体験版 薫子編 第2話
ガチャッ。
「ほら、薫子。さっさと車から降りるんだ!」
駐車場に車を停めると、教師は助手席にいる薫子に話し掛ける。
ついに目的地へ到着したので、すぐにでも車から降ろすことにしたのだ。
薫子の様子を窺っている間も、つい苛立たずにいられない。
ずっと肩を張り詰めたまま、なかなかドアを開けようとしなかったのだ。
「は、はい。分かりました……うぅっ!」
モジモジモジッ、ヒクヒクヒクッ。
教師にせがまれるまま、薫子は恐る恐る車から飛び出していく。
強引に車へ乗せられた後、夜中に見ず知らずの場所を連れ回される羽目になってしまった……その場に立ち止まったまま、つい縮み上がらずにいられない。
散歩と称して、とんでもない格好にさせられていたのだ。
道端を歩き回っている間も、着込んでいるコートをどうしても手離せそうになかった。
(どうしよう……本当にこんな格好のまま、外なんかに出ちゃってるんだ! もしコートまで脱がされちゃったら、はしたない格好が全部丸見えになっちゃうはずなのに!?)
コートの内側に出来上がっている格好を、薫子は否応なく思い知らされる。
教師の手によって制服や下着を脱がされた後、コート一枚だけの格好で道端を徘徊させられる羽目になってしまったのだ。
耐え難い肌寒さに襲われて、つい縮み上がらずにいられない……どんなに頑張っても、コートだけでは無防備な格好を取り繕えそうになかった。
脚を持ち上げている間も、太股がひとりでに震え上がってくる……
フラフラフラッ……
「んんっ……!」
散歩を続けているうちに、薫子は段々と落ち着きを失ってしまう。
夜中とは言え、どんな拍子に誰かと出くわしてしまうかも分からなかった。
しきりに周囲を振り返りながら、つい戸惑わずにいられない……視界が悪いせいか、どんなに身を乗り出しても向こう側の様子を確かめられそうにないのだ。
人の気配に怯えるあまり、なかなか思うように脚を踏み出せそうになかった。
ガサガサガサッ。
「……ひんっ!?」
ひたすら徘徊を続けるうちに、薫子はすぐに悲鳴を洩らしてしまう。
傍にある草陰の辺りから、不意に物音が聞こえてきたのだ。
とっさにその場へ立ち止まったまま、つい背筋をこわばらせずにいられない……両脚をしっかり重ね合わせた後、ひとりでに身震いを繰り返してしまう。
物音の正体が気になって、少しも脚を踏み出せそうになかった。
グイッ。
「どうしたんだ、薫子。まだ散歩も始めたばかりじゃないか。さっさと歩かなきゃ、いつまで経ってもお家に戻れないぞ……?」
怖じ気づいてばかりいる薫子の様子に気づいて、教師は容赦なく注意する。
まだ散歩も始めたばかりなのに、すぐに脚を止めてしまう素振りがどうしても見過ごせそうになかった。
すぐに出発するよう、無理にでも薫子に言い聞かせていく。
散歩を通して、主従関係をみっちり叩き込むことにしたのだ。
「ちゃ、ちゃんと分かってますから! あんまり驚かさないでください……はうぅっ!?」
ヒクヒクヒクッ。
教師に迫られるまま、薫子は仕方なく脚を持ち上げる。
どんなに嫌でたまらなくても、教師の言いつけに従うしかなかった……もし無理に刃向かってしまえば、どんな目に遭わされてしまうかも分からなかった。
おぼつかない足取りで徘徊を続けるうちに、つい悲鳴を洩らさずにいられない。
体勢を立て直そうとした矢先、忙しなく身震いを繰り返してしまうのだ。
ブルブルブルッ、ゾクゾクゾクッ。
(どうしよう……車から出たばかりなのに、もうオシッコしたくなってきちゃってるなんて!?)
