ゆとり世代懲罰狂師

体験版 第2話

「まだ学校も始まってないのに……どんな用で呼び出してきたんだろうね?」
「何も聞かされてないけど……やっぱり、あの事件のせいなのかな?」
「だとしても、いくら何でも引っ張り過ぎだって思わない? ちゃんと万引きしたお土産だって返したはずなのに……」

 全校集会の前日、バレー部員達は体育館へと集まっていた。
 もし顔を出さなければ強制退学させられると電話で聞かされて、休みにもかかわらず仕方なく学校に来ていたのだ……貴重な休みを潰されて、つい戸惑わずにいられない。
 静まり返った体育館の中で顔を合わせたまま、どんな用事で自分達を呼び出したのかと口々に文句をこぼし合っていたのだ。

「……どうやら、お前らが女子バレー部員みたいだな? これから大事な話がある。早くこっちに来るんだ!」

 体育館の片隅にいる彼女達の元へと、不意に誰かが近づいてきた。
 姿を見せた部員達の姿をじっくりと睨みつけながら、すぐ集合するよう言い放つ。
 不祥事を引き起こした相手だと知った上で、無理にでも言うことを聞かせるつもりでいたのだ。

グイッ。
「い、痛たっ……いきなり乱暴なことしてきて、一体何様なの!?」

 突拍子もなく迫られた行為に、部員達は思わず慌ててしまう。
 見ず知らずの相手がいきなり距離を詰めてきたかと思えば、強引に腕を引っ張られていたのだ。
 太い腕による圧倒的な力強さに、あっけなく言葉を失ってしまう。
 まだ初対面の相手に迫られるまま、どうして乱暴な目に遭わされなければいけないのか、つい悲鳴を撒き散らさずにいられない。

「そんなに慌てなくても良いだろう。彼は東剛先生と言って、女子バレー部の新しい顧問になってもらうために呼んだんだぞ?」
「初対面だからさすがに驚いて当然かもしれないが、君達を厳しく躾けてもらうためにわざわざ来てもらったんだ。これから東剛先生の言うことをしっかりと聞いてもらうからな?」

 もがき続けている部員達の様子を見つめたまま、別の誰かが口を挟んでくる。
 体育館にやってきた彼女達の元に、教頭や校長まで姿を見せてきたのだ……腕を掴んでいる相手が東剛と言う、萬城第三学園から呼び寄せた新しい顧問だと紹介した上で、これから前任に代わってバレー部を指導してもらうつもりだと言い放つ。
 いきなり揉めているようだったので、ちゃんと言うことを聞くよう押し迫るのだ。

「校長先生や教頭先生から紹介してもらったとおりだ。これから俺流のやり方でお前達を指導してやる。あんな不祥事も起こした後なんだ、今のうちに覚悟しておくんだな?」

 校長や教頭に促されるまま、東剛はやっと名前を名乗り始めた。
 自分の名前を言い終わった後も、整列させるために腕を掴んだ程度でわめき散らすような態度を戒めようと、じっくりと睨みを利かせてくる。
 遠征中に引き起こした不祥事のせいで脆くも崩れ去った萬城第一学園の名誉を取り戻すため、これから彼女達をしごくつもりでいたのだ。
 他の生徒達に迷惑を掛けた分、これから厳しくしごく必要があるはずだと踏まえた上で、自分の言うことに従うよう押し迫る。

「そ、そんな。まだ私達、何も聞かされてないのに……!?」
「いきなり指導なんて言われてたって……これから私達をどんな目に遭わせるつもりなんですか?」

 東剛の口から次々と明かされる事実に、部員達はすっかり驚かされていた。
 春休みの間じゅう自宅謹慎させられているうちに、まさか顧問が別の人間に変わっているなど思いもしなかった……さらには初対面にもかかわらず乱暴な行為を働くような人間に、これから付き従わないといけないらしい。
 これから具体的に何をさせるつもりかと尋ねる間も、思わず言葉を詰まらせてしまう。
 しっかりと掴まれた腕を振りほどくどころか威圧的な態度に気圧されるまま、何もまともに言い返せそうになかったのだ……

「そんなに気になるなら、たっぷり聞かせてやらないといかんな……まずは始業式にみんなのいる前で、これに穿き替えてもらおうか。当然、どんな下着を穿いているかを大勢の前で見せびらかすことになるが、みんなの前で示しをつけるためだから無理にでも我慢してもらう。お前らの誠意、しっかりと見せてもらうからな?」

 うろたえている部員達を相手に、東剛はとんでもない行為を押し迫る。
 あらかじめ用意していた衣類を彼女達に手渡しながら、明日に控える始業式に繰り広げる予定だった行為を平然と語り出す……全校生徒達の待ち構える壇上へと一斉に並ばせた後、全校生徒の前でブルマに穿き替えてもらうつもりだと言い放つ。
 たとえ人前で下着姿を晒す羽目になっても、他の生徒達に迷惑を掛けたことへの示しをつけさせるつもりでいたのだ。

