《目次》


【プロローグ】 勇者の帰還

【1】女性上位時代

【2】TSビッチはマ○コが小さい。

【3】お漏らしと躾け

【4】人間敗北。

【5】満たされたいマ○コ

【6】奴隷女誕生

【7】元勇者、競り落される。

【エピローグ】









【プロローグ】勇者の帰還



負けた。

魔王に?
とんでもない。
魔王には勝った。
俺が負けたのはその後。
生まれ故郷の城に帰還した後だ。
俺を重用して送り出してくれた前王は俺が旅立つとすぐに崩御されたらしい。
当然、前王が旅立つ前に約束してくれた「魔王に勝ったら、次代国主」という約束は守られそうにない。
まぁ、問題はそんなことじゃない。
今、俺が………。
魔王を打ち倒したこの俺が……。
新女王リリナ、つまりは俺が旅立つ際に前王が「将来の妃に…」と紹介してくれた女は、俺にこう告げたのだ。
「明日、親衛隊長レオナと試合をせよ。
魔王を打ち倒したのであれば、親衛隊長にも余裕を持って勝てるはず」
いや、全くもってその通り。
実際、親衛隊長の女(俺が旅立つ前まで、髭のおっさんが親衛隊長だったはずだが、どうやら髭のおっさんは左遷されたらしい)に対峙した時は『たいしたこと無いな』と素直に思った。
実際、すらっとした四肢に魔力を帯びた赤髪が”綺麗なだけ”の女だった。
剣筋も『まぁ、どこかで習ったんだな』という程度だったし、踏み込みも『いかにも練習で身に着けました』といった感じだった。
実戦など数えるほどしか無いのだろう。
全く問題なく勝てるはずだった。
しかし、俺は負けた。
なぜ?
答えはただひとつ。
試合前に飲んだ水に、痺れ毒が盛られていたからだ。
当然俺だって、ステータス異常を回復させる魔法ぐらい幾種も覚えている。
しかし、試合場どころか城全体に魔封じの呪印がかけられていた。
試合前に城から出るわけにもいかず、結局ほとんど力の入らない状態で、戦いを挑まざるを得なかった。
そして、負けた。
道場レベルの貧弱な………女の剣に。
はっきり言えば、あの親衛隊長の女が手加減しなかったら、あるいはとどめの一撃を寸止めしなかったら、俺はもうこの世にいないだろう。
俺は…、
『参った』
と降参しなければ、ならなかった。
「勇者ユーキ。
うぬの負けじゃ。
魔王に勝った等と嘘偽りを申して、妾を謀ろうとした罪。
重大な懲罰を持って償うと知れ!
追って沙汰を申し付けるっ!」
そう宣言してから女王は試合場から去り、嘲りを湛えて笑う親衛隊長レオナは未だに痺れが抜け切れない俺の髪を鷲掴みにして、
「おいっ!
衛兵!
このほら吹きを地下牢にぶち込んでおけ!
痺れ毒を定期的に注射しろよ。
男は粗暴な生き物だ。
暴れると危険だからな!」
そう言って俺を衛兵の前に、まるでゴミを捨てるように放り投げた。
「ぐっ!」
「覚悟しておけよ。
ほら吹き男。
貴様はこの城全体に混乱をもたらし、リリナ陛下の御時間を浪費させた。
当然、貴様も大切なものを失ってもらうぞ」
そう告げてレオナは主の後を追った。
俺がそのまま地下牢に放り込まれたのは言うまでも無い。






【1】女性上位時代


「女は女らしく!
男は男らしく!」
女王リリナは晴天の中央に位置する城から城下町に向けて、そう演説をぶちまけた。
大観衆はそれに歓声で応える。
しかし、歓声は他国のそれとは趣が異なっていた。
熱狂しているのは同じだが、声の主がほとんど女だけである。
男の国民は?
もちろんいる。
しかし、歓声を上げることは無い。
新女王の統治下になって、この国の”在り方”は前王とは全く違うものとなった。

