頭を吐き出す。

シャーリーはそのまま立ち上がりたい気持ちを抑えて自分に、トレーニングだから辛いのは当たり前と言い聞かせながら再び腰を下げた。



「くはっ……!」



愛液が無い所為で破瓜にも負けない痛みを感じていたが、身体が危機と判断して早急に潤いが増え始める。

咥え込まれた亀頭が膣内で落ち着く前に、本格的な屈伸運動が始まった。

滲み出てきた愛液が強く締め付ける膣壁によって、陰茎の先端のみに卑猥な光沢が擦り付けられる。



「ふっ、はっ、うっ!」



思ったよりも速いテンポで上下に動くシャーリーの膣口で、亀頭だけが激しく扱かれた。

ヌチョヌチョと軽く愛液の音が聞こえると言う事は、半ば力尽くで快感を引き出されたらしい。

膣内に出入りする陰茎の強すぎる刺激を防衛本能が性器の危機と判断し、快感に変換して本能的に身を守っているのか。

眼の前で楕円を描いて大きく揺れる美乳は、乳首を乳輪から膨らませて興奮を表していた。

しかし、竿まで入れていないので俺が受ける快感は不足しており、亀頭からの刺激だけでは物足りない。

自然と気持ち良さを求めて、腰を支えていた手で揺れる胸を掴んだ。



「きゃぁ!」

「あぁ、駄目だったか?」

「うぅん、た、たぶん、はぅっ、良い筈……よね?」



流石に動きが止まってしまい、シャーリーは自分自身へ言い聞かせる様に確認をしてくる。

今まで行なってきた行為に対して自信が無くなった不安そうな顔の下では、俺の手が美乳を揉み続けていた。



「いや、俺はトレーニング方法を知らないからさ」

「んぁ、そ、そうだよね」

「だから、シャーリーが信じる物をやれば良いんじゃないかな?」

「んっ、分かった、あっ」



興奮で硬さを増した綺麗な乳首はこりこりとした感触で、形を変えられる乳輪も視覚的に快感を促してくる。

全体の柔らかさも申し分なく、ミレイの様にパイズリをさせればさぞや気持ち良いだろう。

真正面から揉めば指の間に入り込み、下から持ち上げれば柔らかい重さと温かさを感じた。

そこから横へ手を動かして、寄せた水着の所為で中央から外へ広げられている形を無理矢理押し戻してみた。

谷間を深くさせた胸が俺の真正面に移動し、硬くなった乳首を突き付けられる。

ある意味銃口を向けられるよりも、性欲的な意味で危険な光景は性欲を高めてしまう。



「あむっ」

「んはぁ!?」



口内に入れた乳首は見た目通りに硬さを増しており、柔らかめのグミを噛んでいる感触を返して来る。

汗のしょっぱさの中にプールの水らしい塩素の味が僅かに感じられた上に、精神的な事だろうが何処と無く甘い気もした。



「ひゃっ!?」



舌で唾液を塗りながら乳首を弾けば、頭の上からシャーリーの快感を含んだ声が降りてきた。

お腹を減らした赤ん坊の様に強く吸い付き、蹂躙していく。

口の中で乳首を引き伸ばされた刺激はシャーリーにも快感を送って、亀頭だけを咥えこんでいる膣口が徐々に下がってくる。



「ま、まだ、駄目……!」

「んむっ?」

「奥まで、い、入れるのは、もう、少し先の、トレーニングだから!」

「…………」



乳首を咥えられたシャーリーが切羽詰った声で制止をしてきた。

あらかじめ俺が掛けた暗示とは言え、実際に亀頭だけを咥えられる状態は思ったよりも性的に耐え難い。

ここはサッサと先に進めさせた方が良いだろう。



「ぷはっ、そろそろ先に進んで早く終わらせて、鍵を返しに行った方が良いんじゃないのか?」

「ひぅ、あっ、そ、そうだけど……」



暗示で正しいトレーニングをしていると思い込んでいても、流石に処女を失う事に対しての抵抗が根強く残っているようだ。

シャーリーの視線は辺りを彷徨って、心の葛藤を見せている。



「決心が付かないのなら、俺が手伝ってあげるよ」

「えっ、ちょっ――」



返事を最後まで聞かずに胸を揉んでいた手を腰へ回し、一気に引き下した。

解されていた膣口付近から一切止まらずに、子宮口へ突き進む陰茎。

鈴口の目の前にあった処女膜すら何の抵抗も出来ずに破られ、穢れない膣壁がカウパー液に汚されていく。

愛液が十分に滑りを確保していた所為で、ズルリと最奥まで入り込んだ陰茎は子宮口に鈴口を押し当てた。



