ゆとり世代懲罰狂師

体験版 第1話

「始業式を終える前に、少々お時間を頂きたいと思います。バレー部の皆さん、壇上にお上がりください」
「は、はいっ……!?」
ヨタヨタヨタッ……

 萬城第一学園の始業式当日、体育館の中に不穏な空気が漂い始める。
 校長先生に呼ばれるまま、女子バレー部の部員達が壇上に立たされていたのだ。
 整列している生徒達から一斉に浴びせられる視線を思い知らされるあまり、つい背筋をこわばらせずにいられない。
 静まり返った体育館の中は、言うなれば針のむしろだったのだ。

「……すでに皆さんもご存じかもしれませんが、我が校の女子バレーが遠征先で万引きに手を出してしまいました。我が校の名誉が傷ついただけでなく、他の生徒達にも登下校の間にマスコミから質問されたり、世間からおかしな噂を立てられて、非常に迷惑を掛けてしまい、申し訳なく思っております」

 壇上に彼女達を並ばせた後、校長はそっと口を開く。
 女子バレー部が数日前に引き起こした事件を、全校生徒のいる前でこれから振り返ることにしたのだ……遠征に向かった小京都の地方都市で、何と彼女達は後輩達への手土産と称して、油取り紙やキーホルダー等を集団で万引きする事件を起こしてしまったのだ。
 盗んだ品物を返して、部員達に頭を下げさせたにもかかわらず、部員達の引き起こした不祥事を世間は決して許そうとせず、事態を嗅ぎつけたマスコミによって大々的に取り上げられた後だった。
 事態をうまく収められないあまりに、悪い意味で萬城第一学園の名が知れ渡ってしまった後、他の生徒達をどれだけ不安な気持ちにさせてしまっているか、考えるだけで胸を締めつけられずにいられない。

「一体どう言うつもりなんだろうね? あんな事件を起こしておいて、のこのこと私達の前に現れちゃうなんて。一体どう言う神経してるんだろうね?」
「……ねぇ。やっぱり女子バレー部って廃部させられちゃうのかな?」
「そんなの決まってるじゃない。正直言って退学でも足りないくらいなんだから……!」

 校長の言葉に耳を傾けながら、生徒達も口々に文句を浴びせてくる。
 壇上に立ち尽くしている彼女達のせいで、関係ない自分達がどれだけ肩身の狭い思いをさせられているか、当事者のいる前でつい騒がずにいられない。
 萬城第一学園に通っていると言うだけで、自分達も同じような行動を取ってしまうかのように疑われている事態など、あまりに見過ごせそうになかった。
 どこにもぶつけられずにいた積もりに積もった憤りを、目の前に並んでいる部員達に無理にでも思い知らせるつもりでいたのだ。

ヒクヒクヒクッ……
(こんな場所に立たされてるだけでも大変なのに……どうしてみんな、私達のことを少しも許してくれないのよぉ!?)


 思い思いに騒ぎ立てる生徒達に、バレー部の部員達はあっけなく圧倒させられる。
 手を後ろに組んだまま肩をこわばらせて、口々にぶつけられる文句をひたすら受け止めるしかなかった。 
 テレビやネットのニュースで『名門・萬城第一学園女子バレー部、集団万引き!』と言う文字が躍っているのを見るたびに、自分達が引き起こした事件の深刻さを嫌と言うほど痛感させられる。
 教師達に言われるまま一緒に壇上へ並んだまま、彼らから次々と浴びせられる罵声をいつまで堪え続けなければいけないのか、考えるだけで気が重たくてたまらない。

「……皆さん、静かにしてください。一部の者達が起こした不祥事のせいで、どれだけ皆さんが嫌な思いをさせられているのか。私達も痛いほど分かっております。今回の事態を我が校でも重大に受け止め、女子バレー部に特別な措置を与えたいと思います……それでは東剛先生、こちらへお越しください」

 生徒達が思い思いに文句をぶつける中、校長が不意に注意を挟む。
 彼らを一旦黙らせた後、落ち着いた口調のまま話を始める……騒ぎに巻き込まれている彼らに許してもらえるまで、犯した罪を彼女達自信に償わせるつもりでいたのだ。
 一瞬だけ静まり返った壇上へ、舞台袖に控えていた一人の男性教師を招き入れる。

