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第一話 自由性交権カード(体験版)
「こちらがこのたび交付された自由性交権カードになります」
カウンターのお姉さんがそれを差し出す。
なるほど、『自由性交権カード』と書かれている。
ぼくの名前と顔写真。
役所が交付するカードにしてはやけにまがまがしいデザインであった。
なんなんだろう、これは?
こんなわけのわからないものを、なぜぼくに?
「こちらのカードを所有する方は、任意の女性と自由に性行為が可能です」
任意? 性行為?
「つまりあなたが選んだ女性と好きにセックスできるということです」
地方公務員らしい地味でまじめそうなメガネのお姉さんであった。そんな人から性行為だのセックスだの言われるとこっちが気恥ずかしくなってしまう。
「な、なんでこんなものが……」
ぼくは困惑と驚愕を隠せない。
ここはお役所である。
突然呼ばれて何かと思ってやってきた。
それが……自由性交権カードだと?
だれかの悪ふざけにしては度が過ぎている。
「出生率低下の対策要員としてあなたが選ばれました」
「ぼくが……?」
「はい、あなたは非常に精力が強い上に、精液の中の精子の数が飛び抜けています。おそらく一度の性行為で女性を妊娠させることが出来るでしょう」
なんだそれは。
確かにぼくは性欲が強い。一日に何度自慰しても満足出来ないくらいだ。しかし、豚のような容姿が相まって、女性にもてたためしはなく、むろん性行為未経験者である。
そんなぼくが出生率低下の対策要員?
まったく意味がわからない。
いったいだれがどうやって選んだというのか。
そもそも自由に性交する権利なんてもの存在するわけがない。女性に拒否され、官憲に通報されたらそれで人生おしまいである。
「選ばれたからには頑張ってください」
ほとんど棒読みで感情のこもってない様はまさにお役所仕事だった。
ぼくはため息とともに交付されたカードをもてあそぶ。
「えーと……これがあれば、だれとでも……そのエッチなことが出来るわけですよね?」
「はい、その通りです」
「お姉さんとでも出来ますか?」
完全に投げやりな質問であった。
こちらとしては、異常な嫌がらせを受けているのだから、嫌がらせで返してやれという心境である。
「理屈の上では……可能です」
「理屈の上とは?」
「はい、わたしは結婚をしておりますので」
ちらりと手を見ると指輪がはまっている。
「お子さんは?」
「まだです」
「結婚している女性にこのカードは通用するんですか?」
「理屈の上では可能です」
「可能なんですね、じゃあ使います」
ぼくはカードをお姉さんに見せた。
普段ならこんないやらしいことを言える男ではない、ぼくは。しかし、このカードを持つと、気が大きくなるというか、欲望がそのまま出てしまう……?
なんだこれは。普段のぼくは女性にセクシャルハラスメントなんて出来るはずのない小心者なのに……
「はい、わかりました」
お姉さんは髪を解いてメガネを外す。
お堅い感じは残っているが、美人であった。
実のところ、ぼくにはそれがわかっていたのだ。
「おっぱいも大きいですよね」
「はい」
無表情に胸のボタンを外すと、その下から大きなブラジャーのカップが現れた。
こちらも一目見たときからわかっていた。
このお姉さんは職務上地味な格好をしているだけで、一皮剥くと巨乳の美人なのだ。
シャツの間から見えるブラは黒っぽい。セクシー系ではなく、実用的で地味なものだ。おそらく白いシャツに浮かないようにしているのだろう。
「なるほど、やっぱり大きいですね」
ブラの上からむぎゅっとつかんだ。
「んっ……」
手のひら一杯にボリュームのあるものが。
やわらかいかもしれないが、しかし、下着越しではよくわからない。
ぼくは布の内側に指を入れる。
するとその指が乳房に埋没するのである。
そうか、おっぱいとはこういうものなのか……
ふにふにと楽しむ。
何か固いものに触れた。
「んんっ……」
お姉さんが無表情のまま吐息を漏らす。
「これひょっとして乳首ですか?」
「……はい、乳首です」
ぎゅっと押して埋没させる。
くりくりとこね回す。
これは楽しい玩具だ。
「んふっ……」
お姉さんの声が深くなってきた気がしてきた。
「なんでこんなに固くなっているんですか?」
「わかりません……」
「興奮してるんですか?」
「そんなはずがありません」
もちろんそうであろう。
いきなり赤の他人に胸を触られて興奮するはずがない。
なのだが――
乳首を人差し指と親指で押しつぶす。
「ひああっ!」
すごい大きな声が出た。
セクシーな高い嬌声であった。
なるほどこれが大人の女性か。
ここまで騒いでるのに、まわりの人たちはまったく気にしていなかった。ここお役所で市民も大勢いるんだけど……
まるで窓口で卑猥な行為をするのが当然という雰囲気であった。
これがこのカードの力ということか。
「それでは挿入したいのでパンツを下げてください」
ぼくはそうお願いする。
経験がないので前戯がどうとかはまったくわからなかった。もちろんこんなところでおっぱじめてしまってはムードもへったくれもない。なにしろ役所で人前である。
しかし、先ほどからおちんちんが勃起してしまっていてつらかった。正直言うとお姉さんを見ただけでずっと勃っていたのである。
「わかりました」
お姉さんは立ち上がると黒いタイツごと下着を下ろした。
パンツも黒であった。
清楚やセクシーというよりも、やはり地味を感じてしまう。
しかしこのタイトスカートからはみでそうなデカいお尻を見て欲しい。
おちんちんが痛いほどに膨らんでしまう。
「ぼくのズボンを下ろしてください」
「はい」
しゃがんでカチャカチャとベルトを外すお姉さん。初対面の知らない人にこんなことをさせるだなんて……
女の子に声をかけることすら出来ないぼくにとっては信じられないことだ。でも、なぜかいまそれが現実となっている。
ズボンを下ろすと、固くなった息子がパンツを押し上げていた。
「あらっ」
さも意外そうにつぶやく。
ずるりとパンツまで下ろす。
ぼくの陰茎があらわになった。
まじまじと間近から眺めているお姉さん。
人に恥ずかしい部分を見られてしまった。
恥ずかしいと同時に興奮する。
「まあ……」
ビクビクと力が入って上下に動いてしまう。
一歩間違えたらこのまま射精してしまいそうだ。
「ど、どうですか、ぼくのおちんちんは」
「わからないけど……すごそうです」
普通より大きいとか変とかはないと思うんだけど、なにがすごいのだろう。
「入れるので後ろを向いてください」
はい、とお姉さんはカウンターに手を突いて、お尻をぼくに向ける。
タイトスカートの裾を持ち上げると、それは大きくて真っ白な桃であった。
その中央の真っ赤に熟したスモモは……生で見るのは初めてなのでわからないが、ぬるぬるになってないか?
汁が糸を引きそうだ。
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(製品版に続く)
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