「んっ、ぅあぁーー!!?」



プールに響く声は処女を失った絶望を思わせが、シャーリーが自分で腰を振り、更には胸を揉まれた所為で燻る快感は破瓜の痛みを与えない。

しかし、今まで何者も侵入を許さず、小指の太さすらキツイと感じる程に狭かった膣内に、平均よりも大きな陰茎を最奥まで挿入された衝撃で頭を跳ね上げた。

何処にも合わせられていない視線は天井を通り越して別の場所へ送られ、口は半開きのままでパクパクと小さく開閉を繰り返している。

蟹股で足をM字に開いて俺の腰の上に座り込んだ状態のまま、身体を支える為に肩を掴んでいた手は強く制服を握り締めていた。

呆然としているのはシャーリーの意識だけではなく、陰茎を根元まで入れられて子宮口を押し上げられた膣内も同様。



「あっ……、あぅ……」



締め付けは余り感じず、かと言って受け入れている感じもしない膣内は、本当にただ陰茎で広げられただけの印象を受けた。

暫くして、ゆっくりと動き始めた膣壁に続き、天井の向こうを見ていたシャーリーの頭が戻ってくる。



「うっく……、もう、少し、ふっ、優しくして、よ」

「むっ、す、済まん」

「くはっ……」



飛んでいた意識が戻ってきて最初に言ってきたのは、力の無い苦情だった。

それでも陰茎を根元まで咥え込んだ膣内では水泳部の鍛えられた腹筋で惜しみなく締め付け、形を変えられた膣壁が愛液を纏わせながら表面を這いずり回る。

浮き出る血管の小さな凹凸から、カリの深い凹みまでを優しく、激しく包み込んできた。

長さ的にもシャーリーの膣内にピッタリで、少し子宮を押し上げる程度の感触は俺専用の身体と思ってしまいそうだ。



「そ、それで、これからどうするんだ?」

「こ、これから、くはっ、屈伸をするんだけど、危ないから、さっきと、うっ、同じ様に支えてて」

「あぁ、わ、分かった」



胎内に感じる圧迫感で、苦しそうに言葉を詰まらせるシャーリー。

完全に陰茎を入れてしまい、諦めたかのように次の内容を教えてくる。

聞いている俺も膣内で締め付けられる快感を受けて、すぐにでも腰を激しく動かしたい衝動に駆られていた。



「それじゃ、うっく、動くから」

「あ、あぁ……!」



根元まで咥えさせられていた陰茎が、胎内から膣口を引き摺りながら出てくる。

徐々に現れた竿には破瓜の証明と言わんばかりに血が付着し、愛液によって卑猥な光沢を放つ。

脚に力を入れた事で腹筋に力が入り、密着していた膣壁が更に張り付くと僅かに残った処女膜までもカリが取り去る。

シャーリーも亀頭だけのスクワットをした刺激で身体が性交の準備が整わせ、少し膣内を削られるだけで快感に膣内を震わせた。



「くはっ……」



下手に締め付けが強い所為で膣内は隙間が無くなっており、陰茎を抜かれる感覚は子宮その物を引っ張られる感覚を受けるシャーリー。

グネグネと蠢くヒダの抵抗を受けながらカリが出るまで腰を引き、今度は息つく暇もなく腰を落とした。

一度陰茎を根元まで入れられた膣内からの抵抗は流石に和らいでいる。



「んくぅ!」



流れ出る愛液がジュプッと押し返され、膣内は再び陰茎に占領された。

子宮口を押し上げる感覚を受けたと思ったら膣壁に包み込まれ、荒くなった呼吸でヒダが蠢く。

最初の数回は動きが硬かったシャーリーだったが、元々スポーツをしているお陰ですぐに要領を掴んでスムーズに腰を動かし始める。



「うっ、ふっ、はっ、ぁん!」

「うぅ…………」



愛液を周辺に撒き散らすかと思う程に激しい屈伸運動は、手を離された美乳を今まで以上に大きく揺らして視界を楽しませてくれた。

至近距離にある所為で、風すら感じられる。

シャーリーの顔に浮かんでいるのは紛れも無い快感で、眼を閉じながら切なそうに眉を顰め、股間から来る快感に身を委ねていた。

射精を我慢する陰茎もカリの太さが増し、掛かる膣壁の抵抗も大きくなり始める。

その影響は自分で膣内を掻き回しているシャーリーにも伝わり、吐かれる息に混じる悦声が激しくなった。



「ふぁ、んっ、ひぁ!?」



幾重にも重なったヒダを亀頭が掻き分けながら子宮口まで突き進み、抜かれれば快感で広がったカリがヒダを引っ掛けながら愛液を掻き出す。