「……校長先生から紹介に上がりました、東剛と申します。不祥事を起こした女子バレー部を再教育するため、萬城第三学園からこちらに赴任いたしました。肩身の狭い思いをさせられている生徒の皆様にも納得してもらえるまで、こいつらを厳しく指導したいと思います……それじゃ早速だが丁度良いい機会だ。少しだけおとなしくしていろ!」

 校長に呼ばれるまま、東剛は壇上の真ん中へと脚を向ける。
 手渡されたマイクを握り締めると、今回の不祥事を受けて萬城第三学園から赴任されたと軽い自己紹介を挟んだ上で、とんでもない事実を口走る……遠征中に引き起こした万引き事件のせいで世間様に迷惑を掛けるだけでなく、多大な迷惑を被っている他の生徒達に納得してもらうまで、長期間に亘って彼女達に罪を償わせるつもりだと言い放つ。
 宣言を済ませた後、壇上に立ち尽くしている彼女達をじっくりと睨みつけてくるのだ。

「そ、そんな。まだ何も言ってないのに……嫌ぁっ!?」
カチッ、スルスルスルッ……

 不意に東剛から仕向けられた行為に、部員達はあっけなく震え上がってしまう。
 いきなり距離を詰めてきたかと思えば、強引にスカートを脱がされてしまった……大勢のいる前なのに、下着姿を暴かれる事態など驚かずにいられない。
 すぐにでも下半身を取り繕わなければいけないのに、すぐ傍にいる東剛の鋭い視線に圧倒させられるあまり、下ろされたスカートを引き上げることすらできそうになかった。
 太くごつい腕に迫られるまま、彼女達は穿いている下着を次々とさらけ出してしまうのだ。

「おい、見て見ろよ……あの先生、いきなりスカートを脱がしちゃったみたいだぞ? それにしてもスゴいお仕置きだな?」
「もう、あんまり見ちゃ可哀想だってば。みんなのいる前なのに、いきなり下着姿にさせられちゃうなんてね……」
「でも良い気味じゃない? あんな事件を起こしておいて、何もお咎めなしだなんて絶対に許せないもん!」

 壇上で繰り広げられている状況に、生徒達は思わず度肝を抜かれていた。
 新しい顧問に就いた東剛の手によってスカートを外されるまま、下着姿を次々とさらけ出す部員達の様子に思わず視線を奪われてしまう……白や薄ピンク色、水色のショーツに包まれている下半身や、スカートを下ろされた途端に顔を赤く染めていく彼女達の表情など、つい注目せずにいられない。
 異性の下着姿に興味を抱いている男子達だけでなく、女子達も面白半分に身を乗り出してくる。
 たとえ惨い行為だと分かっていても、彼女達への同情など微塵も感じられそうになかったのだ。

「あ、あうぅっ……!?」
モジモジモジッ……

 次々に浴びせられる沢山の視線に、部員達はすっかり困り果ててしまう。
 全校生徒の見ている前なのに、制裁と称して強引に下着姿を晒されてしまったのだ。
 耐え難い恥じらいに苛まれるあまり、さらけ出した太股を捩らせずにいられない。
 自分達の立場をこれ以上貶められたくないのに、壇上に立ち尽くしたまま、少しもこの場から逃げられそうになかったのだ……

「……おい。誰が動いて良いと言った? もし反省する気があるなら、ちゃんと姿勢を正せって言ってるんだ!」

 縮み上がっている部員達に、東剛は容赦なく注意をぶつける。
 何度も視線を泳がせながらふらついている彼女達の様子など、決して見過ごせそうになかった。
 さらけ出した下着姿を勝手に隠さないよう、両手を無理にでも後ろに組ませるつもりでいたのだ。
 自らの威厳を思い知らせようと、すぐ傍にいる彼女達に向けてわざと大声を張り上げる。

「ご、ごめんなさいっ……くうぅっ!?」
フルフルフルッ……

 東剛から浴びせられた言葉に、部員達はすぐに怖じ気づいてしまう。
 まるで猛獣が唸っているような声を間近で聞かされて、つい全身をこわばらせずにいられない……周囲の空気が凍りつくほど、骨身にも響くような迫力に圧倒させられていたのだ。
 周囲から続々と向けられる視線など恥ずかしくてたまらないのに、東剛に睨まれるまま、下半身を取り繕うことすら許してもらえそうになかった。
 おかしな行動をもし東剛に気づかれても大変なので、はしたない格好を延々と晒したまま、ひたすら背筋を張り詰めてしまうのだ。