「そ、そんな……いくら何でもあんまりです! みんなの見ている前で、下着姿なんて絶対に見せられないのに……!?」
「確かそれってブルマなんですよね……こんな恥ずかしいものなんて、人前で絶対に穿けません!」

 あまりに理不尽な行為の内容に、部員達は言葉を失ってしまう。
 校章の入ったブルマを手渡されるまま、まさか始業式の間に着替える羽目になるなど思いもしなかった。
 時代遅れな代物に脚を通すだけでも考えられないのに、大勢の前で下着姿をさらけ出してしまうなど、想像するだけで恥ずかしくてたまらない。
 いくら罪を償うためだと東剛に詰め寄られても、決して受け入れられそうになかったのだ。

「い、一体どう言うつもりなのさ! まだ初対面だって言うのに、いきなり私達に命令してくるなんて……うぐっ!?」
バチンッ!


 東剛に抗議をしていた矢先、部員の一人である倉木 雛香はとんでもない目に遭わされていた。
 あまりにセクハラまがいな行為だと文句をぶつけた途端、いきなり頬にビンタを浴びせられていたのだ。
 堅い平手で思いっ切り頬を張られた拍子に、あっけなく言葉を遮られてしまう。
 何としても抗議を続けなければいけないはずなのに、強烈な一撃に全身が慄くあまり、東剛のいる方向をなかなか振り向けそうになかったのだ。

「あ、あうぅっ……!?」
ワナワナワナッ……


 東剛の手で力任せに頬をぶたれた挙げ句、雛香はあっけなく崩れ落ちてしまう。
 尻餅をついた後もなかなか体勢を立て直せず、つい両脚を震わせずにいられない。
 あまりに理不尽な行為を何としても跳ね除けたかっただけなのに、まさか暴力まで振るわれるなどあまりに予想外だった。
 床にへたり込んだまま、平手を張られたばかりの頬を押さえ込んだまま、ただでさえ小さな身体がますます縮み上がってしまうのだ。

「ひ、雛香ちゃん。大丈夫!?」
「いきなり顔を殴っちゃうなんて……いくら何でも酷過ぎます!」

 なかなか立ち上がろうとしない雛香へと駆け寄りながら、周りにいる部員達はそっと言葉を投げ掛ける。
 目の前で繰り広げられた突然の出来事に、あっけなく言葉を失っていたのだ……まさか新しい顧問だと名乗ったばかりの相手が、まさか自分達に暴力を振るってくるなど思いもしなかった。
 その場にうずくまっている雛香の様子を窺う間も、つい心配でたまらない。
 両手で押さえ込んでいる指の隙間から、勢い良く叩かれた頬が赤く腫れ上がっているのが見え隠れしていたのだ。

「黙れっ! お前らの方こそ、一体どう言うつもりなんだ! 顧問の俺に口答えばかりしているから痛い目に遭うんだ! 少しは自分達が置かれている立場ってもんをわきまえたらどうなんだ!」

 雛香の元に集まる部員達に、東剛はさらに暴言をぶつける。
 不祥事を引き起こした仕打ちすら嫌がる彼女達を戒めようと、自ら制裁を下したにもかかわらず、未だに文句をこぼそうとする態度など決して見過ごせそうになかった。
 たった一発のビンタ程度で騒ぎ出すほど、己の立場すら理解しようとしない部員達への苛立ちが沸々と湧き上がってくる。
 ついには大声を張り上げながら、縮み上がっている雛香を容赦なく睨みつけてくるのだ。

「あ、あうぅっ……ぐすっ、えうぅっ……!?」
カクカクカクッ、ショワショワショワッ……


 東剛から向けられる異様な気迫に怯えるあまり、雛香はとんでもない現象を引き起こしてしまう。
 小刻みに下半身を震わせるまま、生温かい液体を次々と溢れさせていたのだ。
 ショーツの内側を次々と駆け巡ってくる代物の感触を思い知らされて、ついうろたえずにいられない。
 なかなか状況を飲み込めずにいる間も、ひとりでに零れ出した液体によって徐々に下半身が浸ってしまうのだ……

チョボチョボチョボッ、ジュクジュクジュクッ。
(どうしてなの……顔を殴られただけなのに、勝手にオシッコが出てきちゃうなんて……!?)