――圧倒的女性上位社会――

男というだけで、重い税金がかかる。
男というだけで、商売に制限がかかる。
男というだけで、国の機関に勤めることができない。
男というだけで、行動の自由が極めて強く制限される。
寝食、労働は女性の許可がいる。
銀行に預けた金は女性に管理され、彼女たちの許可無しでは自由に使うことが許されない。
これらの結果として、男は女性に媚びへつらわざるを得なくなった。
これが女王リリナの言う「男は男らしく」である。
一方、女は男がワリを喰う分、優遇された。
女というだけで、税金は軽減され…。
女というだけで、商売の規制は大幅に緩和され…。
女だけが、国の機関に勤めることができ…。
女というだけで、行動の自由が大きく保障される。
勇者ユーキがこの国にいたころは、国外に出るのに特別の許可が必要だったが、現在は『女性だけ』は自由に国外を行き来できる。
無論、寝食の許可を誰かに取る必要など無い。
結果、女は普段から男性を尻に敷くようになり、『教育』あるいは『指導』と称して男に懲罰を与えることも少なくない。
その心理はセックスにまで影響を与え、女性が上に乗る騎乗位が普通となった。
これが女王リリナの言う「女は女らしく」ということである。

この男女観を踏まえれば、親衛隊の隊長にレオナが選ばれることは必然と言えるだろう。
彼女ほど、女の強健さを示す者は他にいない。
また、前王の側近は男が多かったこともあって、そのほとんどが左遷され、新たに女が大臣など要職についたことも必然と言える。
しかしここで大きな問題が生じた。
男の中に、『女として生きる』選択をした者が出てきたということだ。
これもある意味、必然と言えるだろう。
女でなければ生活が立ち行かないのであれば、男の中にも女に性転換する者が出てくることは、十分有り得る。
そのための性転換魔法が城下町の魔術協会で開発されるのに、さほど時間はかからなかったようだ。
多額な謝礼を払ってでも女になろうとする男がいることも性転換魔法の完成に拍車をかけた。
そして、ある一定数”性転換した女”が国にいることを確認できてから、女王リリナは新たな法律、というよりも新たな社会的階級を定めた。

◆性転換した人間は元の性別を問わず、最も身分が低いものとする。
◆性転換した人間は、女性の管理者がいない場合、奴隷として一生を肉体労働奉仕に費やすこととする。
◆性転換した人間は、性転換後の性別に沿った衣装以外身に付けてはならない。
◆性転換した人間は、商売を始めてはならない。
(生活にかかる金銭は、管理者の女性に依存する。管理者が支払い出来なくなった時点で性転換した人間は、奴隷堕ちとする)
◆性転換した人間は、行動の自由など一切無い。
◆寝食…労働はもちろん、排泄も管理者の許可無しでは許されない。
◆預金を含めて全ての財産は管理者たる女性が没収するものとする。管理者がいない場合はすべて国が徴収するものとする。

これが性転換した人間に対する社会的制約である。
なお、『性転換した人間』は短く『TS』と呼ばれる。
特に男性から女性に性転換した人間は『TSビッチ』と呼ばれ、最も罪深いものとされ、ありとあらゆる人間から蔑まれる存在となった。

「その『TSビッチ』とやらにするのか?俺を………」
「そうだ。とても”素敵な懲罰”であろう?
死刑でも良いが…、妾は人が死ぬのは好まん。
生きて恥をさらせ。
ほら吹きはTSビッチとして蔑まれながら、人生を生ききった。
素敵な話ではないか」
やや歌舞伎めいた話し方でリリナはそう言うと、地下牢で両手両足を拘束され、点滴で常に痺れ毒を注入され続ける勇者ユーキを見下ろした。
クスクスと女王の後ろで漏れ笑いを堪えるレオナがいる。
「入るが良い」
リリナが声をかけると、”元”魔法協会の特別指南役魔法使いが地下牢の中に入る。
ユーキはその魔法使いと顔見知りだった。
「…………ガーナ?」
勇者として旅立つ前に、ユーキに多くの魔法を教えてくれた魔法の師匠であり、ユーキを友人として扱ってくれた恩人でもある。
「すまん。性転換魔法を開発した罪で裁判中でな。
お前を性転換させたら、減免される約束となっているのだ。
おそらくこれが人生最後の性転換魔法だ。
………許してくれ。ユーキ」
「…………」
ガーナは『最後』と言った。つまりは、『元に戻すことは出来ないだろう』という意味だとユーキは理解できた。
ユーキが力なくうつむくとガーナは呪印を発動させ、性転換魔法を唱える。
文様状の呪印がユーキを包んだ。
抵抗などできない。
されるがまま、ゆっくりと近づく呪印を体に纏った。
普段なら鎖など引きちぎって避けれる程度の魔法速度だ。
しかし、血管に直接痺れ毒を注射されているので避けることは出来なかった。