「や、やだっ……!」
シュルシュルッ。


 直立不動の姿勢を崩せないのを良いことに、部員達は東剛の手によって次々とスカートを剥ぎ取られてしまう。
 ホックを外されるまま、露わになる太股を小刻みに震わせる間も、はしたない格好をどうしても取り繕えそうになかった。
 とっさに悲鳴を洩らした後も、突き刺さるような眼光を浴びせられるだけで、あっけなく言葉を遮られてしまう……衆人環視の中、下着姿をさらけ出す状態などあまりに気まずくてたまらない。
 すぐ傍にいる東剛と全校生徒の視線との両方に、彼女達は悩まされていたのだ……

「これで全員分だな。まだおとなしく立ってるんだぞ……それでは準備も整ったところで、これから女子バレー部に科す予定の処遇をこれから説明したいと思います。もしかしたらみんなも期待していたかもしれませんが、廃部も退学もいたしまません。その代わりに犯した罪を許してもらえるまで、こいつらには特別な格好をさせるつもりです……ほら、さっさとこれを回せ!」

 下着姿をさらけ出している部員達を突き出したまま、東剛は平然と演説を始める。
 彼女達に注意をぶつけた後、おかしな宣言を始めたのだ……遠征先で犯罪行為に及んでしまうほど精神がたるんでいる彼女達の態度を改めさせるため、これから厳しく躾けるつもりだと踏まえた上で、手始めにある格好をさせるつもりでいたのだ。
 脚からスカートを引き抜いた後、あらかじめ用意していた衣類を彼女達に差し出して、すぐに脚を通すよう言い放つ。
 罪を償うのに相応しい格好へと成り果てる彼女達の様子を、生徒達とともに見届けるつもりでいたのだ。

「わ、分かりました……うぅっ!」
スルスルスルッ……

 東剛に命じられるまま、部員達は手渡された衣類へと穿き替える。
 紺色の生地を両手で延ばして、恐る恐る両脚を通す間もつい身をこわばらせずにいられない。
 すぐにでも下半身を取り繕いたい反面、もし穿き込んでしまったら最後、東剛の言いなりにさせられると思うだけで、ひとりでに手元が震え上がってしまう。
 あまりにも屈辱的な格好を、これから学校の中で延々と繰り広げなければいけなかったのだ……

「スカートを取り上げられるだけでも恥ずかしくてたまらないのに……あの子達。今度は何をさせられちゃってるのかな?」
「ねぇ、見てよ。何か黒いパンツみたいなのを穿かされてるみたいだけど……あれ、一体何なんだろうね?」
「みんなのいる前なのに、あんな格好なんかにさせられちゃって。あの子達も恥ずかしくないのかな?」

 彼女達が身に着けている衣類に、生徒達は思わず頭を捻ってしまう。
 全体が濃紺色で作られている、まるで下着のような形状をしていた代物の正体がどんな代物なのか、少しも思いつきそうになかった……横の部分に校章の刺繍が縫いつけられている以外はまるでサニタリーショーツやオーバーパンツにも見える、どう見ても紺色の下着にしか思えないような代物を彼女達は穿かされていたのだ。
 たとえ下着姿を晒すよりはマシだとしても、股間やお尻の形状が表面にくっきりと浮かんでいる衣類など、見ているだけで照れくさくてたまらない。

「穿いたらすぐ気をつけをするんだぞ……どうやら着替えも済んだようなので、ちょっと説明を付け加えたいと思います。みんなも見るのは初めてかもしれませんが、こいつらには『ブルマ』と言うものを穿かせています。皆さんはご存じないかもしれませんが、ちょっと前までは体育の授業なんかでも体操着として使われていたものです。こいつらに社会の規律を叩き込むため、今まで穿いていたスカートを没収する代わりに、学校の中ではこいつらにブルマを穿かせたまま過ごしてもらうつもりです……」

 なかなか状況を飲み込めずにいる生徒達のために、東剛は説明を繰り広げていた。
 昨今では体育の授業時もハーフパンツなどを着用しているせいか、きっと彼らも初めて目にする代物のはずだと踏んだ上で、彼女達に穿かせた衣類が『ブルマ』だと言う事実を教え込む。
 未だに不思議そうな視線を向けてくる生徒達へと向けて、これから彼女達には教室で過ごす時や登下校の間もブルマを穿き続けてもらうつもりだと言い放つ。
 部員達から取り上げたばかりのスカートを握り締めたまま、紺色の生地に覆われている彼女達の下半身につい視線を吸い寄せられずにいられない。

