体験版 第1話
「ほら、稲美さん! ぐずぐずしてないで、次の病室へ行くわよ!」
「ごめんなさい、婦長。すぐ向かいますから……あうぅっ」
フラフラフラっ……
何度も婦長に叱られながら、
今まで続けていた看護の勉強とは比べものにならない現場の厳しさを、婦長からきつい口調を浴びせられるたびに幾度となく思い知らされる。
つい一ヶ月前に面接を頑張ったおかげか、何とか有名な大学病院で働けるようになったものの、指導に当たる婦長の後をついていくだけで精一杯だったのだ。
(面接も頑張って、何とかこの病院に入れたけど……いくら何でもこんなに厳しいなんて思わなかったよぉ。ずっと婦長のお手伝いばっかり付き合わされてばかりだし……こんなことなら、あんな契約書にサインなんてしなきゃ良かったかな?)
婦長の後をついていく間も、未結はぎこちない素振りを取ってしまう。
看護学校での成績も芳しくなかったものの、どうしてもこの病院で働きたい一心で面接の時に特別な契約を交わしていたのだ……面接官を勤めていた婦長の元で延々と働いている間も、面接の時に浮かべてきた表情を振り返るだけで緊張せずにいられない。
どうやら普段として勤めるだけでなく、別の仕事も与えられるらしいと思い返しながら、看護の仕事すら手一杯な状況でどんな状況が待ち受けているのか、考えるだけで気が重たくてたまらないのだ……
* * * * * *
「ふぅっ、何とか午前中も切り抜けられたわね。それじゃ稲美さん、今のうちに食事を摂っちゃいましょう?」
「は、はいっ!」
午前中の業務をやり遂げた後、婦長は未結を昼食へと誘い出す。
たとえ昼食の間でも、新人看護婦の未結に看護婦としての心得を少しでも教え込むつもりでいたのだ。
未結もすぐ返事を返しながら、恐る恐る婦長の後をついていく。
「ねぇ、稲美さん……点滴を打つ時なんだけど、ちゃんと一回で決めてあげないと患者さんも不安がっちゃうわよ?」
一緒に昼食を摂りながら、婦長は唐突に未結へと話を切り出す。
午前中の業務中に引き起こした不手際をさりげなく振り返りながら、平然と本人へ突きつける。
たとえ新人でも、患者に不快な思いをさせてしまうような事態など決して見過ごせそうになかったのだ。
「ご、ごめんなさい。まだ不慣れなもので……」
婦長からぶつけられた指摘に、未結はあっけなくひるんでしまう。
やっと落ち着いて食事が摂れると思っていた矢先、まさか午前中の出来事を婦長から咎められるなど思いもしなかった。
延々と聞かされる注意の内容に困惑するあまり、あっけなく箸が止まってしまう。
「……ほら、休める時に休んでおかなくっちゃ身体が持たないわよ? 最近お茶にはまってるの、もし良かったら稲美さんも飲んでもらえるかしら?」
思い悩んでばかりいる未結へと、婦長は別の行為を持ち掛ける。
落ち込んでいる様子を目の当たりにさせられて、さすがに説教が過ぎてしまったと痛感せずにいられない。
少しでも未結に落ち着いてもらおうと、水筒に入れておいたお茶を味見してみるよう誘い出していたのだ。
「あ、ありがとうございます……」
コクッ、コクッ、コクッ……
婦長に薦められるまま、未結はそっとお茶に口をつける。
やっと説教が終わったので、今のうちに緊張を解すつもりでいたのだ……カップを両手で持ち上げる間も、つい手元を震わせずにいられない。
お茶を飲み込む間も目の前にいる婦長の視線に気を取られるあまり、口の中に広がる香りや味わいを確かめる余裕すら保てそうになかったのだ。
「……あらやだ、もうそろそろ午後の診療に向かわなくっちゃ。ほら稲美さん、すぐ飲み干してもらえるかしら?」
カップを少しずつ傾ける未結の様子を見届ける間も、婦長は時計の針を気にしていた。
未結への説教が思いの外長引いてしまったせいか、気づいたら休憩時間が終わってしまったらしい。
あまり時間もないので、すぐ午後の勤務への準備を整えるよう口にする……
* * * * * *
「体調も昨日よりは落ち着いているみたいですね……それじゃ稲美さん、ちょっとお熱を計ってもらえるかしら?」
午前に引き続けて午後の勤務中も、婦長は未結とともに病室へと向かい出す。
たとえ勤務初日で慣れなくても、今のうちに一日の勤務を身体で覚えさせるつもりでいたのだ。
患者の様態をじっくりと見据えた後、自分の代わりに看護してみるよう言い放つ。
「は、はいっ……うぅっ!?」
ヒクヒクヒクッ。
婦長に言われるまま看護に当たる間も、未結はあっけなく全身をこわばらせてしまう。
見慣れない病室の雰囲気や、初めて顔を合わせる患者達と対面するだけでも大変な中、別の事態に思い悩まされていたのだ。
とっさに両脚を重ね合わせた後も、つい太股を震わせずにいられない。
恐る恐る返事を返す間も、ひとりでに声が震え上がってしまうのだ……
ゾクゾクゾクッ……
(どうしよう、午後の診療も始まったばかりなのに、もうオシッコしたくなっちゃってきちゃったなんて……!)