コツを掴んだシャーリーの動きは、性的な快感を求める本能によって加速させられていた。

単に上下に繰り返すだけではなくなり、心成しか腰に捻りが加えられて沈み込む度に突き上げる角度が微妙に違ってくる。

激しく楕円を描いて踊る胸は乳首を尖らせ、先端から汗を飛ばし、それを顔で受ける俺の興奮も絶頂へ向かうばかりだった。



「うっ、はっ、んぁっ!?」



ただ腰を支えながら座っているだけでも、実質的にはシャーリーを犯していると変わらない。

思考を操り、トレーニングと偽って騎乗位をさせた満足感は絶頂を後押ししてくる。

睾丸から沸き上がって来た精液は、今か今かと開放の時を待って陰茎を振るわせた。

掻き回される膣内はピストン運動によって子宮口を押し上げられる感覚で快感を大幅に増大させ、ヒダが細かな痙攣を繰り返す様になってくる。

弾む巨乳とシャーリーの膣内の感触を楽しむ事暫くして、遂に絶頂の波が耐えられない所まで来た。



「うっ、もう、出る……!」

「んぁ、な、中に、出して!」

「うっくぅ~!!」

「あうぅ!!」



俺の言葉を聞いたシャーリーが、トレーニングの最終的な目標を示してきた。

今まで以上に激しくなる腰の動きが頂点に行き付き、最後とばかりに腰を勢いよく落として陰茎を根元まで咥え込む。



「くうぅ……」

「おふぁ!?」



そして声と共に腹筋を精一杯締め付けたシャーリー。

絶頂間近でそんな刺激を送られてしまえば我慢等到底出来ず、半ば漏らす様に射精をしてしまう。



「んはあぁーー!!」

「んくぅ!?」



膣壁が締め付けても精液を吐き出す陰茎の動きを抑えきれず、痙攣でヒダを掻き分けられた。

最奥に吐き出された圧力で、大きく広げられた膣口から愛液を押し出されていく。

子宮口付近で補充されていく白濁した体液は、粘度があって膣壁にべったりと張り付く勢いだった。

熱い体液を身体の奥底で注入されたシャーリーも溜め込んだ快感が開放されてしまい、絶頂に身を震わせる。

俺の肩に乗せられていた手は握り締められ、背中が反らされた事で硬く尖った乳首を頂点に持つ美乳が突き出された。

全身を強張らせた所為で鍛えられていた筋肉に力が送られ、自然と陰茎も先程よりも締め付けられる。

射精を促され、睾丸の底から搾り取られるような感覚さえあった。



「うっ、く……」

「ふぅ……」



痙攣を繰り返す膣内で精液を撒き散らし終えた陰茎も大人しくなると、お互いに一息ついた。

力が無くなっていく亀頭の先端には粘液の感触があり、蠢く膣壁が奥へと引き込んでいく。

激しい屈伸をしていたシャーリーが足取り重く腰を引き上げ、膣内から陰茎を引き抜いた。

本当は身体を抱き締めてもう少し余韻に浸っておきたかったが、いつまでも他人の上に乗るのは失礼だと思ったのか。



「んぁ……」



立ち上がると同時にベンチから降り、プールサイドにはタパタパと精液が音を反響させながら落ちる。



「んぅ……、何か凄く出したね」

「まぁ、トレーニングが俺にも効いたのかもしれないな」



自分の股間から制限無く出てくる様子を見て、呆れたように呟くシャーリー。

向き出しになった大陰唇は破瓜の血で少し赤く染められており、それ以上に愛液と精液で白く汚している。

中心を走っている秘裂は陰茎と言う太い異物が抜かれ、水着に左右から押されて元の綺麗な形に戻った。



「んんっ……」



一先ず膣内の精液を全て出し切ろうと思ったシャーリーが、腹筋に力を入れて搾り出す。

一気に勢いを増して出てくる量は俺が思ったよりも多く、下手をすれば人生で一番出したかもしれない。

白い太股に白濁した体液が筋を太くして流れ落ちていく。

暫く腹筋へ力を入れたり抜いたりした後、出てくる量も減った。

とりあえず十分と判断したシャーリーは俺へ向き直ると、礼を言ってくる。



「協力してくれて有難う」



そう言って笑顔を浮かべた。

処女を失った事で、何処か吹っ切れた感じも漂わせている。

身体的な機転が、本人の気が付かない内に心境に変化を与えたらしい。

何にせよ、変に落ち込んでいなくて何よりだ。



「まぁ、あれぐらいだったら、いつでも協力するよ」