不意に下半身から押し寄せてきた感覚に、薫子はますます困り果ててしまう。
堪え難い緊張に苛まれるうちに、気づいたら尿意を催してしまった……はしたない欲求が押し寄せてきて、少しも抑えられそうになかった。
慌てて体勢を立て直している間も、つい焦らずにいられない。
何とかしてやり過ごすつもりでいたのに、感覚の波が静まるどころか、ますます勢いを増してくるのだ……
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あうぅっ!?」
クネクネクネッ。
刻一刻と勢いを増してくる尿意を、薫子は懸命に堪える。
ただでさえはしたない格好のまま道端を歩かされて大変な中、まともに用など足せそうになかった。
ひたすら我慢を続けるうちに、つい息を切らさずにいられない……両脚をしっかり重ね合わせたまま、ひとりでに身を捩らせてしまう。
もし少しでも油断してしまえば、大事な部分がすぐにでも緩んでしまいそうな勢いだった。
「もしかして薫子、用でも足したくなっちゃったのか? 本当に世話の焼ける娘だ……あそこに電柱があるだろう、さっさとそこで済ませてしまうんだ!」
薫子のおかしな仕草に気づいて、教師は平然と質問を始める。
小刻みに身震いを繰り返している様子など、どう考えても尿意を抱えている以外に考えられそうになかった……全身に鳥肌まで立てていて、随分と切羽詰まっているのは間違いなかった。
このままだと散歩も続けられそうにないので、別の命令を切り出す。
飼い犬らしく電柱へ用を足してみるよう、ためらいもなく言い聞かせていく。
「そ、そんな! いくら何でも、そんな恥ずかしいことまでさせちゃうつもりだったんですか……ひんっ!?」
ガバッ!
教師が口走ってきた言葉の内容に、薫子は思わず耳を疑ってしまう。
ただでさえ無防備な格好にさせられて大変な中、今度は道端で用を足すよう迫られていたのだ……下半身に抱えている状態まで知られてしまい、あまりに気恥ずかしくてたまらない。
はしたない真似など出来そうにないと訴えていた矢先、すぐに言葉を詰まらせてしまう。
強引に抱き寄せられるうちに、まんまとコートを剥ぎ取られてしまったのだ。
「いい加減にしないか、薫子。あまり私の手を煩わせるんじゃない! はしたない格好を見つからないうちに、さっさと小便を済ませてしまうんだ……!」
縮み上がっている薫子も構わず、教師はさらに言葉を続ける。
ちゃんと言いつけに従わない限り、絶対にコートを返さないつもりだと言い放つ……飼い犬としての自覚を、無理にでも薫子に叩き込む魂胆でいたのだ。
すぐにでも小便を垂れ流してしまうよう、改めて薫子に言い聞かせていく。
腰を引っ込めている様子から、身体の準備はだいぶ出来上がっているのは間違いなかった。
「ちゃ、ちゃんと言うとおりにしますから! もうおかしな真似なんてしないください……はうぅっ!?」
クイッ。
教師にせがまれるまま、薫子は仕方なく準備を始める。
傍にあった電柱に寄り掛かった後、恐る恐る脚を持ち上げていく……間近にいる教師から浴びせられる視線を、つい意識せずにいられない。
道端で丸裸にさせられるだけでも耐えられないのに、まさか人前で用を足す羽目になるなど思いもしなかった。
はしたない格好をすぐにでも取り繕いたくてたまらない反面、当分は下半身を引っ込められそうになかったのだ。
「も、もう我慢できそうにないかも……は、はうぅっ!?」
カクカクカクッ、プシャアアアァァァ!
しきりに身震いを繰り返すうちに、薫子は悲鳴を撒き散らしてしまう。
尿意に屈するまま、一気にオシッコが飛び出してくる……生温かい液体が飛び散るたびに、派手な水音が周囲に響き渡ってくる。
慌てて目を瞑った後も、つい焦らずにいられない。
誰にも見せられないような格好などを、道端でさらけ出してしまったのだ。
チョボチョボチョボッ、ビチビチビチィッ!
(どうしよう……こんなに大きな音なんて立てちゃったら、本当に誰かに見られちゃうかもしれないのに! 一体どうして、オシッコがこんなに沢山飛び出してきちゃってるの……!?)
オシッコを垂れ流している間も、薫子はひたすら思い悩んでしまう。
いつ誰かに気づかれてしまうかも分からないのに、なかなか排尿を止められそうになかった……ずっと目を逸らしているはずなのに、下半身の辺りから異様な熱気が伝わってくる。
言い表しようのない気まずさに苛まれるあまり、つい困惑せずにいられない。
だいぶ時間も経っているはずなのに、止め処なくオシッコが噴き出してくる始末だった……
チョロチョロチョロッ、ピチャピチャピチャッ。
「その調子だぞ、薫子。しっかりオシッコを出してしまうんだ……ふふっ。こうして見てみると本物の子犬みたいじゃないか?」
「……や、やだっ! 先生ってば、そんな近くで覗いてこないでください!?」
薫子が目の前で用を足す姿を、教師は夢中になって覗き込む。
薄黄色い液体を垂れ零すうちに、足元に水溜まりまで広がっていく……湯気が立ち昇ってきて、鼻をくすぐるような臭いまで振り撒いてくる。
教師から突きつけられた指摘に、薫子は思わずひるんでしまう。
すぐにでも尿意を静めたくてたまらないのに、際限なくオシッコが飛び出してくるのだ……