下半身に引き起こされた現象に、未結はあっけなく神経を削がれてしまう。
午後の勤務を始めたばかりなのに、寄りにも寄って尿意を催してしまったのだ……膨らみ切った膀胱がひとりでに揺れ動くたびに、あまりに苦しくてたまらない。
まさか患者達の前で情けない格好など見せられそうになかったので、下半身の欲求を懸命に堪えている間も、なかなか身を乗り出せそうになかった。
どうして先ほどの休憩中にトイレへ立ち寄らなかったのか、自ら招いた事態を嫌と言うほど後悔させられていたのだ……
「……あれ、新米さん。もうそろそろ温度計も計り終わってるみたいだよ?」
未結のおかしな仕草に気づいて、患者は何気なく様子を尋ねてくる。
いくら新人でも、あまりにおぼつかない手つきなどつい心配せずにいられない。
少しでも未結の緊張を解そうと、さりげなく助け船を出していたのだ。
「ご、ごめんなさい。ボーっとしてて。すぐ確認しますから……あうぅっ」
モジモジモジッ。
思い掛けない患者の言葉に、未結は思わず呆気に取られてしまう。
下半身の欲求に思い悩まされるあまり、まさか看護が疎かになってしまうなど思いもしなかった。
おかしな素振りをいたずらに疑われないよう気を配る間も、つい腰をくねらせずにいられない。
どう返事を誤魔化せば良いかも分からない中、抱え込んでいる尿意は刻一刻と押し迫ってくるのだ。
「……あの、婦長。ほんのちょっとだけで良いので……おトイレに行かせてもらえませんでしょうか?」
下半身の状態に思い悩むあまり、未結は恐る恐る婦長へと相談を始める。
婦長の耳元へ近づいた後、はしたない頼みごとを口にしていたのだ。
このままだと看護に集中できそうにないので、今のうちにトイレに行かせて欲しいと訴える間もつい言葉を詰まらせてしまう。
はしたない欲求を誰かに明かしてしまうなど、あまりに恥ずかしくてたまらないのだ。
「もう、稲美さんってば。どうして急にそんなこと言ってきちゃうのよ! まだ他の病室も回らなきゃいけないんだから、トイレなんて行ってる暇なんてないわよ!」
未結の悲痛な訴えを、婦長は容赦なく跳ね除ける。
午後の業務も山積みなのに、まさか途中でトイレに抜け出すなどあり得ない事態だった。
どうして休憩中に済ませなかったのかと言い張りながら、看護婦としてあまりに考えられない振る舞いだと立て続けに叱りつけてくる。
「ご、ごめんなさい。変なこと言っちゃって……あうぅっ!」
婦長からぶつけられた言葉に、未結はますます縮み上がってしまう。
トイレに行かせて欲しいと頼んだだけなのに、ここまで婦長に咎められてしまうなど考えもつかなかった。
恐る恐る婦長に頭を下げる間も、つい背筋をこわばらせずにいられない。
何とかトイレに立ち寄る許しを乞おうとした矢先、あっけなく言葉を詰まらせてしまうのだ。
グイッ。
「もうこんな時間になっちゃった。稲美さん、スケジュールが押してるみたいだから急ぐわよ!」
戸惑う未結も構わず、婦長はさらに言葉を続ける。
細い手首をしっかりと掴んだまま、別の病室へ向かうよう言い放つ。
すべての業務をやり遂げるために、トイレに向かう時間すら惜しかったのだ。
「そ、そんなぁ。ちょっと待ってください……くうぅっ!?」
ヨタヨタヨタッ……
婦長の後をついていく間も、未結はたどたどしい足取りを取ってしまう。
下半身に刺激を与えたくないあまりに、なかなか上手く脚を持ち上げられそうになかったのだ。
ただでさえ歩くのも大変な中、婦長に手を引っ張られるまま急かされるのが辛くてたまらない。
通路の途中にトイレもあるはずなのに、少しも脚を踏み入れられそうになかったのだ。
(いくら何でもヒドいよ……ただでさえ初めての仕事で緊張しているのに。どうして患者さんのいる前で、あんな恥ずかしいことを言いふらしちゃうの……?)