「うん、まだ次も頼むかもしれないよ」

「丁度飲み物も持ってるから、これもやるよ」

「あっ、有難う! 喉が乾いてたんだ!」



背中側から出したビンの水を美味しそうに喉を鳴らして飲み、最後の一滴を身体の中へ入れた。

そうして意識は再び押し込められる。

催眠状態になったシャーリーは、力無く身体をフラフラとさせていた。

今やらせたトレーニングを言いふらされても困るし、誰にも言わない様にさせておく必要がある。



「シャーリー、聞こえるか?」

「……はい、聞こえます」



返事を聞いてシッカリと効果が出ていることを確認した俺は、最初に『先程行なったのは秘密のトレーニング』であると思わせた。

当然ながら他人に教えるのは厳禁で、もし知られてしまっては大会等の成績も悪くなるとも追加しておく。

このお茶の良い所は、良く聞けば可笑しな理屈であっても違和感無く信じさせられる効果がある事だ。

もう一つは水着の始末。



「今着ている水着は古くなったので、それを捨てて新しい物に変えましょう」

「……変えます」



流石に股間が切られた水着で人前に出る様な事は避けさせたい。

ついでに特訓をする時に、胸と股間を露出させる暗示も消した。

後はトレーニング内容を思い出させないし、思い出そうともしない程度の事をしたと認識させる。

単純に『俺がトレーニングに協力してくれた』と記憶させれば、内容よりも恩が先に来る筈。

あまり不自然に近寄られても困るが、未来に向けて布石を打っておくに越した事は無いだろう。

残りの暗示も、記憶の整理と矛盾に気を向けない様に掛けて、解除用のお茶を飲ませた。



「――ん、……ぷはっ!」



最初に飲ませた時と同じ様に、シャーリーにとっては飲んでいる途中の記憶からの続きなので、行動や思考に何の違和感も無い。

激しい屈伸運動で渇いた喉を潤し、秘密のトレーニングは終りを迎えた。



「はい、返すね」

「あぁ」



中身を飲み干したビンを受け取り、シャーリーは制服へ着替える為に更衣室へ向かう。



「今日は直帰で良いってミレイ会長も言ってたし、私は着替えたら帰るけど、どうする?」

「俺は、もう帰るよ」

「分かった。じゃぁ、また明日ね」

「あぁ、また明日」



特に寄り道をする予定も無い俺は、普通に帰る事を伝えた。

暗示通りに切れ込みを入れた水着を処分するかどうかを確認したいが、更衣室にまで着いて行くのは止めておいた方が良いな。

着替える姿を見て、収まった性欲が湧き上がっても時間的に困るだろう。

帰宅時間が過ぎれば、生徒が帰ったかの確認と不審者が居ないかを用務員が調べて回る事を日課として決められている。

犯している最中を目撃されては、一発で退学かもしれない。

暫く時間を置かなければ性欲も復活しそうに無いのは、膣内に思い切り射精したお陰か。

そんな事を考えながら、更衣室へ向かうシャーリーの引き締まった尻を眺めた後、俺は自分の部屋へ帰って眠った。











シャーリーを犯して何日か経った朝の生徒会では、雑務の処理に追われている。

仕事は部活の予算審査で、長いテーブルの上には書類の山。

いつに無く真面目に生徒会のメンバーを統括するミレイは、何処と無く慌てていた。

まるで自分が忘れていた所為で遅れてしまった時間を取り戻すかの様に急かしてくる。

和やか極まりない雰囲気の中で、慌てて仕事をする元凶となったミレイの話の話題は、何故かシャーリーの胸の話へ変わった。

釣られる様に向かった視線を集めるのは、服の上からでも分かる巨乳。

リヴァルの露骨な眼を受けて慌てて隠すも、俺は少し前に思う存分揉んだし吸った。

あの感触は今でも鮮明に思い出せ、すぐにでも興奮が目覚めてしまいそうだ。

その後、何とか終わらせてルルーシュやシャーリー、ついでにリヴァルと同じ教室へ向かえば、話題は昨日の毒ガス事件の事。

動画を見ている生徒を後ろから眺めていると、隣から微かに呻く声が聞こえる。



「うっ……」



チラリと横目で見てみると、口元を押さえたルルーシュが居た。

前に居るシャーリーとリヴァルは気が付かなかったが、近くに居た俺にはシッカリと変化が分かる。

思い出すに、これは既にギアスを貰った後では無いだろうか?

