【淫魔に敗北する聖天使ソフィア】
真夜中の闇に包まれた都会の一角。
ネオンの煌めく通りを、酒に酔い千鳥足になりながら行き交う人々。機嫌をとり、必死に客引きをしようとする男たち……
誰一人として、路地裏で対峙する陰と陽の存在に気づいていない。
行き止まりを背にして立つのは、大きなサングラスとマスクで表情の殆どを覆い、膝まで届く黒のロングコートを羽織った、見るからに怪しい風貌の大女。そして……

その大女の視線の先、軽いヒールの音を響かせながら、金髪の美女が優雅な足取りで歩み寄る。
フェミニンなコスチュームを身に纏い、鋭い視線と手にした杖で静かに相手を威圧するその姿……
大女に向けてピンとそり立つネコミミは紛れも無く天使か、あるいはフェレスティアの証である。

「噂は聞いてるわ、聖天使ソフィア……」
氷のよぅな冷たい声が、彼女の名前を口にする。
ソフィアと呼ばれたその天使は、鋭い視線から一変して柔らかい笑みを浮かべると、なんとも艶やかな声で話し始める。
【サンプル②】「ふふっ、それなら話が早いわね。悪戯好きの淫魔さん♪」
穏やかな口調ではあるものの、手に握られた杖は黄金色の魔力を帯び、いつでも魔法を放てる状態で黒づくめの大女に向けられている。
ソフィアが背にしている角を曲がり、狭い路地を抜けた先は、人々の行き交う繁華街だ。
逃げようとすれば容赦なく殺す……、その覚悟が、杖に満たされていた。
「知っての通り、すぐそこは繁華街だけど……、こんなところで何を企んでるのかしら?」
「………」
「先週、隣町で家出してた女の子が行方不明になったの。一昨日には駅の近くの飲み屋通りで、帰宅途中の女の子が行方不明になった……」
「……へぇ、最近の天使は人間界の事件なんかに首突っ込むようになったのかい?」
「アナタこそ、随分と大胆に出たものね。堂々と人前に姿現して、人間を誘拐するなんて」
場の緊張が高まる。大きなサングラスの下で、淫魔の瞳が赤い光を灯した。
人間界での失踪事件に魔族が関わるケースが、近年になって頻発している。
当初は魔力の補給源に困った淫魔が苦肉の策で生身の少女を餌食にしているものと思われていたが、聖天使ソフィアはその優れた情報収集能力を駆使し、一連の失踪における黒幕の存在を炙り出していた。
人間が仕切っていると思われる組織が人間界に潜伏する淫魔や妖魔に誘拐を指示し、その見返りとして隠れ家や資金を提供しているのである。
「何の話かしらねぇ、人間なんて誘拐して、何の役に……」
「つまらない芝居を聞きたいわけじゃないの。淫魔を三匹潰して、アナタの存在を吐かせたのよ」
「………」
「噂は聞いてるって言ったわよね? 私の周りで勝手な事をしておいて、自分だけは見つからないとでも思っていたの?」
「ふん、人間が誘拐されたからって、なんで天使がしゃしゃり出るのさ? フェレスティアでもないただの人間よ? 天使連中には関係ないコトじゃない」
「相手が誰なのか……、それはどうでもいいの。アナタが魔族であること、それだけでも理由は十分なんだから」
「へぇ、そうかい……、確かにそうかもしれないねぇ……、アハハ、アハハハハッッ!!」
辺りに高笑いが響き渡る。
一瞬怪訝な表情を見せたソフィアは、ふわふわのネコミミを頻りに動かす。声を聞いて人間に見つかれば、厄介事になりかねない。
しかし幸いというべきか、繁華街を行き交う人々にとっては、どこからともなく響く高笑いなど興味の対象ではなかったようだ。
「それで、あたしにどうしろっていうのさ? 天界に連行して尋問でもする気かい?」
「天界……? あんなややこしい所には連れて行かないわ。アナタがどこと繋がってるのか、他の淫魔がどこに隠れてるのか、今ここで全て、吐いてもらうの」
「吐いてもらう……? あたしはそんなつもりないけどねぇ。それに、吐いたところで相手は人間よ。それこそ天使が手出しできる相手じゃないじゃない」
優しさを見せていたソフィアの表情が、次第に険しくなってゆく。
「それともあんた、あたしに代わって奴らと取引でもするつもりかい? 人間界にいる天使なんて天界から追い出されたはぐれ者ばっかりらしいからねぇ、奴らと取引すれば………ッッ!!?」
淫魔の言葉を遮るように、杖の先端から鋭い稲妻が放たれる。
淫魔の頬を掠めた閃光は、マスクの耳掛けとサングラスのフレームを容易く切断し、淫魔の素顔を顕にさせた。