こうして勇者ユーキは、TSビッチとなった。
「管理者は妾で良かろう」
「は。
良かったな。ほら吹き勇者。
今日からTSビッチとして、女王陛下の管理を受けられる。
これから女王陛下の厳しい女性指導が待っているぞ」
レオナの言い回しに笑うリリナ。


「………………ガーナ」
その夜、牢屋の中でユーキがそう呟く直前にガーナは処刑された。
ユーキは友人ガーナの目を見て確信を得ていたが、やはりというか言うまでも無く、ガーナが望んだ減免は自らの命ではない。
すべての性転換した人間を”これ以上弾圧しないこと”を減免として死んだのだ。

そしてユーキは眠れぬ夜を過ごす。
ガーナへの思いもあったが、自らの肉体が変化する痛みで眠れないのだ。
胸が痛痒い。
股間が熱く、水に浸かって冷やしたい衝動に駆られる。
喉の乾きが止まらない。
全身の皮膚がムズムズする。
顔も、背中も、足も。
そして骨が軋む。
筋肉が怯えている。
旅の最中、どうしても3日ほど食事を取ることができなかった時と同じだ。全身の筋肉が栄養として消費され、体の線が細くなってしまったあのときの感覚。
世界が暁を迎える頃、ようやくその変化は終わった。

「ぷっ。
本当に女になったな。
クスクス」
ユーキが霞み目のまま見上げると、レオナの足が文字通り顔に降ってくるまさにその瞬間だった。
「………ぐっ!」
右目を踵で踏まれ、口を爪先で捻られながらユーキは自分の胸が弾む感覚を覚えた。
身を捩ると、おっぱいが弛んでいるのだ。
「あ………、あ………」
「良かったな。巨乳で。
女の子らしいじゃないか。ホント」
レオナは尚も足裏でユーキの顔を踏み捻り、自らの顎に手を当ててユーキの『女の体』を値踏みした。
「いかにも男受けする、女の嫌いな身体だな。
………安っぽい女の身体だ(笑)」






【2】TSビッチはマ○コが小さい。


ユーキは男服を剥ぎ取られ、女服に着替えさせられた。
気持ちの上では違和感しかないが、身体の方は違和感なくフィットして着れてしまうことが、なんとも悔しい。
女らしい腰の曲線美を強調するためにギッチギチに絞り上げるコルセット。
胸部分の覆う透け透けのシースルー生地。
シースルー生地は見た目こそ良いが、肌触りはゴワゴワとしていて擦れるよう細工されている。
剥き出しの乳首が一歩歩を進めるだけで擦れて、足の裏から脳髄まで電気が走る。
そして胸部分と同じ透け透けシースルー生地で出来たハイパーミニスカート。
スカートは、透け透けの癖にふんわりと広がるので少女の愛らしさを演出している。
少しでも動こうものならスカートがふわっと空気を含んで広がり、裾から見える白くて女性らしい太ももを強調する。
さらに透け透けスカートの中には、処女でも履かないようなイチゴパンツ。
パンツは胸を擦る生地と違ってスベスベのシルクで出来ている。
脱がす人間が指先に心地良さを感じるための処置だ。
その証拠にクロッチの内側部分だけはゴワゴワしていて、常に股下を刺激するようにできている。
イチゴパンツはこの国に限らず、ほとんど全ての国で”女児向け”とされており、とりわけ学校に入る前の女児パンツの定番だ。
オムツが取れたら、イチゴパンツ。といった具合である。
しかもユーキに与えられたイチゴパンツはユーキには、明らかに小さい。
まさか本物の子供用ではないだろうが、どんなにパンツを上げてもお尻の上半分が見えてしまう超ローレグカットだ。
無論前部分もクリトリスがようやくこうやく隠れる程度。
パンツの紐も緩めてあるらしい。
常に内股にしていないとずり下がって、マ○コが透け透けスカート越しに見えてしまう。
胸部分とスカートの生地は透け透けのうっすらグレーなのだが、これが余計に乳首のピンク色、マ○コの縦線のピンク色を引き立てて目立たせる。
ユーキはそれを着なければならなかった。

