0章

授業が終わり帰宅する生徒、部活に励む生徒がいる中、女子部室棟の一部でとある催しが行われていた。
この部室棟は女子寮と隣接した設計で、教室は他の教室とは作りが違うだけでなく廊下の扉も厳重に警備されている。
窓ガラスも外部から見えない様に曇りガラスの上にカーテンで完全に遮断している。
催しが行われる場所は普通に使われている部室棟の中でも若干離れている所に位置していた。
中にはどうなっているか疑問に思っている生徒は少なからず存在するが、調べようとする人は誰もいない。
勿論、厳重に秘密を守り外観から中の様子を知られてはならないのには理由があるのだが。
そんな女子部室棟の奥の教室の中に1人の少年が連れられてきた。
「先輩、言われていた子、連れてきました」
ドアからは、背の高い女子2人が女子用の制服を着せられた少年の両手をそれぞれ掴みながら連行する形で入ってきた。
女子制服を着せられているのは、ほぼ女子生徒しかいないエリアで男子用の制服だと目立つ可能性がある為か。
歳の差もあるが2人の女子に比べ少年の方は華奢で、体格の差が歴然であり抵抗しても無駄ということが簡単に分かる。
少年は両手を掴まれたまま、教室の奥で椅子に腰をかけている女子生徒の前まで引かれながら歩かされ膝立ちにされた。
「ありがとう。始めましてじゃなくて久しぶりかな、朝倉光君」
そう言って光と呼ばれる少年の顎を手で取り顔をじっくり見つめるように観察し始める。
彼女、天草奏は女子生徒会の副会長にして部室棟で行われている催しの主催の1人である。
光の顔を見て満足そうに笑みを浮かべる奏に対し、光は今にも泣きそうな目をしながら身体を震わせている。
無理もない。この教室に来るまでに連れてこられた男子生徒達の被虐的な姿を散々見てきたからだ。
鞭で打たれたり、蝋燭責め、吊るされながら性器を弄られる姿、様々であったがここで行われている催しの内容はどれも光の心を痛みつけるのに十分であった。
中には教師と思える人達も混ざって参加していたのが光にとって脅威だった。
そして光がここに連れてこられたのは、数日前の体育の授業で光が使っていたボールが○等科の方まで転がっていったところを通りかかった奏に拾って貰い。
そこで光のことを気に入った奏がここに連れてこさせた訳である。
「こいつ、細いし女っぽい顔だからウィッグとかで誤魔化さなくてもいいから楽でしたよ」
「とりあえず、いつものように裸にひん剥いて吊るしますか?」
押さえつけてる女子の言葉を聞き、道中で見た悲惨な光景が頭の中に浮かび、微かに開いている光の唇が震える。
「んー、この子は……そうね……」
奏が憐れみを求める光の表情をじっくりと観察し、満足した感じで口元が緩んだ。
「悪いけど、この子と2人にさせてくれないかしら?」
「え……それは、いいですけど……」
「珍しいですね。先輩が男子となんて……」
普段眺めているだけが殆どの奏が男子と2人きりになりたいと言ったのが驚き不思議に思う。
それと同時に、調教に参加出来ないことに2人の女子から不満そうな溜息がこぼれる。
わざわざ苦労して光を連れてきたのだから彼女達にとって面白く無いのは当たり前だろう。
「ごめんなさい。変わりになるか分からないけど、前に欲しいって言ってた子の調教頼めるかしら?」
「え? いいんですか? あの子確か他にもやりたいって人が結構居るはずじゃ……」
奏の提案に光を連れてきた2人組は先程とは打って変わって上機嫌になってきた。
「調教の件を会長の方に連絡入れるからその間に手枷とギャグをお願いできるからしら? 服はそのままでいいわ」
2人は、了解の返事をし嫌がる光の両手を後ろに回し手枷で拘束する。
そして乱暴に髪の毛をつかみ無理やり口を開けさせるとボールギャグを押し込んだ。
拘束具をつけ終わる頃には奏の連絡の方も終わった様子だった。
「上の教室で拘束されてるみたいね。それと会長に頼んで1つ教室を開けてもらったわ」
「本当ですか! そこまでしていただいて。ありがとうございます先輩。」
「ふふ、いいのよ。感謝するのは私の方でもあるから。」
奏は2人が上機嫌のまま教室を後にしたのを確認しドアの鍵を掛ける。
今、この教室にいるのは拘束された光と奏だけになった。
「さて、2人きりになったわね。光」
そう言って奏は膝立ち状態の光に近づいてしゃがみ、顎をつかみ顔を上げさせギャグで口が閉じれなくなった顔を晒される。

「光は私のこと知ってるかな? 一応集会とかでも顔出ししてるのだけれど」
コクっと奏に対して光は小さく頷く。もとより知らない人は殆どいない位に会長と副会長は有名な存在であった。
「そう、嬉しいわ。光なら私のことは名前で呼んで構わないわ」
奏は機嫌良さそうに笑うと、顎を掴んだままもう1つの手で光の首筋から肩までを確かめるように撫でた。
「随分と可愛らしい姿になって。少しサイズが大きいけど、似合ってるわ。下着はどうしてるのかしら?」
奏が光の履いているスカートを捲ろうとし光が拒むが、拘束された状態ではまともな抵抗ができるはずがない。
晒された下半身は下着は着けれおらず恐怖の為か縮こまった性器が見えていた。
「あら下着は履いてないのね。……縮こまっちゃって可愛そうに。怖かったのかな?」
顎を押えられ俯くことができない光の顔は恥ずかしさのあまり赤くなり必死に足を閉じ局部を隠そうとする。
その光の可愛らしい仕草に思わず奏の口元がゆるむ。
「じゃれるのも終わりにして、そろそろ私達も楽しみましょうか」
その言葉を聞いて光の表情が青ざめ今にも泣きそうな顔で奏に慈悲を貰おうとする。
「安心しなさい。なるべく痛みがない様にするし光の身体を傷つけるようなことはしないから」
「ほんほう……えふあ?」
上手く喋れない光だったが、奏に意味は伝わった様で「本当よ」と奏が言う。
最低限、酷い仕打ちは避けられそうで少しは安心したが、未だに何をされるのか分からない状況に不安はあった。
「他の生徒のプレイが怖かったのかしら? でもさっきの男の子達は自分から調教されることを望んでいたのよ」
奏の言うとおり、光が見てきた男子達は自ら調教を望んで、そして責められることによって快楽を感じていたのは本当だ。
奏が愛おしげに光の頬を優しく撫でる。
先程、光は顎をつかまれた時には恐怖しか感じなかったが、なぜか今は頬から優しい暖さを感じていた。
「光には別のもっと良い方法で私と楽しみましょう。さぁ、立って」
光はこれから何が行われるか不安であったが、抵抗したところで無駄だと感じ素直に立とうとする。
しかし両手が拘束されているからか、うまくバランスが取れない光を奏が抱える形になった。