「や、やだぁっ……!」
ヒクヒクヒクッ……


 東剛が口々に語り出す言葉の内容に、部員達は思わず言葉を失ってしまう。
 強引にスカートを取り上げられるまま、まさかブルマなどと言う代物を穿いたまま学校生活を送る羽目になるなど思いもしなかった……腰ゴムをおへその位置まで引き上げた途端、分厚い生地が脚の付け根にしつこく食い込んでくる。
 傍にいる東剛がとんでもない持論を繰り広げている間も、つい両脚を震わせずにいられない。
 これから自分達がどんな立場に貶められてしまうのか、興味本位に浴びせられる生徒達の視線から否応なく思い知らされていたのだ。

「あの、先生……本気でこの子達に、こんな格好をずっと続けさせちゃうつもりなんですか?」
「これじゃまるで下着を見せびらかしちゃってるみたいなもんじゃない……?」
「確かに廃部や退学よりはマシかもしれないけど、ちょっとやり過ぎかもしれないよね……?」

 思いも寄らない東剛の言い分に、女子達は思わず耳を疑ってしまう。
 いくら不祥事を引き起こした罰だと言われても、これから下着のような格好のまま学校の中で過ごさせるなど考えられない事態だった。
 彼女達が未だに壇上へ立ち尽くしたまま、太股を小刻みに震わせている様子をつい気にせずにいられない。
 お尻や股間の形状が丸分かりになるような代物だけを穿いたまま、登下校の間にどれだけ好奇の視線に晒されてしまうか、わざわざ身を乗り出している男子達の様子から明らかだった。
 全校生徒の前でいきなりスカートを剥ぎ取られるまま、ブルマなどと言う代物を押しつけられる仕打ちが毎日のように繰り広げられる事態がどれだけ耐え難い状況なのか、彼女達の不安げな視線からありありと痛感させられていたのだ。

「さすがに皆さんも驚いたかもしれませんが、これはほんの一例です。万引きがどれだけ重罪なのかを叩き込むため、どんな方法を用いてでも、こいつらを指導して欲しいと校長から一任されておりますので、今回の不祥事を詫びさせるために体罰も辞さない覚悟です。みんなに迷惑を掛けさせた分、俺の指導でこいつらがどこまで反省してくれるか、しっかりと見守ってやってください……」

 部員達への同情を遮るかのように、東剛は女子達へと説明を付け加える。
 たとえ思春期を迎えた彼女達には酷な内容だとしても、世間様に詫びるためには当然の処遇だと言い放つ……校章を縫いつけた紺色のブルマを着用させることで、反省の気持ちを無理にでも表すつもりでいたのだ。
 男子達と女子達の言い合いによるざわつきがなかなか収まらない中、とんでもない決意を自信満々に語り出す。
 プライバシー権の剥奪や体罰の許可など、彼女達に関する権限の一切を任されていると踏まえた上で、世間ではゆとり世代と呼ばれている彼女達を戒めるため、昔ながらの伝統的な手法で躾けを叩き込むつもりだと口にする。
 彼女達の陥った立場を表すために、校章の刺繍が入った濃紺色のブルマを全校生徒のいる前でわざわざ着用させていたのだ。

(どうしよう……みんなの見ている前で着替えるだけでも恥ずかしかったのに。本当に私達、どんな目に遭わされちゃうんだろう……!?)

 東剛が口々に語り出す言葉の数々に耳を傾ける間も、部員達はあっけなく気持ちを奪われてしまう。
 これから自分達がどんな目に遭わされてしまうか、初日にもかかわらず嫌と言うほど思い知らされていたのだ……全校生徒の前で下着姿を暴かれるだけでなく、今まで脚を通したことすらなかった、ブルマなどと言う代物の着用まで義務付けられてしまったのだ。
 生徒達も顔を見合わせる中、紺色の生地から伸ばした両脚を捩らせずにいられない。
 表面から浮かび上がる下半身の形状や太股をさらけ出している状態など、どれほどブルマの着用が恥ずかしい行為なのかをありありと痛感させられる。
 すぐにでも逃げ出したくてたまらないのに、舞台袖に引っ込むどころか、東剛に言われるまま延々とはしたない格好を続けなければいけない事態など、あまりに気が重たくてたまらなかった。
 新しい顧問に就いた東剛に迫られるまま、これから自分達がどんな扱いを強いられてしまうのか、言い表しようのない不安をどんなに頑張っても拭えそうにないのだ……

ゆとり世代懲罰狂師
目次
ゆとり世代懲罰狂師
第2話