既にC.C.とは邂逅を果たし、願いを叶えると言う条件の下に手に入れた超常の力で復讐を始めた。

つまりは原作が始まったと言う事。

俺との付き合いは意外に長いが、やっとルルーシュは主人公として本格的にスタートを果たしたらしい。

新宿ゲットーでテロに巻き込まれてC.C.と契約を交わし、ギアスの『絶対遵守の力』を手に入れた。

そして、劣勢だったカレンが所属するテロリスト側に指示を出して救い、事件に巻き込まれた要因の一つである異父兄のクロヴィスを混乱に乗じて討ち、物語が大きく回り出す。

流石に何年も前に見た原作を正確に思い出せないものの、何かあったのか位は予想が付く。

口元を押さえたルルーシュは、声も掛けずにトイレへ向かって行った。



「あれ? ルルは?」

「あぁ、何か急いでトイレに行ったけど」

「会長の所為で我慢してたのかな?」



トイレに姿を消したタイミングでルルーシュが居ない事に気が付いたシャーリーが聞いてきたので正直に答えると、リヴァルが茶化してくる。



「大きい方を!」

「もう、朝から止めてよ、リヴァル」

「はは、ごめんごめん」

「規則正しいお通じの維持は大事だからな」

「ちょっと!」

「ごめんごめん」



リヴァルの言葉を拾ったら、シャーリーに怒られた。

誠意が篭っていない謝罪をした後、自分の席に荷物を置いて暇を潰していると、知っている顔が教室へ入ってくる。

赤い髪はボブカットに揃えられ、眼は不健康そうな半眼。

シャーリーに負けず劣らずの胸を制服の下から主張させているのは、ここに来て始めてみた<紅月 カレン>、その人だ。

ブリタニア人としては<カレン・シュタットフェルト>だが、どっちにしろ<カレン>なので苗字はどうでも良いだろう。

うろ覚えでも原作を知っている俺にとっては、病弱設定を貫いている姿が少し可笑しい。

帰ってきたルルーシュがカレンを見つめていた事で何やらリヴァルに茶化されているが、今は接触出来ないな。

流石に初対面で呼び出すのも、声を掛ける事すら目立ちすぎる。

ルルーシュに至っては既にテロリストの一員であると半ば確信をしている視線もあるし、下手をすれば俺も共犯かと疑われてしまう。

どうせ後に生徒会へ入る事になるのだから、静観した方が良さそうだ。

午前の授業を、シャーリーがチラチラとルルーシュとカレンに視線を流す以外は何事も無く終えた後の昼食後、それぞれが思い思いに集まって昼食を取る。

病弱設定を維持しているカレンは久しぶりに会った、表面上の友人に連れられて中庭へ向かった。

それを見たルルーシュも偶然を装って移動するが、事情を知った上で詳しく観察をしていれば目的が分かり易い事この上ない。

廊下の窓からルルーシュがカレンにギアスを掛けて尋問をしている様子を影から眺めていると、二度目の命令を従わなかった事に狼狽する後姿を見れた。

常に計算をして行動をしているルルーシュには珍しい光景だ。



「あっ! 丁度良い所に」

「ん? シャーリーか」

「ルル見なかった?」

「あぁ、ルルーシュならあそこに……」

「えっ!? カ、カレンさん!?」



探し人を指差して教えてやれば、慌てて窓際へ身を乗り出した。

しかも、シャーリーにとっては良い雰囲気に見えたらしく、目立つ大きな声で次の授業の移動を諭す。

結果的に救われたルルーシュは、さも今思い出した様にワザとらしく声を上げてカレンから離れて行った。



「ふぅ……」

「何だ? そんなにカレンと引き離したかったのか?」

「えっ!? そ、そんなんじゃないよ! ルルだって、色んな人と付き合う事だってあるだろうし!」

「付き合うのは男女の仲とか?」

「そ、そそ、そんなのルルには早いよ!」

「何でだよ……」



満足そうな息を付いたシャーリーを茶化せば、何やら変に過保護な母親みたいな事を言い出した。



「もう、知らない!」



ルルーシュ以上に慌てている姿をニヤリと笑いながら見つめていると、遂に頬を膨らませて次の授業を受ける教室へ去っていく。

そんな微笑ましい青春の風景を見せる学園は、世間が物騒な事態になりつつあるとは思えない物だった。











放課後。

新人と言う事で余り生徒会の仕事が無い俺は、偶には誘われる前にナナリーへ会いに行く名目でクラブハウスへと向かっている。

原作ではアッシュフォード家に使えている<篠崎 咲世子>が世話をしているが、眼が見える様になっているこの世界でも世話役として働いていた。

普段はメイドらしく一歩引いた態度で接している所為で、いまいち素顔が見えてこない人物だ。

食事にしてもルルーシュ達と一緒に取ろうとはせず、異世界の食べ物を食べさせるのは少し工夫が必要そうだった。

今は放課後になったばかりで、原作よりも多少は活発になったお陰で暫くナナリーは帰って来ていないだろうが目的は咲世子だ。

何の問題も無い。

逆にナナリーが居ては少し困る。

そうして、やって来たのはクラブハウス前。

閑散としている雰囲気は、何処か物悲しい。

俺一人の足音がカツカツと響く廊下は何気に長く、ナナリーの部屋までは結構な距離があるも、そこに住んでいる本人は眼が見えている上に車椅子なので、移動で疲れはしないだろう。

