04
「ご、ごめんね。先に行っててもらえるかな……んんっ!」
フラフラフラッ……
クラスメート達に謝りながら、麻鈴はそそくさと教室の外へと飛び出していく。
あまり猶予もなかったので、すぐにでも用を足すつもりでいたのだ。
トイレを目指して廊下を歩いている間も、たどたどしい足取りを取らずにいられない。
思っていた以上に下半身の欲求が強まっていたせいか、なかなか思うように脚を持ち上げられそうになかったのだ。
タプンッ、タプンッ、タプンッ……
(どうしよう、このままじゃ間に合わないかも……ちょっと恥ずかしいけど、あそこなら用を足せるかも!)
おぼつかない足取りでトイレを目指しているうちに、麻鈴はとんでもない行為を思いつく。
トイレに辿り着くまで尿意を持ち堪えられそうになかったので、校舎裏で用を足すつもりでいたのだ。
一瞬だけためらいながら、慌てて中庭の方へと脚を向ける。
野外での排尿を恥じらう余裕すら、どうしても抱けそうになかったのだ。
「こ、このままじゃもう駄目かも……はうぅっ!?」
ズルズルズルッ、プシャアアアァァァ……
校舎裏へ辿り着くと、麻鈴はそそくさと準備に取り掛かる。
周囲を見渡した後、震える手元を堪えながらパンツを下ろしていく。
腰を下ろすと同時にあっけなく股間が緩んで、膀胱に溜まっていた液体が一気に飛び出してくる。
はしたない水音が周囲に響き渡る中、つい縮み上がらずにいられない。
チョボチョボチョボッ……
(まさか、こんな場所で用を足さなくちゃいけないなんて。私の身体、本当に一体どうしちゃったんだろう……?)
尿意を解き放っている間も、麻鈴はすぐに言い表しようのない不安に駆られてしまう。
日に何度も下半身の欲求に襲われるうちに、気づいたら外で用を足す羽目になってしまったのだ。
その場にしゃがみ込んだままオシッコを垂れ流している間も、つい肩をこわばらせずにいられない。
校舎裏で丸出しにしている下半身を、いつ誰かに見られてしまうかも分からないのだ……
ガサガサッ……!
「……ひぃっ!?」
排尿を続けていた矢先、麻鈴はすぐに背筋を張り詰めてしまう。
なかなかオシッコを出し切れない中、不意に遠くから足音が聞こえてきたのだ。
とっさに腰を持ち上げた後も、つい身を捩らせずにいられない。
すぐにでも校舎裏から立ち去らなければいけないのに、なかなか思うように身動きが取れそうにないのだ。
スルスルスルッ。
(このままじゃオシッコしてたのを見られちゃうかも……とりあえず、ここからすぐに逃げなくっちゃ!)
何とか用を足し終わった後、麻鈴はそそくさと身支度を調える。
下ろしていたパンツを一気に引き戻して、慌てて校舎裏から逃げ出していたのだ。
校舎の中へ引き返している間も、つい神経を削がれずにいられない。
相手の姿もまともに確かめられない中、この場から抜け出すだけで精一杯だったのだ。
ヨロヨロヨロッ……
(もしかしたら、校舎裏でオシッコしてたのを気づかれちゃったかな……あんなに沢山、オシッコを出しっ放しにしちゃって、もし誰かに見られちゃったらどうしよう……!?)
廊下に立ち止まった後も、麻鈴は恐る恐る校舎裏の様子を振り返る。
地面に残したはしたない水溜まりを、もしかしたら学園にいる誰かに気づかれてしまったかもしれないのだ。
おかしな気まずさに苛まれるあまり、つい思い悩まずにいられない。
下手をすれば自分の知らない間に、しでかした不祥事を学園中に広められてしまうかも分からないのだ……