肉体が性転換しても精神はまだ男性。
簡単にこんな恥ずかしい格好を着られるはずも無い。
一昼夜点滴で流し込まれ続けた全身の痺れ毒は簡単に抜けそうに無い。上手く立つことも出来ないが、それでもユーキは衣服を牢屋に放り込んだ衛兵を睨んだ。
すると地下牢の出入り口、看守用の椅子に腰掛けたレオナがあくびをしながら、言った。
「昨日の…、ガーナと言ったか?
あの魔法使いが死んだ理由。
あるいは死ぬに値すると考えた理由。
貴様は、分かっているんだろ?
なんてたって、魔王を打ち倒すほどの勇者だもんな?」
レオナの言葉にユーキは全身の血を滾らせた。
しかし、それでもレオナの言葉に間違いは無い。
ガーナはユーキを生かすために、性転換魔法をかけて死んだようなものだ。
その意気に応えないようなヤツは男じゃない。いや、人でさえ無いだろう。
ユーキは唇を噛んで、痺れる身体に女服を纏わせた。
圧倒的女性上位時代の女服とは思えない圧倒的に恥ずかしい女服を………。
「それ、元々主人に気に入られなかった女メイドが着る懲罰用の制服を改造して作られたんだよな。
ま、かなり恥ずかしく作り直されているけど…。
ほら吹きTSビッチにはおあつらえ向きだろう?」
レオナはくくくっと笑ってから剣を腰に装着して地下牢の中に入り、ユーキのおっぱいを指先だけで揉んで、ヒューと冷やかしの口笛を吹いた。
「来い。
リリナ陛下へご挨拶するぞ。
TSビッチらしく可愛く微笑んでご挨拶しろよ。
媚を売れ。
物欲しそうに笑え。
これからの貴様の人生の良し悪しはリリナ陛下の御機嫌次第なのだからな」
「………」
ユーキは何も言えなかった。
恐らくそうなるだろうと昨晩膨らみ続ける胸を見ながら考えていたが、実際に他者の口から直接言われると、より厳しい現実に思えてならなかった。

城内を抜けて女王リリナの元へと向かう際ユーキはこの国での、TSビッチと呼ばれる性転換した男への差別意識を思い知ることとなった。
大勢の女性が、レオナに髪を鷲掴みにされながら頭を低く下げて腰を折り奴隷のように無様に連行されるユーキを見下ろしている。
中には見知った顔もいた。ユーキが旅立つ前は見習いメイドだった女だ。
どうやら出世したらしい。
メイド服が事務官服に変わっている。
事務方としては大臣に次ぐ高い地位だ。
あの頃の女性特有の初々しさはすっかり抜けて、落ち着いた雰囲気を醸し出している。瞳の奥がどこかユーキを心配そうに見えるのは気のせいだろうか。
他にも若い男女カップルの女性だけがこちらを見て、顎を前に突き出しながら鼻を鳴らした。男は女の機嫌を損ねぬよう女の瞳を見つめている。
男は忠誠を疑われたくないのだろう。
自らの身分を示すかのように膝をついて、女の手を頭の上に乗せている。
女は男の頭を撫でた。
男がやたら嬉しそうに蕩ける。そして自慢げにユーキを見てほくそ笑んだ。
『俺は男だ!証拠にこうして女性の寵愛を受けることが出来る。お前は違う。TSビッチだからな!』
そう考えているのだろう。
ユーキは国民の意識がどう変遷したのか確認するのを止めて、視線を落とした。
性転換した人間が如何なる扱いを受けるのか、十分に理解できたからだ。
こういう扱いを受けるからこその『性転換が懲罰』として成立するのだろう。
それは…、知りたくない現実だった。