婦長とともに病室へ向かう間も、未結はおかしな焦りに苛まれてしまう。
脚を踏み込むたびに衝撃が膀胱へ響くほど、あまり身体も持ちそうにない中、未だにトイレへ立ち寄れそうになかったのだ。
たとえ業務が忙しくても、どうしてトイレにすら行かせてもらえないのかと困惑せずにいられない。
婦長に握られた手を少しも離せないうちに、段々と目的地が近づいてくるのだ……
「さぁ着いたわよ。いつもより遅れ気味なんだから、そろそろ稲美さんにもキビキビ動いてもらわなくちゃね?」
下半身に抱える事情を少しも顧みず、婦長はさりげなく未結へと言葉を交わす。
なかなか自分から歩こうとしない様子をじれったく感じながら、やっとの思いで病室へと辿り着いていたのだ。
未結の細い肩を押しながら、さりげなく病室の中へと向かわせる。
「お、お願いだから少しだけでもトイレに行かせてぇ……あ、あひぃんっ!?」
カクカクカクッ、ビクビクビクンッ!
病室へと脚を踏み入れた矢先、未結はとんでもない現象を引き起こしてしまう。
その場に立ち尽くしたまま、おかしな身震いを引き起こしていたのだ。
とっさに全身をこわばらせようとしても、身体の内側から湧き上がる衝動を少しも抑え切れそうになかった。
ベッドに寝そべっている患者達の様子など、あまりに気まずくてたまらない。
シュルシュルシュルッ、ジュワワッ。
(どうしよう、もう身体が持たなくなっちゃって……勝手にオシッコが出てきちゃってる!?)
下着の内側から続々と広がってくる感覚に、未結はあっけなく意識を奪われてしまう。
抱え込んでいた尿意に屈するまま、ついに失禁をしでかしてしまったのだ……大事な部分から続々と溢れ出る、生温かいオシッコの行方を気にせずにいられない。
股間の周辺にはしたない感触が押し寄せてきたかと思えば、ついにはお尻の方にも回ってきて、下着の内側を縦横無尽に駆け巡ってくる。
すぐにでも粗相を止めなければいけないはずなのに、ひとりでに緩んだ括約筋を少しも引き締められず、膀胱に溜まっていたオシッコを次々と垂れ流してしまうのだ……
「おや、新米さん。そんな所に突っ立ってばかりでどうしたの?」
未結のおかしな様子に気づいて、患者の一人が何気なく話しかけてくる。
婦長に連れられるまま新人看護婦がやってきたかと思えば、その場に立ちすくんだまま縮み上がっていたのだ。
俯いたまま頬を震わせる仕草など、見ているだけで身を案じずにいられない。
「こ、これはその……だ、ダメっ!?」
フルフルフルッ……
恐る恐る患者へと返事を返す間も、未結はなかなか落ち着きを取り戻せそうになかった。
はしたない下半身の状態を取り繕いたいあまりに、両脚を閉ざしたまま腰を引くだけで精一杯だったのだ。
下着の内側で繰り広げられている状況などを、もし周りにいる患者達に知られてしまったらどんな風に騒がれてしまうか、考えることすら怖くてたまらない。
どう事情を明かせば良いかも分からない中、緩んだ部分を少しも引き締められそうになかったのだ。
ショワショワショワッ、ピチャピチャピチャッ……
(どうしよう、オシッコが全然止まらなくなっちゃって……もうパンツの外に溢れちゃってる!)
