(03)公衆マンコ


 ミユちゃんはおとなしく、無口で、無表情だ。
 声も小さく、ミユちゃんのクラスメイトでも彼女の声を聴いたものは少ない。
 背も低く目立たないので誰からも注目されていなかったが、放課後にDQN上級生とぶつかりそうになった事で、一部の性欲をたぎらせた男子生徒の注目を浴びる結果となってしまったようだ。

 DQN上級生がぶつかりそうになったミユちゃんに謝れと迫ったが、ミユちゃんは怯えて声も出せなくなってしまった。DQN上級生はミユちゃんをからかい始め、身体を触り、スカートをめくっても石のように動かず声も出さない。遂にDQN上級生はパンツを下げたが、それでも声を出さないミユちゃんに欲情が抑えられなくなり、無抵抗のレイプに至ったようだ。

 味を占めたDQN上級生は、その話を友人に話し、その話が噂となって広まり、その相手がミユちゃんであると特定され、しかし「無言の同意」という口実での事でもイジメでもあり犯罪でもあるので、性欲を抑えきれなくなった男子が隠れて秘密裏にミユちゃんを人気のない場所に連れ込む……という事になったようだ。

 例えば僕のクラスではだれも「強引に頼めば無理矢理ヤレる女子がいる」という噂話をしている男子はいないし、噂に敏感な女子の間でそういった噂も流れていない。ごく一部の噂を知る肉食系男子だけが秘密を共有してミユちゃんとセックスしているのだ。

 大体の場合、事が済むとミユちゃんは声も出さずに泣くのを堪えているので、性欲を発散した男子も罪悪感を感じ、その一度きりでやめる。そういった男子は友人にも行為について語らず、噂が補強されて広まるような事にはならなかった。

 しかしミユちゃんの膣肉の感触をペニスに覚えた男子の中にいは罪悪感を感じつつも2度3度と頼み込んでしまう者もいた。何度も泣かせているうちに慣れてしまいサディストの如く玩具にする男子もいた。もちろんDQN上級生がその筆頭だ。

 ミユちゃんは見知らぬ男子にもすでに犯された男子にも、その男子に目をつけられた時に犯されるという、まさに精子便器のような扱いをされ続けていた。


 ミユちゃんが人知れず何処かに姿を消す事になるのは、昼休みと放課後が多いようだ。それ以外の時もあるようだが当事者以外の誰にもわからない事だ。

 昼休み、学校は広く、生徒はあちこちに散らばって思い思いの時間を過ごす。音楽室や理科室などの専門の教室のある辺りに用事のある生徒はいないし、わざわざ体育館の裏や倉庫のあたりに行く生徒もいない。そういった場所の近くの廊下や階段はとても静かで、隣接するトイレも誰も使わない。

 影の薄いミユちゃんが何かの用事で一人暮らすの外に出た時に運悪く噂を知る男子生徒に遭遇してしまうと、ミユちゃんは驚いて逃げる事もできず、男子生徒の言いなりになって何処かに姿を消す事になる。

 運が良ければセックスに至る前に休み時間の時間切れとなるが、大体はそうはならない。無理矢理挿入して射精するまで5分もかからないからだ。焦ってすぐに挿入する男子もいれば、何度も犯していて慣れた手際で事を済ませる男子もいた。

 体育祭の日、ほとんどだれもミユちゃんの姿を見なかった。
 DQN上級生とその友人達も何処かに姿を消していた。