現在、我が校は前代未聞の事態に陥っている。
女子生徒たちが次々と妊娠しているのだ。
「おはようございます」
「おはようございます」
朝の校門まか。
生徒たちの挨拶の声が響く。
「おはようございます」
と、折り目正しく挨拶を返す女子生徒。
この学校の生徒会長だ。
生徒会長らしくいかにも真面目で頭が良さそうな人である。
ブレザーの制服には着崩したところがなく、前髪をきちんとヘアピンで留め、口を真一文字に結んでいる。
外見からお堅いのが見て取れる。なので、美人にして巨乳なのだが、近づく男子はいない。
もちろん処女であった(過去形)。
「ちょっと、あなた。妊娠してるんじゃないの」
生徒会長(ちなみに名前は郁美ちゃんと言う)は、女子生徒の一人に目を留める。
「はい、妊娠してます」
その女子生徒はにっこりと幸せそうに笑った。
おなかに置いた両手。確かに肥満とは違う膨らみがある。
「大変じゃない! あなたまだ学生なのよ」
「大変だけど、ちゃんと産んで育てます」
「相手はだれなの?」
「秘密です」
と、ぼくのほうをチラリと見て、意味深に微笑む。
「ああもう!」
女子生徒が行ってしまうと生徒会長は不満げに叫んだ。
「なんで妊娠してるのに、堂々と登校してくるの!?」
至極まっとうな意見であった。
我が校では女子の妊娠が次々と発覚している。
その人数は5、60人にも及ぶだろうか。
誰の子供なのかという点について、妊娠した女子たちは揃って口を閉ざしているが、実のところ種を提供したのは同一人物なのだという。
つまりこのぼくだ。
ぼくが生でチンポを入れて膣内射精した結果、孕ませてしまったというわけなのである。
「なんてことなのよ……」
鬱憤をぶつけるかのように、美人の生徒会長は生徒会のメンバーたちをにらむ。
副会長がびくっと身体を震わせる。
この朝、校門前では生徒会による身体検査が行われていた。
女子の妊娠を憂慮した生徒会長、郁美ちゃんが発案したのだ。
しかし、身体検査などほとんど意味がなかったようである。妊娠していることを見抜かれたからといって女子生徒たちはまったく動じず、何が悪いのだという態度である。実際、子供が出来るのは悪いことではなく、むしろ祝福されるべきことのはずだ。ただ、妊娠させた相手が、本来なら好きでも何でもない男子で、無価値かつ無責任なゴミともなれば大問題なのだが……
「おっ、あの子可愛いな」
生徒会長がイライラする隣で、生徒会の一員たるぼくは一人の女子に目を付ける。
髪の長い下級生であった。
澄ました大人っぽい美人なのだが、小柄であどけなさの残る顔立ちである。
お人形さんみたいな冷たさとかわいさを持っている。
下級生とはいえ、こんな女子が存在することに気づかなかったのはうかつであった。
「ねぇ、きみ、処女?」
と、声をかける。
「は?」
冷たい瞳がぼくに突きつけられた。
ナンパだとしたら最低の台詞だっただろう。
「……なんですか、先輩?」
うさんくさそうな目をぼくに向ける。
「きみが処女なのか聞きたいんだ」
「処女ですが、それがなにか?」
本来なら絶対にいわないであろう返事があった。
「キスの経験は? チンポ見たことある?」
「どちらもありませんが……」
冷たい目のまま、長い髪を整えながら答える。
とんでもないセクハラ質問だったが、下級生は躊躇しながらも答える。
よーし、今日はこの子にしよう。
「ちょっと向こうに行こうか」
「は? どこにですか」
「生徒会の身体検査だよ」
「……そうですか」
適当な理由付けなのに彼女は簡単に付いてくる。
「名前は?」
「真冬です」
「へー、真冬ちゃんっていうんだ、可愛い名前だなあ」
と、ぼくは並んで歩きながら真冬の肩を抱く。
「なんですか、やめてください、先輩」
真冬はぼくの手を払いのける。
「いや、これもぼくの仕事だから」
「……そういえばそうですね」
不可解な顔をしながらも納得する真冬ちゃん。
彼女はぼくの言葉を疑えない。彼女だけでなく、この学校の誰もがそうなのだ。
ぼくは真冬の腰を抱く。身体はかなり細いようだ。
「………………」
不愉快そうにしている真冬。
「身体をぼくに預けてごらん。恋人みたいに」
「先輩みたいな男性が恋人なんて……」
などと文句を言いながらもぼくには逆らえない。
密着して頭をもたげてくる。
小柄なので頭がぼくの肩あたりに来る。
ふわっと髪のいい匂いが鼻腔をくすぐる。
恋人と歩いているようでうれしい。
「はあ……」
真冬は不快そうにため息をつくのだった。
ほとんど誰もいない旧校舎。
ぼくは、とある教室に後輩の女子を連れ込む。
「なんですか、これ」
真冬は呆れたような顔で教室を眺めた。
教室の前半分は普通だった。机と椅子が並んでいる。
後ろ半分が特殊なのである。
大きなベッドがどんと置かれている。
ベッドなどふつう学校では保健室以外にはないはずのものである。
こんな複数人で寝られるようなキングサイズのものならなおさらだ。
これが何に使われるものなのか、説明するまでもない。
「確認しておくか……」
ぼくはスマートフォンを取り出して、アプリを立ち上げる。
真冬
サド 2 [いじめるのが好き]
愛情 -2 [近くにいてほしくない]
従順 5 [命令絶対厳守]
常識 5 [いかなることでも信じる]
こんな風に画面に表示される。
これが何かというと、催眠アプリである。
いつのまにかぼくのスマートフォンに入っていた謎のアプリなのだ。
何が出来るのかというと……自由自在である。
真冬の場合でいうと、従順度と常識度が最高の5なので、なんでも言うことを聞く。
愛情度は−2とかなり嫌われているようだが、5から−5までいくらでも自由に操作することが出来る。
5にするとぼくのことが大好きになり、よだれを垂らしてチンポを求めるようになるが、今回はこのまま−2でいってみよう。
「おっぱいはどんな感じかな」
服の上から真冬の胸にタッチする。
あまり大きくない。Bカップくらいだろうか?
「なにをするんですか」
「おっぱいの大きさを確かめるんだよ」
「やめてください」
と、身を引いて胸を隠しながらぼくのことをにらむ。
たまに催眠アプリに抵抗するような意志の強い子がいる。しかし、逆らうことなどできないのである。
「身体検査なんだからやらないとね」
ぼくはむりやり真冬のシャツのボタンを外して、軽く手を差し入れる。
下着の上から胸をまさぐる。
やはり大きくはないようだ。
全体的に華奢な子なんだろう。
ぼくはぐいっと抱き寄せる。
「ひゃっ」
身体を硬くする真冬。
抱きしめてくんくんと匂いを嗅ぐ。
固くなり始めたチンポを腰のあたりにすりつける。
「………………」
身じろぎ一つせず真冬は受け入れる。
お人形さんに抱きついているような感じだった。
幸いにしてこのお人形さんは体温があってやわらかい。
近くからじっと観察すると肌がきめ細かくきれいだった。
催眠アプリがあれば、どれだけ嫌われていてもこういう子をぼくの好きに出来るのだ。
…………
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(以降は製品版で)
第二話(体験版)に続く