光悦の剛直がひときわ膨らみ、ビクビクしていることを、敏感になった肉壺は知覚した。菫子にそれがなんだかわからなかったが、何か好ましいことの前兆であることは直感できた。
「一番奥で、受け取ってくださいね」
光悦は口を狼のように歪めた。肉食獣が、獲物のもっとも美味なところに齧りつこうとする様子に似ていた。光悦は膨れ上がる嗜虐心のままに一気に腰を奥まで進める。いままでで最も強く膣の奥深くが突かれ、子宮がノックされた気がした。反射的に子宮口が緩むような錯覚すら覚える。そして。
びゅくっびゅるっ、びゅるるるるる。
マグマのように熱い白濁が、ついに鈴口から解き放たれた。
「あっ、はぁぁぁぁあああああ!」
菫子は再び白い喉を晒す。女のもっとも神聖な場所を雄の白く濃厚な子種が埋め尽くしていく。白濁液は菫子の小さな子宮内を満たそうとして奥へ奥へと流し込まれていく。しかしそれは残念ながら叶わなかった。圧倒的な量と圧力で流し込まれる精液は、その量ゆえにすぐに子宮を埋め尽くしそして膣内へと溢れ出してしまったからだ。女のもっとも大事な場所を、愛した男の子を宿す場所を、侵入者の精液が満たしていく。熱く、重く、圧迫感すら感じるほどの量。菫子は初めて知る膣内射精の悦楽に再度絶頂した。膣は子種を流し込まれる喜びを祝うように情熱
的に脈動した。それは、さらに剛直の尿道に残った精液を絞り出そうとする動きのようでもあった。
ずんっ!
光悦のペニスは菫子の肉体の歓喜に応えるようにさらにもう一度腰を押し込み、さらに大量の精液を流し込んだ。
どびゅっ、どびゅびゅびゅっ、ぶびゅるるるるるっ
「ひぃっ、すごいっ、これっ、んはあああぁぁぁぁぁっ」
また菫子は健康そのものの肉体を不自然に痙攣させながら絶頂した。
菫子は痴呆そのものの顔で惚けながら、膣出しによる精液の子宮内の暴力的快楽蹂躙に身を任せている。目の前で白い火花がバチバチと飛び、焦点は合わず、口からはよだれさえこぼれている。快楽の波が、再び菫子を襲っていた。しかしそれはさきほどの、理性を甘く蕩かしていく、そんな生ぬるいものではなかった。まさに濁流だった。すべてを押し流す大洪水だった。大水のようにあっという間に全身を飲み込み、快楽の激流に投げ込んでしまった。すべてがひとたまりもない、呼吸すらままならぬ、理性や思考をすべて押し流す、そんな暴力的な奔流だった。

女の肉体は快楽には逆らえないのだ。たとえ精神がどれだけ好きでもない男からの望まぬ陵辱を否定したとしても。
むしろ、精神の否定こそがスパイスになる。嫌悪、否定、痛み、憎悪、屈辱、抵抗、そういった全ては本来男との性交への嫌悪となる。だが桁外れのえげつないほどの快楽の渦のなかでそれらが混ぜ合わされればどうだろうか?
それは化学反応だった。好ましい快楽とその正反対の存在が、混ぜ合わされ菫子の人格の奥に刷り込まれる。そのときそれは「被虐快楽」という悪魔的な物質に変わり、そしてそれは菫子の脳に非可逆の化学変化をもたらすのだ。

光悦は精液のたぎりの最後の一滴まで、膣内射精と絶頂の濁流に浸っている菫子の最奧へ吐き出そうと体重をかけさらに奧へと剛直を押し込む。その分だけ、押し出されたように精液が膣から逆流し、太ももに垂れ落ちていく。その逆流する感覚すらも快楽に変換されたのか、菫子の唇からは甘い声がまた漏れる。

光悦は菫子の唇を奪い、デザートであるかのように菫子の舌や歯茎、唇を味わい、自分の匂いをマーキングしていった。
完全に組み伏せられ、膣内射精を受け止め、唇を奪われながら菫子は蕩けきった表情で幸福そうに目を細める。膣出しと絶頂の余韻に浸る菫子の姿は、完全に愛する男と睦みあった姿そのものだった。あれほど暴力的な快楽陵辱に晒され続けたとは信じられないほどの幸福げな姿。オスに支配され強い男の子種を授かるというメスの本能としての最高の幸福。それをあれほどねっとりと執拗に許容量を超えて、ゲップがでるほど満腹まで味あわされれば、こうなるのもごく当然のことであるだろう。

「す、すごい、のぉっ…… あっ、ひぃっ……」
余韻に浸りながら、時折フラッシュバックのように痙攣する菫子。その姿はあまりにも淫らだった。
「菫子さんは、本当に壊しがいがありますねえ。」
光悦は舌で唇を湿らせながらそうつぶやく。ふたたび分身が硬さを取り戻していくのを感じる。今日はここまでにしてもよかったが、もう一度してもいいだろう。そう思い始めたときだった。菫子の姿が、蜃気楼のように揺らめき始める。
「あぁ、時間切れですか。残念ですねぇ。」
飯屋でおかわりをしようか迷っているうちに、膳を下げられたような口調で光悦はつぶやいた。まあいいさ、そういう響きが含まれていた。