つまらない事を考えていれば、目の前にはナナリーの部屋の扉。

コンコンと金属っぽい音を鳴らして来訪を知らせると、目的の人物である咲世子が顔を出した。



「あら」

「ナナリーは居ますか?」

「いえ、ナナリー様はまだ帰っておられませんが……」



顔自体はルルーシュに紹介されてからお互いに見知っており、俺に関しても大変世話になっていたと聞いているのか、俺が来ても怪しんではいない。



「宜しければ、ナナリー様がお帰りになるまで待っていますか?」



俺がナナリーとは仲が良いと知っている咲世子は、部屋の中で待つ様に勧めてくる。

寧ろそれが目的なので、迷わず承諾して入れて貰った。



「そうですね。そうさせて貰います」

「では、どうぞ」



そう言って扉を開けてくれる咲世子。

横を通り過ぎた後、ナナリーへ会いに来た表面上の理由をサッと差し出した。



「待つだけでも退屈なんで、これ食べませんか?」

「あら、それは?」

「クッキーですよ」



見えない位置で出したのは異世界産のクッキー。

曇りガラスのケースに入った中身は、薄っすらと小麦色を透けさせている。

匂いも僅かに漏れ出して、焼き菓子が好きなら心躍るだろう。

咲世子もメイドの仕事をしているとは言え、紛れも無く年頃の女。

当然甘い物に眼が無いだろうと、予想したのだ。



「お気遣い有難うございます。後で頂きます」



一応受け取ってはくれたが、俺が思っていたよりも反応は薄い。

視線もサッサと奥の椅子へと向かい、着席を促してくる。



「あちらでお待ち下さい。ナナリー様がお帰りになられたらすぐにお知らせしますので」

「あ、あぁ、有難う」



そして、他の部屋に行ってしまいそうなので、内心慌てながらも引き止めた。



「出来れば少し話し相手になってくれませんか?」

「……話し相手ですか?」

「そうです。ナナリーに会ったのも久しぶりなんで、これまでの事とか教えてくれたら嬉しいんですけど」

「しかし……」



引き止められた咲世子は、世話をしている人物のプライベートを教えて良いものかと迷う。

幾ら親しい人物であろうとも、所詮は血の繋がって居ない赤の他人。

流石にメイドと言うか使用人としてのプロ意識が高く、容易く突破出来そうに無い雰囲気だった。

ならばと、少し要求を下げてみる。



「駄目ならクッキーを味見して、今のナナリーの好きな味かどうかを確かめてくれませんか?」

「味ですか?」

「えぇ。実はそれは俺が作った物でして、前に食べさせた時と好きな味が変わってたら駄目なんで」



最初の大きな要求をして、断られたなら少し程度を下げて要求をする。

その小さな要求こそが本来の目的の物。

これは何気に人間心理を利用した交渉テクニックで、『ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック』と言うらしい。

まぁ、そんな事はどうでも良く。

俺にとっては何よりも特殊な効果を持った物を、食べさせる事が最初の最優先事項だ。



「咲世子さんはナナリーとルルーシュの食事の世話をしているみたいなんで、食の趣向は熟知していますよね?」

「はい。流石に嫌いな物ばかりを出す訳には行きませんから」

「だから、試しに食べて感想を聞かせて欲しいんですよ」

「そう言う事でしたら……」



やっと食べる気を見せた咲世子に、心の中で安堵する。



「一応昔のナナリーが好きだった味を再現した心算ですけど、微妙に変わってても少しガッカリするでしょうし」

「えぇ、分かりました。シッカリと味見させて頂きます」



特に迷う理由が無くなったお陰で、クッキーの入ったガラスの箱をテーブルに置いた咲世子は、お茶を用意すると言ってキッチンがある部屋へ入って行った。

残された俺は上手く行ったとニヤける顔を抑えながら、勧められた椅子へ座る。

程無くしてポットとティーカップの乗ったトレイを持って戻ってきた。

まず客の俺に紅茶を入れてから自分の分も入れて椅子へ座り、さも審査員と言わんばかりに視線を鋭くさせ、尚且つ眼を期待に膨らませながらガラスの蓋を取ってクッキーを出す。



「では、頂きます」

「どうぞ」



先程よりも若干楽しみそうな声は、やはり甘い物が好きだったのかと確信を得られた。

出したクッキーはこの世界にある物とはたいして変わらないが、生産過程を機械化していないので形は若干不揃い。

逆に言えば手作り感を存分に漂わせているので、俺の手作りと疑われなさそうだ。



「いざ……!」



随分と古臭い掛け声と共に、細い指に摘まれたクッキーは咲世子の口の中へ運ばれる。

眼を閉じてじっくりと味わい、唇が閉じられていてもサクサクと租借される音が聞こえた。

暫くして細い喉が飲み込む動作をした後、眼を開けて紅茶を一口飲んだ。



「素晴らしい味です」

「そうですか?」

「えぇ、今まで私が食べた事がない程に美味しいクッキーですね」

「有難うございます」



そりゃ、異世界産の物だから食べた事がないのは当然だろう。

ルルーシュも、それで困っているのだから。



「これならナナリー様も好んでおられる味なので、大丈夫だと思いますよ」

「本当ですか?」

「はい」

「なら、一安心ですね」



クッキーの美味しさに思わず微笑を浮かべた咲世子。

異世界産の物をシッカリと食べてはいるが、外見上の変化が全くない。

前にルルーシュやナナリーで実験していた時には、少し時間が経ってから効果が出た物があるから暫く待った方が無難か?