 思いも寄らない拍子にしでかした失禁に、雛香はすっかり困り果ててしまう。
 おかしな身震いを引き起こすのに任せて、大事な部分から次々とオシッコが溢れ出してくるのだ……股間だけでなくお尻にも広がってくる、生温かい液体の感触をつい意識せずにいられない。
 赤の他人から理不尽に暴力を振るわれたせいで、ここまで弱り果ててしまうなど思いもしなかった。
 ついには足の付け根や太股にも生温かい感触が押し寄せてきているのに、未だに膀胱が緩んだまま、次々とオシッコを零し続けてしまうのだ……

「い、嫌ぁっ……! お願いだから止まってってばぁ……!?」
ゾクゾクゾクッ、ピチャピチャピチャッ……

 下半身に繰り広げられた事態に思い悩むあまり、雛香はついに取り乱してしまう。
 いきなり頬をぶたれるまま、人前で粗相をしでかすなど未だに気持ちが受け入れられそうになかった。
 未だに頬の辺りで響いている痛みや、尻餅をついた部分に広がる液体の感触など、あまりに情けなくてたまらない。
 すぐにでも身を取り繕わなければいけないはずなのに、目の前にいる男の気配を意識させられるだけで、ひとりでに全身が縮み上がってしまうのだ。

「雛香ちゃん、痛くない? ……どうしよう、こんなにオシッコが漏れちゃってる。いきなり殴られちゃったから、きっと痛くてたまらないんだよね?」
「も、もうお願いですから。雛香ちゃんをもう酷い目に遭わせないでくださいっ……!」

 落ち着きを失っている雛香に、部員達はますます心配を寄せていた。
 恐る恐る雛香の様子を覗き込むと、スカートの奥底から続々と液体が溢れ出る様子が目に飛び込んでくる……頬をぶたれた拍子にオシッコを漏らしてしまったと気づいて、思わず胸を締めつけられてしまう。
 暗い染みを段々と滲ませるスカートの表面を見つめたまま、思いっ切りビンタを食らった拍子にその場へと崩れ落ちて、失禁まで引き起こしても仕方がないと痛感させられる。
 その場にうずくまったまま泣き伏せて、オシッコを延々と垂れ流す雛香の姿など、見ているだけでも辛くてたまらなかった。

「まったく、たった一発ビンタした程度で本当に騒ぎ過ぎじゃないか。俺に口答えをしたお前らが悪いはずだって言うのに。いくら女子だからって言っても軟弱過ぎるぞ……おい、ふざけるのもいい加減にしろよ。こっちはお前のうそ泣きにウンザリさせられてるんだ。いい加減泣き止んだらどうなんだ?」

 言葉を失っている部員達に、東剛は平然と割り込んでくる。
 たかがビンタを一発食らった程度で粗相をしでかすなど、精神がたるんでいる証拠だと嘲笑ってきたのだ。
 なかなか立ち上がろうとしない雛香をじっと睨みつけながら、すぐに腰を持ち上げるよう言い放つ。
 自らの威厳を部員達に知らしめるため、生意気な口答えを繰り返していた雛香を無理にでも付き従わせるつもりでいたのだ。

「そ、そんな言い方って……いくら何でもあんまりです!」
「雛香ちゃんのほっぺ、こんなに腫れちゃってるんですよ? もし顔に傷でもついちゃったら、どうするつもりなんですか!?」

 東剛のとんでもない言い分に、部員達は思わず耳を疑ってしまう。
 自分達の気持ちを少しも顧みようとしない、あまりに傍若無人な東剛の振る舞いなど、決して気持ちが受け入れられそうになかった。
 ただでさえ惨めな状態に追いやられているのに、雛香をいたずらに責め立てるような真似などしないで欲しいと訴える。
 これ以上乱暴な目に遭わされないよう、何としても雛香を庇うつもりでいたのだ。

「生意気なこと言ってるんじゃない! こんな程度で音を上げてるお前らの方こそ、情けないと思わないのかっ!」

 口々に文句をこぼす部員達を、東剛は強引に黙らせる。
 すぐ傍にいるのも構わず、わざわざ大声で彼女達に怒鳴り散らしてしまう。
 顧問に逆らった戒めを与えただけなのに、いちいち騒ぎ立てる素振りなど決して認められるわけがなかったのだ。

「あうぅっ……!」
ヒクヒクヒクッ。

 東剛の声に驚くあまり、部員達はあっけなく黙り込んでしまう。
 とっさに口を噤んだ後も、東剛がじっと睨んでくるのに気づいて、つい背筋をこわばらせずにいられない。
 何とかして雛香を助けなければいけないはずなのに、もし下手に逆らってしまえば、自分達も同じような目に遭わされてしまうかも分からなかった。
 いつ何かの拍子に暴力を振るってくるかも分からない東剛の気迫を、とんでもない形で痛感させられていたのだ。