ユーキがいた頃よりも城は大きく改築されていた。
しかし財政を逼迫している様子は見られない。
どうやら女王は前王よりも国の経営が上手いらしい。
国の財政が逼迫すると、自然と国民の顔が暗く恨めしくなる。
しかしこの国は、明確な社会階級と性転換した者への差別意識が浸透すると同時に、裕福さが増したらしい。
皆、妙に満たされた顔をしている。
いかなる洗脳も、魔法も呪術も叶えることが出来ない、金や食べ物がきちんと満たされた時のみ出来る人間らしい表情だ。
(国全体が裕福になったのか。
いや。そうでなければこれだけ明確な社会階級の変遷など不可能だろう)
ユーキはそう考えながら真新しい石床を見ていた。
突如、レオナが闊歩を止める。
ユーキが目線だけ前に向けると、光が燦爛と煌めいていた。
「中庭?」
「そうだ。
リリナ陛下の時代に増築したものだ。
素晴らしいだろう」
燦爛と煌めく光に目が慣れるまで見えなかった光景は、確かに上品で美しい緑の園だった。
成金が金にかまけて作った品の無い庭ではない。緑が湛えられた美しい庭だった。
「女王陛下。
レオナ、ほら吹き勇者を連行して参りました」
「うむ。
ほら吹き勇者よ。
TSビッチに堕ちた気分はどうじゃ?
憧れの女性の体に成れて気分が良いか?
それともTSビッチに堕とされて、マ○コがうずいておるか?
くっふっふっふ」
リリナは自らのスカートの裾を控えていたメイドにつまませユーキの前に立った。
そして、レオナに性転換したユーキの顔がよく見えるようにしろと、指で指示する。
「ぐっ」
地下牢から中庭まで長い距離、頭を深く下げさせられ、腰を折った状態で歩かされたユーキは急に、気をつけの体勢にされて背中に痛みを覚えた。
全身に痺れ毒が回っていなければ、痛みなど一切感じるはずも無いが、筋肉が上手く作用しない今、痛みに声を上げてしまうのは仕方ないこと。
だが、曲がりなりにも『魔王を打ち倒した勇者』と名乗っている人間がその程度のことで声を上げたことに、メイドも含めたその場にいる女性全員の失笑を買った。
「うぬは、情けなさ過ぎて笑えるのう」
「陛下の御前で、ふざけた声を出すな。
TSビッチ」
「クスクス、クスクス、クスクス」
ひとしきり笑うとリリナは無遠慮にユーキの透け透けスカートを捲り上げ、中のイチゴちゃんパンツに指をかける。
小柄な女王の指がかかっただけでゆるゆるパンツがずり下がることを理解していたユーキは慌てて内股になり、脱げぬよう堪えた。
両手で押さえればより確実にも関わらず、内股でパンツが脱げるのを阻止した理由は、ユーキ本人にも分からない。
「恥ずかしがらずとも良い。
妾も女じゃ。
うぬが股間も女に成れたか確認するだけじゃよ。
胸が膨らんだ程度では『女体』とは言えんからのう。
女体の最大の特徴は、ここじゃ………のう?」
リリナはそう言うとイチゴパンツの上からマ○コの縦筋に親指を這わせ、残りの指で股下を撫でた。
「ひっ!」
ユーキが未知の痛みに対する恐怖を堪えきれず、肩を跳ね上げさせ声を上げる。
「そう緊張するでない。
妾は、前王が生きていれば貴様の妃になった女よ。
貴様とて、妾を抱くことを夢見ておったのだろう?
どうだ?
図星ではないか?」
「あ………、う………」
痺れ毒によるものとは別の理由で身体に力が入らない。
なぜ?
理由は分かっている。
股間を摑まれて、抵抗さえ出来ない状態にあるからだ。
こういう時、下手に動こうものなら大怪我をしかねない。
『動くな!』
そう長年の実戦経験がユーキの身体に命令する。
しかし、実戦経験など一切無いリリナは、そしてレオナもメイドたちも『勇者はマ○コを鷲掴みにされてビビった』と理解した。
そしてニヤニヤと笑う。
ユーキの瞳の奥を見つめがら………。

