光悦は菫子の弱い場所を探るように小さく細く腰を動かす。女の体が小さく、だがたしかにビクリと震えた。切なく甘い声が溢れていく。痛みは溢れ出る愛液に混じって消えてしまったようだ。菫子は自分が足を男に絡めていることに気づいた。気持ち良い。違う、そこではない、もっと奥を突いて欲しい。菫子は腰を浮かして光悦のものを気持ち良い場所に当たるように誘導する。そう、そこだ。菫子は気持ちよさげに声をあげる。菫子はなぜ痛みがこんなにも早く消えていたのか、なぜ自分がこんなに快楽を感じているのか、なぜ快楽をこんなに求めているのか、そこに思い至らなかった。光悦が先ほど舐めさせた赤い飴玉。あれになにかが入っていたのではないか、そこに思いたれば、菫子はこんなにも素直に乱れはしなかっただろう。
だが、現実には菫子は思考の糸はそこにつながらなかった。光悦のものを受け入れ、気持ちよさげにあえいでいる。体のすべてでもって男に「使ってもらう」喜び。菫子は今まで味わったことのない多幸感にたゆたっていた。子宮の奥から湧き上がる肉欲、心を満たす多幸感、見知らぬ男に純潔を捧げたという異常な現状、シーツに水たまりを作るほどの痴態、すべてが菫子の冷静な思考力を無惨なまでに蝕んでいた。
思考を蝕まれる一方で菫子の膣は、初めてだというのに、男のモノの形やよく張ったカリの形状、どくどくという脈打つ律動、自分がどの場所までそれを咥え込んでいるかということまで知覚していた。菫子にとって、それは必ずしも嫌悪の感情だけを惹起はしなかった。目の前の男は、自分で喜んでくれている、自分を受け入れてくれている。なぜだが分からないが、それはとても好ましいことに思えた。ぐちゅっ、ずぷっ、卑猥な水音が立ち、まだ硬さの残る乙女の肉がこね回される。
女の部分をほじくり返し、大きくはったエラで膣襞の一枚一枚を優しく撫でさすり、女の弱い部分を探りながらそこを刺激してくる。一突きされるごとに悩ましげな甘い声が口から漏れる。自分にこんな声が出せたとは。そう思わせるほど、それは濡れそぼった艶らしい声だった。よだれが一筋、菫子のかわいらしい唇から漏れる。下品だが、それ以上に艶めかしくもあった。
光悦は菫子の唇を奪った。菫子は目を白黒させる。だが光悦は気にせず舌をねじり込み、菫子の歯茎を舐め上げ、舌を絡め取る。菫子は舌を暴れさせ逃れようとするが、下腹に響く身が蕩けていくような律動のたびに思考と動きがとまり、やがて口内を蹂躙されるがままになっていく。嫌悪感は感じるが、女の場所を責められるたびに湧き上がる満足感や幸福感に似た感覚が嫌悪感や抵抗の意思を押し流していく。ぼうっとした頭は男に体のすべてを使われることに喜びを覚えつつあるのを感じていた。光悦は一通り菫子の口を楽しむとすっと離れた。これは小手調べだとでもいうように。一方で光悦の口から解放された菫子は、口内にあった他者のぬくもりを失い、一抹の寂寥感すら感じていた。離された唇の間を淫らにつなぐアーチ、潤んだ瞳。望まぬ相手に処女を散らされたにもかかわらず、菫子の今の姿は完全に、愛欲の虜にされた女のそれであった。

光悦は菫子を完全に屈服させるべき腰の動きを加速させた。女を淫らに狂わせる肉の塊は我が物顔で菫子の中を荒らし回る。光悦の責め方は巧みで変幻自在であった。指を操り女を啼かせたように、剛直も菫子の膣襞1つ1つを撫でさすり、弱点を暴き出し、そこを集中的に責めたて、甘い声を上げさせる。その巧みさは感嘆のレベルにすらあった。そしてその巧技を味わうたび自身の体は、震え、ビリビリとした感覚が走り、甘く熱いものが腰の奥に染み渡っていくような錯覚を覚えた。いまだ抵抗感を感じる精神ですら、その練られた技を認めざるを得なかった。
確かにまだ破瓜の痛みはある。初めて純潔を踏みにじられた時の体が裂けるかと思ったほどの痛みではないが、光悦が中で動くたびにいまだにズキズキとした痛みを感じる。しかしその痛みは圧倒的な快楽の中ではくすんでしまう。ひとさじの赤い痛みを、コップいっぱいの快楽に垂らしたところで、赤みはすぐに消えて分からなくなってしまうのだ。むしろ、それは味の強い香辛料が料理の味を引き立てるように、快楽へのスパイスのようにすら感じられた。