下半身に引き起こされる事態に、未結はますます追い詰められる。
股間やお尻の辺りへ広がっていたオシッコが、ついには脚の付け根にも漏れ出してきたのだ。
裾部分から零れ出してきた液体の存在など、あまりに気まずくてたまらない。
未だに排尿の勢いを止められない中、しでかした失禁を誤魔化すどころか、はしたない液体で続々と濡れていく下半身をいつ誰かに気づかれてもおかしくなかったのだ……
「お、お願いだから。もう出てこないでってばぁ……ひぅっ、あうぅっ!?」
チョロチョロチョロッ、ポタポタポタッ。
少しも失禁を止められないうちに、未結はさらなる失態を招いてしまう。
患者達の視線を少しでも避けようと腰を引いた途端、ショーツの内側に溜まっていた液体を周囲へと撒き散らしていたのだ。
腰をくねらせる仕草に合わせて続々と零れ出る滴の様子など、つい打ち震えずにいられない。
決して人前では見せられないはずの格好を、寄りにも寄って患者達の前でさらけ出してしまったのだ。
とっさに両膝を閉ざした後も、脚の内側に這い回るオシッコの感触に思わず言葉を失ってしまう。
「おい、あの看護婦さん見てみろよ……あれって、やっぱりオシッコなんだよな?」
「こんな所でオシッコを漏らしちゃうなんて、一体どう言うつもりなんだろうな……」
「まだ新人さんなんだろう? あまり苛めちゃったらさすがに可哀想だよ……うわっ、まだオシッコを出しちゃうつもりなのか?」
思い掛けない未結の姿に、患者達は続々と視線を奪われていた。
婦長とともに新人看護婦が病室へ入ってきたかと思えば、いきなり目の前でオシッコを垂れ流していたのだ……スカートの奥底から続々と溢れ出て、一気に両脚を伝うオシッコの様子など注目せずにいられない。
どうやら本人も恥ずかしがっているらしく、ずっと俯いたまま頬を赤くする様子を見つめるうちに、段々と胸の奥底が熱くなってしまうのだ。
「や、ヤダっ! お願いだから、あんまり見ないでぇ……くうぅっ!」
ピチャピチャピチャッ、ジュクジュクジュクッ……
周りにいる患者達の反応を思い知らされて、未結はますます縮み上がってしまう。
病室で失禁をしでかすまま、初対面の相手にオシッコを垂れ流す様子を見られてしまったなど、あまりに気持ちが受け入れられそうになかった。
これ以上周りに不愉快な思いなどさせたくないのに、少しも排尿を止められない下半身の状態を悔やまずにいられない。
はしたない格好を取り繕うどころか、尿意に任せて次々とオシッコを垂れ流して、さらに濡れてくる下半身を彼らにどう思われているのか、考える余裕すら保てそうにないのだ……
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……い、嫌ぁっ!?」
ワナワナワナッ……
尿意が収まった後も、未結はなかなか落ち着きを取り戻せそうになかった。
ずっと自分を苦しめていた感覚が静まったのと引き替えに、とんでもない格好を人前に晒してしまった……その場に立ち尽くしたまま、つい震え上がらずにいられない。
気づいたら胸の奥底が揺さぶられるまま、弱々しい悲鳴まで張り上げてしまう。
看護婦としてあるまじき行為を、寄りにも寄って患者達のいる病室の中で引き起こしてしまったのだ。
ジトジトジトッ、グシュグシュグシュッ……
(どうしよう……いくら何でも患者さんのいる前で……こんなに沢山オシッコを漏らしちゃったなんて!?)