しかし、余り時間を掛けても居られない。

少々世間体的な意味で危険では在るが、前に進まなければ何も始まらないのは全ての物事に当てはまる。



「咲世子さん」

「はい?」

「ちょっと立ってスカートを捲ってくれませんか?」

「えっ……」



思い切って行ってみると咲世子は一瞬だけぽかんとした後、おもむろに立ち上がって足首まで覆う長いスカートを捲りあげ始めた。

黒いストッキングが姿を現し始め、太股の中ほどには革のベルトにくないが刺さっている。

その上にはガーターベルトが下がっており、白く引き締まった太股が出てきた。

スカートは止められる事無く上がり続け、遂には黒のショーツを曝け出す。



「これで宜しいですか?」

「あぁ、良いよ」



首を少し傾けて聞いてくる咲世子。

メイド服を着て淡々と性的な命令をこなすのは、エロ漫画等でよく見るシチュエーション。

まさに男の夢でもある状況だ。

スカートを捲ったままで、クッキーを食べた微笑を維持した咲世子が次の命令を待つ。

俺の言う事に従っている所を見るに、効果はちゃんと出ている。

外見上、咲世子はメイド以外の何者でもないので、今回は最大限に利用しようと思った。

クッキーの効果も、食べた後に見た人間の命令に従うという簡単な物。



「咲世子さん、テーブルに手を付いてください」

「はい、畏まりました」



新たに命令を受け、持っていたスカートを離した咲世子は命令の目的を察して腰を若干突き出しながらテーブルに手を付いた。

何も言わなくとも自分から行動をするのは、このクッキーの特徴。

単に思考を洗脳して人形の様に操るのではなく、あくまで自分の意思で従っていると思わせる事で、一々細かい命令を出さなくても良い。

対象が優秀なら尚更、俺の意志や目的を理解して自ら行動を修正してくれる。



「これで宜しいですか?」

「あぁ、良いよ」



確認する様に向けられた顔から微笑を消さず、腰をクイッと上げた。

正しく理想のメイドに近い対応で、期待は高まる。

後ろに回った俺は下がってしまっていたスカートを捲り上げていき、再び下半身を露出させた。

正面からでは分からなかったが、ショーツの尻を包んでいる筈の布の面積が予想以上に少ない。

前面部から見れば極普通の物かと思っていたものの、実際はTバックと思うぐらいに激しい食い込みだった。

尻の大半は布から食み出しており、ショーツ自体も小さい所為で肉が卑猥に食い込んでいる。

ソッと触れば、見た目に反して肉の下に鍛えられた筋肉がシッカリと感じられた。

それでいて尻としての柔らかさも損なわず、指に対して程好い弾力が帰ってくる。

伊達に篠崎流・37代目を拝命している訳でもなさそうだった。



「んっ……」

「ショーツも脱がせて良いですか?」

「はい」

「では、遠慮なく」



黒のショーツに指を掛けてキュッと上を向いた尻を開放していけば、布が食い込んだ跡を残しながら白い肌が広がっていく。

深い谷間の奥には色素が沈殿した肛門があり、更に降ろしていくと膨らんだ大陰唇が表れてきた。

咲世子ほどの年齢なら多少は生えている陰毛は周辺に全く無く、剃り跡すら確認出来ない。

太股の半ばまでショーツを下げると、少しだけ小陰唇が食み出てはいるが、綺麗な秘裂が見える。

自然と伸びた手は咲世子の承諾無く大陰唇に触れてしまった。



「んっ」



プニッとした感触を返す大陰唇は、軽く押さえられた指よりも少し大きく凹んだ。







(この先は体験版だけの展開です)







「痛っ!?」



柔らかな感触が指に感じられたと思った途端、大陰唇を触っていた俺の右手の甲に熱さと痛みが襲ってくる。

咄嗟に使い魔のルーンでも刻まれたかと慌てて確認してみれば、そこには赤いハートマークの上にバツの形で剣が二本掛け合わせられており、13との数字の下には謎の人物が描かれていた。