「くぅっ、ふうぅっ。 あっ、はぁぁぁ………」
菫子の口からは甘い声が漏れる。もう抵抗しようという気持ちはほとんど残っていなかった。不本意な形でこの部屋に招かれ、体を自由に弄ばれ、処女すら踏み躙られた。だが、頭はぼんやりと曇り、それらの出来事はひどく昔のどうでも良いことのように思えた。この甘く身を任せてしまいたくなるような快楽の前にはもうそんなことはどうでもよかった。
遠い昔の悪事など誰にでもある。それよりも、目の前にあるこの甘い満足感をいつまでも味わっていたい。それほどまでに菫子の肉体は甘い律動を欲していた。
砂漠の真ん中で遭難し渇きに苦しむ人間に、久しぶりに再会した旧い知人からよく冷えた水を渡されたらどう思うだろうか。かつての出来事を思い出し、それを断るだろうか。そんなことはしないだろう。目の前にあるものを切実に欲している、いまはそれだけがすべてだった。

カチリという音が、菫子の頭の上で響いた。手の戒めが外されたのだ。光悦はもう菫子は抵抗しない、そう判断したのであろう。つまり油断した。反撃のチャンスだった。菫子は自由になった手を動かす。狙うならば非力でも奇襲が狙えて効果が大きい場所。例えば相手の耳。思い切り掴み顔を肘を思い切り叩き込める場所に引きずり出せる。だがそのような意思はとっくに萎えていた。
菫子の自由になった腕は、最初から収まるべき場所であったように男の背中に回された。菫子の精神の屈服の証、抵抗の意思を失い男のなすがままを受け入れるという従属の宣言、まさにそのものだった。メスというものは、一度男にハメられてしまえばあとはもう抵抗すら満足にできないのだ。ましてや、これほどの甘い快楽を味あわされてしまっては。完全に落ちていないとはいえ、それも時間の問題であろう。

「んっ、ふぅっ、あっ、あぁぁっ♪」
菫子の抵抗の意思が溶け落ちたという自分の判断が正しかったと確信した光悦が動きのリズムを変え始めた。光悦は、菫子の膣の躾け方のコツを既に掴んだようだった。
優しくゆっくりとした動きから、メリハリと緩急をつけた動きに変わる。前後への動きをしたかと思えば、奥で亀頭を使ってバイブレーションをかけるような動き、敏感な場所を細かく何度も削るような動き。いずれも菫子にはたまらないほどのメスの快楽をもたらした。腰を「の」の字を描くようにして回転するような動きには、菫子の肉体は腰を浮かせることでその巧みさを称えた。
剛直が蜜壺の中で躍動すれば菫子は派手に腰を跳ねさせ、背筋をピンと、いや折れんばかりに反らせた。肉棒がくにくにと意地悪をするように弱点を責めるように繊細な動きをすれば、続きをねだるように腰をくねらせる。
「ふふふ、菫子さんはここが弱いのですね。」
浅い場所の上側にあるザラザラとした場所、そこをカリでひっかけるようにして特に入念に擦りたててやると、菫子の声は甘すぎるほど蕩けていった。
「ふぁぁっ、あっ…… あっ、そこぉ……」
もう菫子の言葉には、沈黙も抵抗も否定もなかった。男の責めを受け入れたのだ。
調子に乗った光悦の責めは、さらにリズムをつけるように激しさを増していく。菫子は体が飛んでいくような錯覚に襲われ、必死に手で何かに捕まった。菫子が握ったベッドの頭部分の飾り柱がギシギシと耳障りな音を立て菫子の感じている快楽の激しさを代弁した。
腹側の中程にあるぷっくりと充血した部分をペニスが刺激すると菫子は白い喉を無防備に晒しそこが自分の弱点だと光悦に示した。Gスポット、浅いとば口の辺り、膣奥の子宮へとつながる薄壁、光悦の剛直はマーキングするように菫子の中を責めたてそれぞれの場所に膣の支配者が誰かを教え込んでいく。それは表面だけでなく快楽神経を通し、菫子の脳の快楽中枢へと男への支配と屈服、従属快楽を刻み込んで行った。