下半身に作り上げた格好に、未結は思わず目を疑ってしまう。
抱え込んでいた尿意を少しも堪え切れず、ついに人前で失禁をしでかしてしまったのだ……延々と垂れ流した液体が張りついている両脚へ、突き刺さるような視線が容赦なく浴びせられる。
たとえ我慢を続けるのが苦しかったとしても、どうして最後まで持ち堪えられなかったのかと思い悩まずにいられない。
濡れ尽くした下半身を恐る恐る見下ろしたまま、少しも周囲の状況を振り返れそうになかったのだ……
「もう、稲美さんってば! これから患者さんのお世話を手伝ってもらうつもりだったのに、どうしてこんな破廉恥な真似が出来ちゃうのよ! ほら、ちゃんと患者さんに頭を下げなさい!」
途方に暮れている未結へと、婦長がすぐに言葉を切り出す。
突発的に引き起こした未結の粗相に戸惑いながら、すぐに周囲へ詫びるよう言い放つ。
どうやら本人も驚かずにいられないようなので、少しでも落ち着きを取り戻してもらうつもりでいたのだ。
「ふ、婦長……ごめんなさい。私なんかのせいで、皆さんにも迷惑を掛けちゃったみたいで……くうぅっ!?」
ブルブルブルッ……
婦長に急かされるまま、未結は恐る恐る頭を下げていた。
思いも寄らない拍子に引き起こした失禁を患者達へ謝っている間も、つい縮み上がらずにいられない。
はしたない液体が纏わりついている下半身をどれだけ注目させられているか、彼らから向けられるいやらしい視線から嫌と言うほど思い知らされていたのだ。
「まったく、こんな格好じゃ仕事だってこなせそうにないんだから……稲美さん、すぐ後片づけを済ませたいの。ちょっとだけおとなしくしててもらえるかしら?」
背筋を張りつめている未結へと、婦長はさらに言葉を続ける。
このままだと患者達の看護も続けられそうになかったので、下半身の後始末を先に済ませることにしたのだ。
タオルを準備する間も、あまりに非常識な振る舞いをつい咎めずにいられない。
「は、はいっ……きゃんっ!?」
シュルシュルシュルッ、ポタタッ。
婦長に言われるまま、未結はそっと下半身を差し出していた。
恐る恐る返事を返す間も、つい婦長の様子を窺わずにいられない。
まともに業務すらこなせないどころか、下半身の後始末すら他人に任せてしまっている事実をありありと痛感させられていたのだ。
「それにしても、随分たっぷりオシッコを漏らしちゃったみたいね。お尻の方までこんなに濡れちゃって、これじゃもう当分は穿けそうにないわね?」
恥じらう未結も構わず、婦長は着々と粗相の後始末に取り掛かる。
用意したタオルで両脚を拭う間も、スカートの内側から続々と零れ落ちるオシッコの滴が気になってたまらない。
立っている場所にはしたない水溜まりまで広げてしまうほどの量に圧倒されるあまり、後片づけに苦戦させられていたのだ。
「ほ、ホントにごめんなさい……えうぅっ!」
ヒクヒクヒクッ……
婦長の手によって下半身を拭ってもらう間も、未結はますます弱り果ててしまう。
まだ働いて間もないのに、あまりに情けない失態を患者達の前で演じてしまうなど考えられない事態だった。
片脚ずつ持ち上げられながらタオルを押し当てられるうちに、ついには悲鳴まで洩らしてしまう。
ただでさえ恥ずかしくてたまらない中、看護服の裾まで引き上げられて、たっぷりとオシッコが染み込んだショーツまで人目に晒される状況に気持ちが持ち堪えられなくなってしまったのだ。
(まだ初日なのに……どうして患者さんの前なのに、いきなりお漏らしなんてしちゃったの? 婦長にまで迷惑掛けちゃって、これじゃまともに働けそうにないよぉ……!?)
激しい感情に駆られるまま、未結は瞳から熱い液体を次々と滲み出してしまう。
ずっと憧れていた大学病院で看護婦として立派に働くつもりだったのに、まさか初めての勤務中に失禁を引き起こしてしまうなど、どんなに考えても受け入れられそうになかった。
ひたすら下半身を拭っている婦長や未だに視線を向けてくる患者達を相手に、しでかした失態をどう詫びれば良いのか、少しも思いつきそうにないのだ……
「もう、稲美さんってば。泣いちゃってる場合じゃないんだから、とりあえずこれで拭きなさい?」
すっかり泣き崩れている未結の様子に気づいて、婦長はさりげなく話しかける。
初勤務の間に引き起こした粗相が相当堪えているようだと踏まえた上で、何とかして立ち直ってもらうつもりでいたのだ。
患者達にこれ以上心配されても困るので、すぐに泣き止むよう言い寄りながら、用意したハンカチを差し向ける。
「あ、ありがとうございます……う、うぐぅっ!?」
カクカクカクッ……
婦長に薦められるままハンカチを受け取ろうとした矢先、未結はとんでもない状態へと苛まれてしまう。
涙を拭うために手渡されたハンカチで何故か口元を覆われたかと思えば、段々と意識が薄れ始めてきたのだ。
いきなり婦長から迫られた行為を跳ね除ける間もなく、鼻を突くような刺激臭とともに、ひとりでに全身の力が抜け切ってくる……
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