まるでトランプのキングを思わせる風貌は、王者の風格を湛えている。



「なっ、何だこれ!?」



この世界で異能と言えば、まず思い付くのは当然『ギアス』の力。

発現するのはルルーシュの様に眼だけではなく、人の心を聞いたりする耳に、何処が能力の基点になっているか分からない体感時間を止める能力などがある。

その事を考えれば手の甲に何らかの証が出ても可笑しくは無い。



「まさか……、ギアス」



そう呟いてしまうも、すぐに自分で否定出来てしまった。

だいたい咲世子の大陰唇を触ってギアスが発現する訳が無いのだ。



「……そんな、ちゃちな物ではない」

「えっ!?」



つい先程まで無かった模様に戸惑っていると、腰を突き出していた咲世子がおもむろに身なりを整えて俺に振り返った。

こちらを見る眼は鋭く、優しさを滲ませつつも厳しい顔つきになっている。



「それはキング・オブ・ハートの紋章」

「キ、キング……?」



自分の手の甲を見下ろせば、確かの何処かで見た事のある紋章。

詳しく聞こうと顔を上げると、ショートヘアーだった咲世子の髪型がいつの間にか腰まである長い三つ編みになっており、ずれた付け髭を指で押さえていた。



「さ、咲世子さん?」

「さて、馬鹿弟子……、いえ、体験版主人公にはそろそろ次へ行って貰いましょうか」

「はっ!?」



あまりの突然すぎる変化に呆然としていると、右手の紋章と同じくらいに意味が分からない事を言い出す。

原作の咲世子を知っていると、実際に同じ様な事を仕出かす様な気がしないでもない。



「…………」

「ど、どうしたんですか?」



俺を無言で見つめていたかと思えば、おもむろに付け髭を押さえていた手を離して指を鳴らした。

パチンと気持ちの良い音が聞こえたと思えば、一瞬にして辺りがナナリーの部屋から一変する。

突然変わってしまった景色は一見すると平原だが陸地が途中で切れ、下には雲海が広がっていた。



「なっ!?」

「ここはギアナ高原」

「ギアナ高原!?」



ついさっきまで日本に居た筈なのに、行き成りコロンビア辺りまで飛ばされてしまい、俺の頭は混乱するばかり。

亜熱帯特有の粘つく暑さを物ともしない咲世子は、腕を組んで仁王立ちでこちらを見てくる。



「どうしてこんな所に!?」

「体験版主人公である貴方に次元の壁を破って貰おうと思ってね」

「次元の壁なんて破れる訳無いでしょう!」

「そんな軟弱は気持ちでは私の正体を掴むどころか、本編の主人公になるなど無理の一言ぉ!」



カット眼を見開いて断言をしてくる咲世子。

全身から漂うオーラは只者ではない強者の雰囲気を滲ませる。



「体験版主人公が嫌なら、気合で打ち破って見せなさい!」



そうだ。

確かに俺は何度も時空を飛んだ記憶がある。

一人の少女が望む世界に改変する事が出来る、正しく神の如き力を持つ世界。

科学が発達し、それこそ魔法の様な技術がある世界。

ドラゴンが普通に居たり、月が二つだったりする正真正銘のファンタジー世界。

幾度と無く移動した記憶は確かに持っている。

俺の意思で行った事は無くても、自分の力を信じなくてどうするんだ!



「……ふっ、決まったようですね」

「あぁ、決まった。やってやろうじゃないか!」



もはや俺の知っている咲世子から逸脱した女。

俺は何処か懐かしい雰囲気を感じつつ、見守られる安心感を受け取っていた。

右手を眼の前に持ってくると、グッと握り締めて眼を閉じる。

紋章から感じる力の波動を全身に回らせれば、自然と言葉が口を割って出てきた。



「俺の右手が真っ赤に燃える!」



見開いた眼で天を睨み、拳を作った右手を空へ掲げる。

全身から湧き上がる赤いオーラは周囲に風を撒き散らし、砂埃を吹き払った。



「次元を破れと轟き叫ぶ!!」



光が集まる右手を身体の後ろへと引かせ、指を鉤爪の様に開く。

溢れ出る力は抑える事が出来ず、今にも爆発しそうだ。



「ばぁくねつ!」



一旦間を置いた俺はキング・オブ・ハートの紋章にオーラが集まる感覚を受け、一気に右手を突き出すと同時に魂を響かせる言葉で叫ぶ。



「ゴッド・フィンガァァーーーーッ!!!」



風を切る右手は正面に突き出され、オーラが前方へ突き進む。

地面の土を抉り、風は荒れ狂う。

そして、オーラの濁流が収まり、溜まっていた力が全て解放されると、辺りに静寂が下りてきた。



「…………」

「…………」

「はぁ……」

「っ!?」



右手を突き出したままの体勢で固まっている俺に、さも残念そうな溜息が聞こえてくる。

多少地面が抉れただけで何も変わらない光景に恥ずかしさを我慢して声が聞こえた方を向けば、メイド服の咲世子ではなく、背が高くてプロポーションの良い黒髪の女が頭を抱えていた。



「まぁ、ギアナ高原に来たからって次元の壁を破れたら苦労はしないわよね……」



誰かは全く分からないものの、何故か申し訳ない気分だけが俺の心に湧きあがってくる。

何か言い繕うと思った時には、謎の女は近寄ってきた。



「まだ、駄目なのかしらね」

「な、何の事だ?」



俺の問いかけに答えないまま手の届く距離まで来ると、『ドゲシッ!』と効果音が聞こえそうな蹴りを繰り出してきた。

避ける暇も無かった俺はそのまま崖下へ落ちる。

咄嗟に出された手は何かを掴む事無く宙を切り、辺りの景色はスローモーションになって上に流れた。

そんな中で女の声だけが、ハッキリと記憶に残る。



「まだ、大丈夫。まだ待てるから……」

「な、何を――」



俺の言葉は最後まで続けられる事は無く、突然襲ってきた背中の痛みで考えは停止してしまった。



「背中痛っ!?」

「うゎ!?」



ブリッジをしながら背中からの痛みを逃がそうとしていると、近くから女の子の驚く声が聞こえてくる。

しかし、辺りを見回す余裕が無い俺は、何とか身を捩って耐える事に必死だった。



「あの、大丈夫……?」

「あがが……、だ、大丈夫……」



心配そうに掛けられた声に何とか答えて相手を見れば、目に入ったのは巨乳。

流石に初対面で胸にガン見しては失礼だと思い、慌てて顔を見上げた。



「あれ?」

「何ですか?」



見た事のある顔に名前も浮かんでくる。

そして、たいして考えもせずに確認をしてしまった。



「もしかして、君は――」





体験版終り







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