「 トラップが・・・あるとは思ってた・・・・けど・・・・全然気配・・・・感じなかった・・・・なん・・・で・・・」
薄暗い坑道の中で魔導師高町なのはは悪臭を放つぶよぶよとした[なにか]に拘束され
身動きが取れないでいた。[なにか]としたのは、ソレが生物なのかどうかさえ分からなかったからなのだが
いまそれは重要なことではない。話は2時間ほど前のことだ
闇の書事件の解決から少しの時間が経過した頃、高町なのはのもとに差出人不明のメールが届けられる
中にはデータが二つ
彼女の出来たばかりの友人である八神はやてが、拘束され凌辱を受けている映像と
今は使われていない坑道の座標だった
ここへ来いという意味なのは明白だった
八神はやての身を案じた彼女は単身指定された場所へ向かうが
坑道を半ばほどまで進んだところで何の前触れもなくそのトラップが発動
なのはは手足を軟体のソレに絡め取られ身動きが出来なくなっていた
「っ・・・・くうぅ・・・・」グッ・・グイッ・・・!
「だめ・・・・表面はゼリー状だけど中は凄く固くなってる・・・レイジングハートも取り込まれて
さっきから返事がない・・・はやく何とかしないと、ほんとに脱出できなくなる・・・!」
キイイイッッ!ガンッ!ガンッ!
何度か内部で魔法を発動させるが、放出した魔力そのものを吸収されるうえ
なんとか物理ダメージに変えてもほとんど効いていない様子だった
必死の抵抗を試みるなのはだったが、活動を停止しない捕縛対象に対して
そのスライム状の物体からさらに触手が伸びる
ジュリュッ・・・・ジュリュウウウゥ・・・・
「ひっ!?なに・・・・?なにをする気なの!」
新しく伸びたその触手の先には複数のヒダと細かな触手が生えていた
そこから毒々しい色をした粘液を垂らしながら
なのはの眼前で様子を見ているようだった
「・・・・っぐぅ・・・・」
止まったのは一瞬だった
その触手はなのはの口に大きくかぶさり、口の中に細かな触手を押し込んでいく
ガバアァッ!ジュリュウウウゥッ!
「んむうううぅっ!」
ジュッ!ジュリュ!ギュムッ!ギュムッ!
「んむうっ!おぶうぅっ!」
(く・・・るし・・・・いきが・・・・・それに・・・・ひどいにおい・・・・・!
けどこれ・・・・飲みこんだらぜったいにまずい・・・・たえ・・・ないと)
分泌液を飲ませようとする触手に対し
必死に耐えるなのはだったが触手はついになのはの喉を無理やりにこじ開け
まるでポンプのように機械的になのはの胃の中へ液を流し込み始める
ゴボボボボボボッ!
「んぶっ!おぶぁあぁぁぁっ!?」
無理やり喉をこじ開けられる感触に耐えがたい嘔吐感を抱くがおう吐物ごと
乱暴に胃の中へ液を流し込まれる
そして症状はすぐにあらわれた
ピキッ・・・キキキッ・・・
(魔力が・・・・遮断されていく!?)
魔力が吸われているのではなく行使できなくなっている
感覚的にそれはすぐわかった
そして魔力供給の断たれたバリアジャケットは崩壊を始める
(だ・・・・だめぇっ・・・・!)
そして思考する間もなく高町なのはのバリアジャケットは消滅した
「んううぅ・・・・ふうぅっ・・・ふうっ・・・・」
リンカーコアに魔力は残っている
でも使うことはできない
今まで感じたことのない感覚だった
通常バリアジャケットを解除した際は元着ていた服に戻るのだが
今なのはは何も身に着けていない、裸の状態だった
完全に魔力が断たれた証拠だろう
こうなってしまってはこれまで何度も事件を解決してきた
魔法少女であっても無力である
今はタダの少女なのだから
なのはが一旦脱出を諦め、体力の消耗だけは押さえなければと
触手の凌辱に耐えておよそ二時間
その男は現れた
「どうやら上手くいったようだね」
意識が朦朧とする中、なのははわずかに眼を開け男の声がした方を見る
「おやおや意識はあるようだね、さすがだよ
それはスタンスライム魔力の導通を止める試作兵器でね、まぁ効果時間が短いのが欠点でね
あと20分ほどで効果が切れてしまうだろう、必要投与量も多いしまだまだ改善しなくてはね」
ズッ・・・ズッ・・・ズチュッ・・・ズチュッ・・・
「ところで、ソレの具合はどうだい?」
二時間ほど前に比べてなのはの体はひどく高揚していた
それはなのはの股下から生えるどす黒い触手のせいだった
「んっ・・・んっ・・・んむっ・・・んううぅっ・・・!」
触手の動きに合わせてなのはの小さな体が跳ねる
「ふむ、これはおまけの機能だからね
でもまぁ退屈しのぎにはなっただろう?おっとこのままでは話もできないね」
そういうと男はなのはの口に覆いかぶさっていた触手をズルリと引き抜いた
ズッ・・・ジュリュウウゥッ・・・
「・・・っあぁっ!げほ・・・げほっ・・・」
ポタッ・・・・ポタッ・・・・
触手から分泌された大量の粘液がなのはの口元に滴り落ちる
なのはは二時間ぶりに外の空気を肺の中にいれる
耐えがたい悪臭の中に二時間もいたのだ、それだけでも安堵するには十分であった
「ふふ、そんな安堵の顔を浮かべるなんて余裕だね、君の地獄はこれから始まるんだよ?
まぁ、しばらく外の空気も吸えないだろうからね、今の内にたっぷり吸っておくといい」
「わたしを・・・どうする・・つもり・・・な・・・の・・・・」
ガクンッ・・・
最後の力で振り絞った質問だったがその答えを聞くことなく高町なのはの意識は
深い闇の中へ沈んでいった・・・・