光悦は再び腰を躍動的に動かし始めた。もう、手加減は不要だと理解したのだろう。菫子はその、叩きつけるような激しささえ愛おしげに受け止め始めた。
人間には、誰しも得手不得手というものがある。同様に感覚にも敏感な場所とそうでない場所がある。それは子種を孕むための神聖な場所である女の秘壺でも変わりはしない。光悦はその敏感な方、それを先ほどまで鉱山技師のように繊細かつ丁寧にそれを探り当てていた。腕の良い技師が書いた鉱山の鉱脈図のように菫子の膣の感じる場所ははっきりと調査され尽くしていた。それらはすべて光悦の頭の中にはっきりと描かれている。そしていまは熟練の鉱夫のようにそれを掘り進みにかかっていた。
光悦が奥をグリグリとつけば、菫子の脚はピンと伸ばされ快楽への感謝を示す。ザラついた天井を亀頭でゴシゴシと擦りあげれば腰が浮き、電気を浴びせられたように激しく不規則な痙攣を始める。光悦が菫子の弱点を責めれば、そのたびに菫子は新しい反応を示した。もう口からは甘い声がリズミカルに漏れ出すだけになっている。光悦がその口を塞げば、菫子は自分から舌を差し出し、その舌が嬲られるとうっとりとした表情を浮かべさえした。

光悦の打ちつけるストロークを心地よさげに受け止めている腰がビクビクと痙攣し始める。絶頂が近いのだ。光悦はさらに腰の動きを速める。
「んはぁっ、ああっ! おぉっ、あっくぅっ、ふうぅぅっ、ぁッ、んあああっ!」
何かを詰まらせたかのような声が菫子の喉から漏れる。激しい快楽を感じている雌そのものの声だ。獣じみたものさえ混じった声ではあるが、菫子の声はむしろ美しく、さらに男の嗜虐心を燃えたてさせる効果さえあった。
光悦が口を塞いだ。
「んんんっ、んぶぅっ!?」
その状態で光悦の腰がラストスパートを始める。ベッドのスプリングがギシギシと激しく軋む。叩きつけるような抽迭はさらに激しさを増す。ばちん、ばちんと肉と肉がぶつかり合う音が響き、ピストンの猛烈さはどう見ても明らかだ。それを受けている菫子にとっては、猛烈どころで済む話ではなかった。気が狂いそうなほどの快楽を強制的に流し込まれ、口を塞がれていなければいまごろ悲鳴じみた嬌声を上げていただろう。
どんな美味な料理でも10人前も20人前も一度に食べることはできない。胃が破裂してしまう。だがこの快楽は明らかに度を超えているにもかかわらず、菫子の快楽神経の許容限度を超えて流し込まれている。神経の限界を超えた刺激は代償として菫子の頭の中の何かを急速に破壊していく。暴力的な奔流が跡形もなく削ぎ落とし、暴力的に作り変えていく。
男の肉杭を美味しそうに頬張り、乱暴なまでの蹂躙を嬉しそうに痙攣しながら受け入れる蜜壺から伝わる快楽の炎は全身を燃やし尽くそうとしている錯覚すら菫子は覚えた。高熱の炎に炙られ、理性や矜持は溶け落ち、純粋な雌としての本能や肉欲のみが残りつつあるのだ。激しいストロークに耐えるためか、あるいは絶頂のどこか空へと飛んでいきそうな感覚に不安を覚えてか、何かに操られるように、菫子の手足は光悦の体に回された。唇は奪われたまま手足でかき抱き、まるで愛しい人を抱きしめるように見える。
「んんんっ、んぶぅっ、ふひゃあぁっ、ぁぁああっ」
ひときわ激しい声が塞がれた口の中から漏れる。仮に口が解放されていたとしても呂律の回らぬ喘ぎ声が漏れただろう。もうそれほど乱れているのだ。この男に支配された少女の若い体は。建前や理性の抵抗などどこかに置き捨ててしまった。いまはただ快楽だけを求めている。
ひどく淫らにくねる腰と、絶頂を催促するようにうねる蜜壺に、光悦がとどめを刺すように、一際重い体重の乗った一撃を加える。
「んんんんんんんんんぅぅぅっ!」