「もし未だに理解できてないようなら、俺が無理にでも分からせてやる。お前達が遠征中に万引きしたせいで、全校生徒が肩身の狭い思いをさせられているのをまだ理解できないのか? まさか、たった一発のビンタ程度で許してもらえるなんて甘い考え、まだ持ってるんじゃないだろうな……!」

 肩をこわばらせている部員達を相手に、東剛はさらに演説を続ける。
 やっと意見を聞き入れる準備ができたようなので、彼女達自身が招いた状況を教え込むことにしたのだ……取り返しのつかない事態を招いた後、たとえ体罰を受けても当然な身分にすら陥っているはずだと言い放つ。
 さりげなく部員達の様子を見据える間も、どんな方法で罪を償わせようかと考えずにいられない。

「おい、倉木。お前が確か言い出しっぺだったはずだよな? 本来なら学校を追い出されてもおかしくないはずなのに、こんなに髪を飾って、どうやら少しも反省できてないみたいだな。校則違反をした罰をきっちり受けてもらうから、おとなしくしているんだぞ……!」
グイッ。

 崩れ落ちている雛香の元へと立ちはだかりながら、東剛はさりげなく注意をぶつける。
 髪を左右に結わえている髪飾りが目に飛び込んできたので、とんでもない方法を使って雛香に制裁を下すつもりでいたのだ。
 遠征先で万引きを持ち掛けた、言わば主犯格だと踏まえた上で、校則に違反した髪型を無理にでも正す必要があると言い放つ。

「お、お願いだから離してってば、あうぅっ!?」
ジョキッ……


 いきなり東剛から仕向けられた行為に、雛香は思わず言葉を失ってしまう。
 結わえている髪を強引に掴まれたかと思えば、別の音が耳に飛び込んでくる。
 恐る恐る東剛の様子を窺っていた矢先、とんでもない代物が視界に飛び込んでくる……朝にセットしたはずの髪が、ヘアゴムごと根本から切り刻まれていたのだ。
 手元に握り締められたハサミも視界に飛び込んできて、つい目を疑わずにいられない。

「や、やだっ……! もしかして私、髪を切られちゃったの……!?」
ブルブルブルッ……


 気づいたら陥ってしまった状況に、雛香はまたしても茫然とさせられていた。
 東剛にハサミを突きつけられるまま、結わえている髪を切られてしまったらしい……先ほど思いっ切り引っ張られていた部分が、どうして頭から切り離されてしまったのか、どんなに考えても納得できそうになかった。
 感情に任せて悲鳴を洩らす間も、結んでいた部分の感覚を少しも確かめられない事実を否応なく思い知らされる。
 頬をぶたれるだけでなく、髪まで強引に引き千切られる事態など、あまりに気持ちが受け入れられそうになかったのだ。

「ひ、雛香ちゃん……!?」

 ほんのわずかな時間に繰り広げられた行為に、部員達も思わず視線を奪われてしまう。
 いきなり髪を掴んだかと思えば、ズボンからハサミを取り出して、根本から容赦なく切り裂かれてしまうなど考えられない事態だった。
 根本から取り除かれた髪と雛香の怯え切った表情を交互に見つめたまま、つい焦らずにいられない。
 どうやら本人も驚かずにいられないらしく、頬を震わせたまま放心状態になっている雛香にどんな言葉を掛ければ良いのか、少しも思いつきそうになかった。

「これで少しは自分達の身分を思い知ったはずだ。二度と悪さができないよう、俺の手でたっぷりと躾けてやる。どんなに逆らおうとしても、無理にでも従ってもらうつもりだから今のうちに覚悟しておけよ……!」

 部員達の戸惑いをよそに、東剛はとんでもない持論を展開していた。
 遠征先で万引きを繰り返すような輩には当然の処遇だと言い切った上で、新しい顧問に就いた自分の手で彼女達を厳しく躾けるつもりでいたのだ。
 犯した過ちをしっかりと償うために、これからは自分への服従を誓うよう平然と言い放つ。
 たとえ頬を叩かれても髪を切られても、世間に許してもらうためには物足りないはずだと言い張るのだ。

(あんなに可哀想な目に遭わされるだけでも大変なのに。本当に私達、こんな先生なんかの言いなりにならないといけないの……!?)

 あまりに理不尽な東剛の言い分に、部員達はすっかり言葉を失ってしまう。
 いくら世間で大騒ぎになってしまったとしても、自分達の立場をここまで踏み躙られるなどあり得ない事態だった。
 おかしな言い分など、何としても拒まなければいけないはずなのに、傍にいる東剛から睨まれるのを恐れるあまり、あっけなく口を噤んでしまう。
 明日の始業式でとんでもない儀式を繰り広げる約束までさせられた後、これから自分達がどんな目に遭わされてしまうのか、考えるだけで憂鬱でたまらない……

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