親指をマ○コの縦筋に沿って上下させてユーキの息が漏れるのを聞きながら、リリナは目の前のTSビッチが馬鹿か否か確認した。
「この国で、性転換した人間がどういう扱いを受けるか理解しておるな?」
ここまで城の中を歩けば、国民がどういう目でTSビッチを見るか理解できないはずがない。
ただしそれは、現状を確認しようとする意識が必要だ。
現状を確認しようともしない人間は馬鹿。
リリナはそう考えている。
「………はい。
皆、蔑んでいまし…た」
自分を罠に嵌め、差別されるTSビッチに変えた元凶であっても、女王は女王。
自分の生まれ故郷の国主である。
ユーキは自分なりの愛国精神と正義に基づいて、女王に敬語を使った。
しかし、これもまたリリナやレオナ、そしてその場にいるメイドたちが『リリナに敬語を使ったのは、自らが最も身分の低いTSビッチであることを認めたため』と捉えたのだから、始末が悪い。
しかしユーキはその誤解に気がついていないし、よしんば気がついたとしても誤解を解く方法も無い。『TSビッチとしての自分を一度は認めておきながら、撤回を試みる優柔不断なTSビッチ』として処理されるだけだ。
「ふむ。状況は良くないと分かっているな。
上等上等。
では次に問うがの。
貴様はなぜ乳首を勃てておる?
国主の前で、慇懃無礼だとは感じぬのか?」
眉間に少し力が入った怒りの表情でユーキの瞳を見つめるリリナとは対照的に、意地悪げにニヤニヤと笑うレオナは、茶化した口調で主の言葉に続いた。
「あれ!?
本当だ。
ほら吹き勇者。
貴様、乳首が勃っているぞ?
まさか貴様、ここに来るまで衆目にTSビッチの身体を晒されて、感じてしまったのではないか?」
ここであえて再度記しておくが、透け透けシースルーの胸部分の布は着ているだけで乳首が擦れる。
無防備な女の乳首にだ。
歩を進めれば、なお強く擦れる。
しかもそれが衆目に晒された状態…、恥ずかしい衣装のまま女にされた身体を視姦されれば、嫌でも勃起せざるを得ない。
これは刺激に対して、正常な肉体の反応だ。
しかし、そうは認めたくない生き物がいる。
“男”という生き物だ。
人一倍男性としての誇りが強い屈強な勇者であれば、尚更。
乳首の勃起など認められぬ。
しかしそう思えば思うほど華奢で小さな身体のリリナや、身体こそ引き締まっているもののあどけない剣を振るうレオナの視線が刺さるように痛い。
身体が火照ってしまう。
頬まで熱がこみ上げてしまう。
ユーキは熱く火照った顔のまま、せめてリリナが自分の乳首を見ていることから視線を外そうと中空に顔を逸らすと、リリナはさも可笑しそうに笑った。
「その表情…。
初心な生娘の反応と同じじゃぞ。
気がついておるのか?」
リリナの言葉に、ますます身体の火照りが強くなる。
心臓が強く脈打ち、脳に熱がこもる。
いつの間にか、ユーキの内股は愛液でぐっしょりと濡れていた。
「んん〜?
蒸れるのか?
股間が”汗まみれ”じゃ。
自称、魔王を打ち倒し勇者よ。
スカートを捲くって良いぞ。
妾が特別に許可を与えよう。
スカートを両手で捲って、ヒラヒラとさせてみよ。
汗がすぐに引くぞ?
んん?
蒸れた内股を、清らかなる妾の中庭に晒すのじゃ。
少しでも早く汗が引くように足を開け。
内股では何時まで経っても、汗が引かんからのう。
大股とは言わん。
うぬはまだまだ初心な生娘だからの。
肩幅に足を開くが良い。
結果として、何が起ころうとも………の」
リリナはそう言うと股間から手を離し、メイドに向けて手を伸ばした。
無論メイドはタオルで女王の手に付いたユーキの愛液を拭う。
レオナはあえて「これは愛液です。このTSビッチは恥を感じるあまり、逝ってしまったようです」と修正しなかった。
主はそれが何なのか分かっていて『汗』としたのだ。
親衛隊長如きが口を挟むものではない。
むしろ粘着性の高すぎる”汗”の方が、いろいろな意味で笑える。
逝かせるのは、もっと後だ。
自分の”アレ”で逝かせても良し!
大観衆の前で、逝くまでオナニーさせても良し!
女王陛下がピンヒールをマ○コに突き刺して、ブザマに逝かせても良し!
女として初めて逝った、という経験はもっと大きな舞台を用意すべきなのだ。
何しろせっかくの『処女』なのだから。
「クスクス。
パンツの紐が緩〜いTSビッチは、パンツがずり下がっちゃうかも知れないな〜。
でぇもぉ〜………!
国主たるリリナ女王陛下のご命令では、逆らうわけにはいかんな〜〜」
レオナが目尻を下げ繭を八の字にして、小馬鹿にしたように笑いながら言う。
あまり賢くないメイドたちも今からTSビッチに何が起こるか分かったらしい。