菫子の口からは甘く蕩けたような甘い声が漏れる。ひくひくと痙攣する舌はたちまち光悦の舌にからめ取られるが、もし口が空いていれば部屋中に響くような悲鳴だっただろう。それも仕方がない。女の最も深い部分に、ゴツンという重い衝撃が響いたのだ。女としてもっとも重要な部分、子種を孕むべき神聖な場所、子宮をこうも大胆に突かれては叫ばざるを得ない。その衝撃の大きさを示すように足が高々と掲げられ、つま先はピンと張りつめている。
光悦が口を離す。
「も、もぉ、ゆるひてぇ…… こんなのすごすぎて、限界だから。頭トぶくらいすごすぎて、おかひくなりそうなのぉ……」
涙を目に溜めながら菫子は哀願する。
「ふふふ、限界ですか」
菫子が息を整えているのを待つように光悦は腰の動きを若干緩めている。
「ダメです」
光悦の答えは端的だった。
「そんなこと言われたら、菫子さんのこと、ますます啼かせたくなるに決まっているじゃないですか」
それは死刑宣告のようなものだった。菫子の顔が来るべき絶頂への不安に歪み切る前に、光悦は再び菫子の赤く柔らかい唇を奪った。唇と舌の柔らかさと温かさが心地よい。それからはもう止まらなかった。暴力的な快楽、肉をえぐり、こねまわし、かき混ぜ、我が物顔でペニスを通して光悦は菫子の肉体を支配しようとする。
二つの肉が快楽だけを貪りながら乱れ混じり合う。肉が飛び散り、水音が響き、ベッドが激しく軋み、女のくぐもった嬌声が漏れる。この部屋は視覚的にも聴覚的にもエロスの極致にあるもので満たされていた。
光悦はぢゅるぢゅると唾液を菫子の口へと流し込む。もはや理性のブレーキの効かなくなった菫子はただされるがままにゴクゴクとそれを飲み干す。それをよくできました、というように、光悦の舌が菫子の舌をねぶる。菫子の肉をほじくり回す剛直の動きは激しくなるばかりだ。菫子の腰も無意識ながら負けじとうねるように揺り動かされる。菫子の肉体は理性の制御を離れ、完全に男の所有物になることを受け入れていた。
その掘り返しに、菫子は確実に絶頂へと近づいていった。山の高みへと確実に登るように、死刑台をの階段を踏みしめるように、やがて待ち受ける恍惚に期待すら抱いていた。光悦はそれを察したのか腰の動きを変える。標的を変えたのだ。菫子のもっとも大事な部分。女の奥深くにある、重要な場所、子宮へと。
ゴツッ、ずぶっ、ゴツン、ずぶぶっ、亀頭を打ち付け、押し付けるように、あるいは先端でバイブレーションをかけるように。何度も攻め方を変えながら女の場所を執拗に責めたてる。女としてたまらぬ幸福感を伴った快感が走り、菫子の肉体は快楽に打ち震える。女のもっとも重要で神聖な場所を責められる。女としてこれ以上の幸福があるだろうか。
肉をほじくり回すペニスによってほじくり回され、耕され、菫子の穴は男のチンポ専用の形に、男を受け入れる肉の穴へと作りかえられていく。
奥を無茶苦茶に突かれながら菫子はついに絶頂した。つい先ほど処女だった女は、純潔を捧げた剛直に子宮口を突かれながらついに絶頂を迎えた。子宮口をその場所を直撃した、特に重く深い一撃がそれを後押しした。
菫子の絶頂直前の研ぎ澄まされた感覚は多くのものを捉えていた。全身の毛穴が開くような感覚。汗が噴き出していく感覚。電撃のようなものが背筋を走り抜けていく感覚。光悦の瞳に映った自分の表情すら知覚することができた。快楽にとろけたメスそのものの表情、今まで見たこともないほど蕩けた表情をしていた。絶頂の快楽が刹那のタイムラグを経て脳に知覚される。
「あはぁぁぁぁぁああああああああああああっ!!」
男に組み敷かれ、純潔を奪った怒張に貫かれ、子宮を突かれながら菫子は激しい絶頂を迎えた。背が弓のように反り返り、腰が激しく痙攣し、愛液が噴水のように吹き出す。蜜壺は痛いほどギチギチと締めつけながら男への感謝を示す。菫子は女の幸福絶頂の高みを初めて極めたのだ。これほどの快楽は味わったことがない。自慰によるエクスタシーなどまやかしでお遊戯のようなものだった。さきほどのあれほどねちっこい前戯ですら前座にすぎない。これこそが女の本物の幸福なのだ。これに比べたら、ほかのあらゆることなどくすんで見えてしまう。
だがそれで終わりではなかった。