序章

菫子が目を覚ますと目の前には見知らぬ天井があった。
目を覚ます、という言葉は正確ではない。菫子が、この世界に訪れるのは眠りにつき、夢を見るときだけなのだから。
菫子には他人にはない特殊な能力があった。眠ったときだけ、別の世界、幻想郷を訪れることができるのだ。