口に手を当て、少し顎を引いて盗み見るようにユーキを見つめている。
一方ユーキは身体の火照りが脳髄まで焼いたのか、感情が溢れ出してコントロールできなくなってしまった。
涙が頬を撫でて落ちてゆく。
気がつくと命令通りにスカートをまくり上げ、足を申し訳程度に開いて立っていた。
イチゴパンツがズルズルと誰の指示もなく、誰かが下ろしたわけでもないのに、勝手にユーキの膝上まで降りてゆく。
まるで晒さなければならない物があるという使命感に導かれるが如く。
「ぷっ」
「ふむ。
下着の方は、うぬと違って妾の思いを汲んで、自ら行動できるようじゃな。
ほら吹きとはえらい違いじゃ。
うぬもイチゴパンツを見習うようにな。
TSビッチの勇者よ」
ユーキは屈辱のあまり返事が出来なかった。
なんとか頷くだけが精一杯だった。
剥き出しになって外気に晒され鳥肌が立ち、ぷるんと揺れるユーキの女尻をリリナは平手でピシャンと叩いた。
頷くだけの返答しか出来な勝ったことへの罰なのだろう。
「パンツ以下の働きしか出来ない勇者ちゃん♪
女王陛下の御命令は忘れちゃったのかな〜?」
馬鹿な子供を扱う口調でレオナはそう言うと、ユーキの手首を掴んで左右に揺らす。
スカートがひらひらと揺れ、自然とユーキの股間に全員の意識が集中する。
「ふむ。
イチゴパンツにも劣る脳みそしか無いのか。
いや、そもそもパンツに脳はない。
うぬは頭の中が空っぽのようじゃな。
ビッチと呼ばれても致し方あるまい。
ん?
レオナ、妙なことに気が付かんか?」
「は。
やはりこの………。
小さ過ぎるおマ○コでしょうか」
「うむ。
ほら吹き勇者は、マ○コが小さくなるのかのう?
これでは、お子ちゃまのチ○コしか入らんぞ?」
ユーキの涙が火照りの温度を含んで頬に伝う。
心を焦がすほどの恥辱は観衆と当人の感情に熱を生む。
ユーキはお子ちゃまチ○コを想像し、自分がそれを『女』として咥え、マ○コを力任せに犯されている所を想像してしまったのだ。
それも相手はお子ちゃまチ○コを持っているような相応の相手。
例えば女王のように背丈が低い、華奢な相手だ。
そういう相手に奉仕し、犯され、喘ぐ自分を想像して………、余計に火照りは強くなってしまった。
「おいおい。
エロい妄想してんじゃねぇよ。このビッチが!
しかし陛下。
このマ○コでは………問題ですねぇ」
「問題じゃのう。
男のチ○コを受け入れることも出来ないようなTSビッチは役立たずに過ぎん」
クスクスとユーキを挟んで嘲笑う女王と親衛隊長。そしてメイドたち。
すると、一人のメイドが貴重な鉱石を削って作られた定規を裾から取り出し、レオナに手渡した。
「割れ目のサイズは………、3センチか。
やはり相当小さいですね。
普通は6〜7センチ程ですから。
平均以下です。陛下」
「はっ!平均以下じゃとっ!!!」
『平均以下』
この言葉が重くユーキに響く。
何をやっても人の倍以上出来が良かった彼だ。
戦闘訓練も、魔法も、勉学も、全て人の倍以上出来た。
平均など気にしたこともない程に出来が良かった。
「他の人間を気にしたらかえって成績が落ちる。だから、自分は自分と思って努力しなさい」
そう言われ続けた人生だった。
事実結果として魔王まで打ち倒したのだ。
他を圧倒する自らのスペックを男として心から誇りに思っていた。
しかし今は女の体でしかも差別される身分。マ○コはミニサイズ。平均以下。普通の半分程度。
今まで女性のマ○コサイズなど気にもかけたことなど無かったが、まさかお子ちゃまチ○コしか受け入れられないと言われると、プライドもへったくれもない。
「落ち込んでおるのぉ。
身分を思い知るということはTSビッチに必要なことじゃが………。
女としての悦びを覚えられんのは、ややもすると可哀相じゃ。
おお、そうじゃ!
レオナよ。この処女マ○コのサイズを記録しておけ。
妾がこのTSビッチを肉体改造して、豚トロル(最も醜悪なモンスターの一種。チ○コが極太極大であることでも知られる)のチ○コが受け入れられるまで拡張してやる。
何、気にするでないぞ。
自称…勇者よ。
女は身内の成長を尊ぶものじゃ。
妾も例外ではない。
今日よりマ○コ拡張に励むが良い。
マ○コが豚トロルのチ○コを受け入れられるようになった暁には、奴らの巣にでも売り飛ばしてやろう。
豚トロルの精液は臭いらしいぞ?
楽しみじゃのう?
んん?」
「良かったな!
マ○コがガッバガバに拡張できたら、奴隷として売られることになったぞ?
貴様が売れたら、城の収入になる。
少しは役に立てそうじゃないか!
どうした?
もっと嬉しそうな顔で笑えよ。変態」
「あははははははははははは!!!」
「はっはっはっはっはっはっはっ!」

