02
「い、一体何をするつもりなの……あうぅっ!?」
ブォンッ!
いきなり距離を詰めてきた相手の姿に、マリーン・サファイアはすぐにひるんでしまう。
まともな身動きすら取れないのを良いことに、下半身におかしな呪印などを刻み込まれてしまったのだ。
相手の手元を見つめている間も、つい縮み上がらずにいられない。
意味不明な呪印が相手の手元から出現したかと思えば、気づいた頃には体内へと埋め込まれた後だったのだ。
ジリジリジリィッ……
(何なの、この肌が焼けるような感じは……?)
身体の内側から押し寄せてくる刺激に、マリーン・サファイアはあっけなく意識を奪われてしまう。
呪印が体内へ潜り込んだ途端、痺れるような感覚が一気に駆け抜けてきたのだ。
とっさに身をこわばらせている間も、つい困惑せずにいられない。
自分の身体がどんな状態に陥っているのか、少しも理解できそうになかったのだ……
ズルズルズルッ、ドサッ。
「……きゃんっ!?」
下半身の状態に気を取られていた矢先、マリーン・サファイアはすぐに悲鳴を洩らしてしまう。
触手が緩んだ拍子に、地面に倒れ込んでしまったのだ。
思わぬ形で触手から脱した後も、つい慌てずにいられない。
すぐにでも体勢を立て直さなければいけないのに、なかなか腰を持ち上げられそうになかったのだ。
「どうやら、呪印もちゃんと身体に馴染んでくれたみたいね。今日はこの辺で勘弁してあげる。それじゃまたね、マリーン・サファイア……?」
弱り果てているマリーン・サファイアの様子をじっくりと見つめながら、女幹部は不敵な言葉を浴びせる。
しっかりと呪印を体内に埋め込んだ後、校庭から立ち去るつもりでいたのだ。
捨て台詞を言い残している間も、縮み上がっている彼女の様子を面白半分に覗き込む。
呪印の影響によってこれからどんな事態を招いてしまうのか、つい興味をそそられずにいられない。
「ちょ、ちょっと待って! 一体、何を企んでるの……うぅっ!」
ヒクヒクヒクッ……
あっけなく校庭から遠ざかっていく女幹部の様子に、マリーン・サファイアはすっかり呆気に取られてしまう。
相手と対峙するつもりでいたのに、一方的におかしな目に遭わされてしまうなどさすがに思いもしなかった。
目の前から消え失せていく相手に質問をぶつけようとした矢先、つい言葉を詰まらせずにいられない。
先ほど仕向けられた行為のせいで、どうしても立ち上がれそうになかったのだ。
(どうやら、もう襲ってこないみたいだけど。さっきのは一体、何だったの……!?)
その場に腰を下ろしている間も、マリーン・サファイアは言い表しようのない不安に襲われてしまう。
触手に捉えられるまま、おかしな呪印などを身体に刻み込まれてしまったのだ。
異様な薄気味悪さが忍び寄ってきて、つい焦らずにいられない。
呪印に一体どんな効き目が秘められているのか、相手から何も内容を聞かされていなかったのだ……
* * * * * *
「それじゃ、行ってきまーす!」
バタンッ!
襲撃に遭った翌朝、麻鈴は大慌てで玄関から飛び出していく。
もう学校に行く時間を迎えていたのに、思わぬ形で時間を取られてしまったのだ。
通学路を走っている間も、つい焦らずにいられない。
昨日に下半身へ刻み込まれた呪印が、とんでもない形で作用してしまっていたのだ。
(トイレに入ってたら、もうこんな時間になっちゃってたなんて……このままじゃ遅刻しちゃうし、急がなくっちゃ!?)
学校へ向かっている間も、麻鈴は下半身の状態に気を取られてしまう。
朝に目覚めた時から猛烈な尿意に襲われてしまい、二度もトイレに駆け込む羽目になってしまったのだ。
急激に変わり果ててしまった体調の変化に、つい思い悩まずにいられない。
未だに原因が掴めない中、遅れを取り戻すだけで精一杯だったのだ。
ゾクゾクゾクッ、ヒクヒクヒクッ……
(やだ、もうオシッコしたくなってきちゃったの? さっきだって、あんなに何度もトイレに入ったはずなのに……!?)
何とか電車に乗り込んだ後も、麻鈴はとんでもない窮地に立たされてしまう。
電車に揺られているうちに、またしても尿意を催してしまったのだ。
両脚をしっかりと重ね合わせたまま下半身の欲求を堪えている間も、つい焦らずにいられない。
刻一刻と感覚の波が激しさを増していき、今にも決壊してしまいそうな勢いだったのだ。
「も、もう我慢できそうにないかも……はうぅっ!?」
ドタドタドタッ、ガチャンッ。
電車が止まると同時に、麻鈴は慌てて電車から飛び出していく。
すぐにでも限界を迎えてしまいそうだったので、駅のトイレで用を足すつもりでいたのだ。
階段を踏み込んでいる間も、つい身を捩らせずにいられない。
ほんの少し油断してしまえば、いつ下半身が緩んでしまうかも分からなかったのだ。
チョボボボボボッ……
「ふぅっ……」
何とかトイレに辿り着いた後、麻鈴はすぐに尿意を解き放つ。
パンツを下ろして便器に腰を下ろした途端、すぐにオシッコが飛び出してくる。
用を足している間も、つい息を切らさずにいられない。
あと少しトイレに入るのが遅かったら、もしかしたら尿意を我慢し切れなかったかもしれないのだ。
コクッ、コクッ、コクッ。
「んんっ……!」
トイレから出た直後、麻鈴は自販機の方へと歩き出す。
異様に喉が渇いてしまったので、水分を摂るためにジュースを買うことにしたのだ。
ペットボトルに口をつけたまま一気に容器を傾けるうちに、あっと言う間に中身が空になってしまった。
お家で過ごしている時も、用を足しては水を飲んでを延々と繰り返していたのだ。
「おはよう、青山さん。そろそろ音楽の授業が始まっちゃうから、すぐ準備した方がいいわよ?」
「う、うん。ちょっと待ってて……ひうぅっ!?」
クネクネクネッ……
思わぬ形での寄り道を強いられながら、麻鈴は何とか学校へと辿り着いていた。
休み時間にクラスメート達とお喋りしている間も、すぐに言葉を詰まらせてしまう。
教室で過ごしているうちに、またしても尿意を催してしまったのだ。
両脚を忙しなく擦り合わせている間も、何とも気まずくてたまらない。
ブルブルブルッ、カクカクカクッ……
(やだ、もうオシッコしたくなってきちゃうなんて。これから授業だって始まっちゃうのに、一体どうしたら良いのよ……!?)
立て続けに押し寄せてくる下半身の感覚に、麻鈴は着々と神経を削がれていく。
すぐにでもトイレに駆け込みたい反面、クラスメート達のいる前でおかしな素振りなど取れそうになかったのだ。
これから移動教室が控えているはずなのに、少しも準備に取り掛かれそうになかった。
ひたすら思い悩んでいる間も、尿意は刻一刻と押し迫ってくる……