「ずいぶん小さくなるまで我慢したものですね。努力は認めてあげたいのですが、あとちょっとだったのに残念でしたね。」
光悦のからかうような声が呆然とする菫子に浴びせられる。もはやリンゴの種のように小さくなってしまった、赤い飴玉、だったもの。
あと少し耐えることができれば、その思いが菫子の理性からの罵声となって自分に浴びせられる。無理もないだろう。菫子は絶頂を抑えるだけで精一杯で、飴玉がどれほど小さくなっていたかを気にする余裕などなかったのだ。呆然としている菫子は気づかなかったが、光悦は菫子が飴玉を十分に小さくするまで耐えきれたことに口元を緩めていた。

男はぐいと、呆けた顔の菫子の膝をつかみ強引に脚を開かせる。さらに手でいまだものほしげに震える菫子の秘所を指で割り開いた。
「えっ、なっ、なにをっ」
菫子は驚いた声を上げる。当然だろう。いまだ男を知らぬ菫子にとって、こんなにまじまじと秘所を異性に見られた経験などあるはずがない。
「ああ、菫子さんは『まだ』なのですね。ふふふ、初めての男になれるとは恐縮です」
光悦はわずかに小馬鹿にしたように言った。菫子は意味を悟り真っ赤になる。光悦が広げた陰茎の奥、露わになった膣の内部には、処女膜がはっきりと見えた。菫子は羞恥に煮える思いだった。たしかに、今まで一度も恋人などができたことはない。能力が高い上にさらにプライドと理想が高く夢見がちな菫子の要求を満たす男は今まで現れたことがなかった。菫子は凡庸な愚物に身を任せるほど尻軽ではなかった。いやどちらかといえば貞操観念は強い方だ。いつか現れるであろう、白馬の王子のような、自分に釣り合う男とロマンチックな初めての夜を過ごすことを夢見ていた。健康な若い肉体を持て余し、いつか来るであろう逢瀬の時を夢見て体の火照りを自分の手で慰めたこともある。
だが断じてこのような男に身を任せるつもりなどない。