活楽に笑う二人を前にして、ユーキは乾いた笑いを浮かべることしか出来なかった。



「どれどれ?
まだ当分”汗”は引きそうにないのぉ。
これっ!
もっとヒラヒラさせんか!
スカートのヒラヒラが足りんっ!
良いかっ!?
そのマ○コから太ももに伝う大量の白い”汗”が完全に引くまでこのまま、此処でスカートをヒラヒラさせておれ!
パンツを上げることも、休憩を取ることも許さん!
移動などもっての他じゃ!
時折、レオナかメイドにでも確認に来させる。
その時、カピカピになっていたらいかんぞ?
綺麗に汗が引くまでヒラヒラじゃ!
良いなっ!?」
ユーキはまさか自分から「これは愛液です。申し訳ありません。女王陛下。陛下の御前で逝ってしまいました」とは言えず、泣きながら
「はい!分かりました。陛下」
と答えた。
レオナは定規でペチペチとユーキの剥き出しの女尻を叩くと、
「では陛下。公務のお時間です」
と告げて、女王の3歩後ろを歩く。
メイドたちもそれに続いた。

そして取り残されたユーキは、命令通りにスカートをヒラヒラさせ続けた。
あるいは馬鹿げたことと割り切って、さっさと止めるという選択肢もあったはずだ。
しかし、ユーキはそれを選べなかった。
理由は簡単である。
勇者になる前から国に忠誠を誓っていた。
国主の命令は絶対だった。
狂忠と呼んでも良いレベルにまで、その忠誠心は昇華していた。
たとえ新たな国主が自分より年下で、残酷で、そして自分を辱めるものであっても『絶対なる存在』だった。
痺れ毒はまだ身体の中に多量に残っている。動くのは決して楽とは言えない。しかしそれでも、男だった頃よりもはるかに衰えた筋肉と意志の力で、透け透けスカートを動かし続けた。
ヒラヒラ、ヒラヒラと。
無論、多くのメイドがこの城で働く。メイドだけではない。大臣。事務官。そういった本物のエリート女性たちもだ。
メイドは美しく、可憐で、庇護欲をそそる顔立ちの者だけしか城では働けない。
彼女たちが数人グループ毎に現れては、「勇者様を自称したんでしょう?しかも親衛隊長に負けたんだって。超ダサ〜い」と笑い、キャッキャと騒ぐ。
大臣ほどの人間になると、女王陛下の管理化にあるTSビッチには声をかけずに、無表情でただただ見つめるだけだ。ユーキの性転換後の肉体を隅々まで嘗め回すように観察し、そしてマ○コを見ては(小さ過ぎる)と内心ほくそえむのだ。
事務官はいわゆる官僚の最高位で大臣の下に位置する役職だが、彼女たちは叩き上げの分、大臣よりもさらにエリート意識が強い。しかし、だからこそ女王管理下のTSビッチであっても平気で声をかけるし、手も出す。さすがにメイドのように群れたりはしないが…。
事務官たちは各々、休憩時間に中庭にやってきてはTSビッチの乳首を弄んだ。
引きちぎらんばかりにつねる者。
ユーキの纏う透け透けシースルーの胸部分生地を左右に激しく揺らし、淡いピンク色の乳首を擦る者。
それらの刺激にユーキが声を上げると、耳元で囁くのだ。「男の癖に…女みたいな声を上げるのね。ああ、もう女になったんだっけ?」と。
メイドも大臣も事務官も入れ替わり立ち代りユーキを嬲りに来た。
ユーキは、なぜリリナが自分をここに立たせたのかようやく理解できた。

女にとって、性転換して『女の身体』を手に入れたTSビッチは嗜好品なのだ。
嗜虐を与える格好のターゲット。
愉悦のためだけの存在。

それが女王リリナの意思なのだ。
ユーキは………、従わなければならない。