体験版 100メートル走
……パンッ!
つぐみのお尻を眺めているうちに、気づいたら時間切れ直前になっていた。
慌てて物陰に避難していた途端、いきなりピストル音が聞こえてくる……隠れた直後に、もう時間が動き出してしまったみたいだ。
隠れるのがちょっとでも遅れてたら、誰かに見つかっちゃうかもしれなかった。
放っておいたつぐみの様子が、さすがに気になってたまらない。
「はっ、はっ、はっ……きゃんっ!?」
モジモジモジッ。
ピストルの音に合わせて、つぐみはすぐに走り出す。
出発して間もなく、すぐに悲鳴を撒き散らす……どんな格好を晒しちゃってるのか、ついに気づいちゃったみたいだ。
その場に立ち止まったまま、みるみるうちに縮み上がっていく。
パンツを丸出しにしちゃってるんだから、さすがに恥ずかしがっちゃってるみたいだ。
「おい、あっちを見てみろよ。あの子のパンツ、丸見えになっちゃってるみたいだぞ?」
「どれどれ……ホントだ! 何でいきなり、ブルマなんて脱いじゃってるんだろうな……?」
「ちょっと男子達! そんなに覗いちゃったら、いくら何でも可愛そうじゃない……!」
つぐみの格好に気づいて、段々と周囲が騒がしくなってくる。
いきなりパンツを丸出しにしちゃってるんだから、男子達が食いついてきちゃったみたいだ。
観客席から身を乗り出しながら、次々と指を差す始末だ。
ほんのちょっと女子のパンツを見た程度で、ここまで嬉しがっちゃうなんてさすがに予想外だった。
「や、やだっ! 一体どうして、ブルマが勝手に脱げちゃってるのよ……!?」
スルスルスルッ。
次々と浴びせられる注目のせいで、つぐみはますます弱り果てていく。
慌ててブルマを穿き戻している間も、ずっと腰をくねらせてばかりいる……ずっと顔を赤くしている様子なんて、見ているだけで面白くてたまらない。
どんなに頑張ったって、男子達のいやらしい視線を今さら避けられそうにないって言うのに?
他の子達に追い抜かれちゃってるのに、もう競技どころじゃないみたいだ……