殺気立ったその顔が、しかしすぐに不敵な笑みを浮かべる。
「たかがはぐれ者の天使が、天界の後ろ盾もなしに人間界で何ができるっていうんだい?」
「そうね、アナタを拘束して、死を懇願するほどの苦しみを与えながら、欲しい情報を全て吐かせる……、それくらいは簡単にできるわよ? アナタのお友達にそうしたように」
「ふん、そんな脅しで、このあたしが口を割るとでも思ってるのかい?」
笑みを崩さない淫魔に対し、聖天使ソフィアも自信に満ちたその美貌で、口にする言葉への自信を窺わせる。
「答える気がないならそれでいいし、むしろそのほうが好都合ね」
「………!?」
「答えたことが事実なのか、どうせそのデカい図体に"訊かないと"いけないんだから。だったら最初から身体に訊いた方が手っ取り早いでしょ?」
殺るか、殺られるかしかない、その現実を悟ったのであろうか、淫魔の表情から不敵な笑みが消え、殺意に満たされてゆく。
「ふふっ、こう見えて私、身体に訊くのがすっごく得意なの……、覚悟してちょうだい、ね♪」
相対する美しき天使は、可愛らしい笑みを見せながらもしかし、豊富な実戦経験に裏打ちされた絶対的な自信を覗かせる。
両者の間に、それ以上の言葉は必要なかった。
突如切って落とされた戦いの火蓋、体格で圧倒的な優位に立つ淫魔が、先手必勝でソフィアに襲い掛かる。
二メートル近い巨体はしかし、常識外れの恐るべき瞬発力を発揮する。
流石はこの一帯で淫魔らを仕切っていただけあり、大胆な行動はその実力故のものであったのだろう。
もちろんソフィアは、この巨体から繰り出される馬鹿力に備えて可能な限り間合いを取っていた。
だが、淫魔がソフィアの眼前で拳を振り上げるまで、かかった時間はものの一秒にも満たないものであった。
「………ッッ!!?」
鉄拳を振り下ろそうとした淫魔が目にしたのは、余裕に満ちた聖天使の笑みであった。
直後、文字通り"光速"の一撃が炸裂し、筋肉に覆われた巨体を軽々と吹き飛ばしたのである。
***
淫魔とは言うなれば妖魔の下位種であり、高度な魔法を使うことができない。
魔力で劣る分、気配を消し去ることには妖魔より長けており、人間界の潜伏には向いている種とされている。
尤も、あくまでも『長所として解釈した場合』の話であり、淫魔の戦闘力が妖魔に劣るという現実が覆るわけではない。
それ故に淫魔らは肉体を駆使する。唯一の長所を徹底的に鍛え上げる。
鍛錬により、時には妖魔や天使といった魔法を駆使する種に打ち勝つほどの戦闘力を手にする淫魔も現れる。
……しかしそれは、運よく相手の実力が劣っていた場合とも言えるだろう。
淫魔に『はぐれ者』と罵られたソフィアはしかし、天界でも特に高い知力と戦闘力を求められる諜報局に所属していた天使だ。
魔界に潜伏し、優れた情報収集能力で重要かつ正確な情報を天界に齎すことで、驚異の排除を幾度とお膳立てしてきた。
その過程で窮地に瀕したことも一度や二度の話ではない。当然、潜伏中の天使に友軍からのバックアップなど存在せず、ソフィアはその度、己の実力のみで窮地を乗り切ってきたのだ。
天界における裏方業である諜報局に所属していなければ、多くの功績を残し大天使の名を冠する存在となっていただろう。優れた力、なにより類稀なセンスを持つ天才肌の天使であったことは間違いない。
いくら淫魔が鍛錬を積んだところで、ソフィア程の天使が相手になれば、勝機など微塵も存在しない……、はずであった。
しかしながら、路地裏での戦いから小一時間が経過した今、繁華街から少し離れたラブホテルの一室で、聖天使ソフィアは淫魔の前にあられもない姿を晒していたのである。

「………くッッ!! ………んぅっっ!!」
「あらあら、いよいよ声がガマンできなくなってみたいねぇ。可愛らしい声、まるで仔猫ちゃんみたい❤」
ダブルサイズのベッドの上で、豊満な乳房を曝け出し、はしたなく股を広げる聖天使ソフィア……
美脚の付け根に位置する秘められた『聖域』を無防備に晒し、あろうことか淫魔の手で好き勝手に嬲られていた。
恥裂から溢れ出す汁を塗りたくる様に股間を擦られ、欲情が昂ってきたきたところで、勃起したクリトリスを抓むように刺激される……
「ん゙ん゙っっ!! くぅッッ………!!」
淫魔の巧みな手淫により、正義のコスチュームに飾られた躯体から、淫らな本性が引きずり出されてゆく。
「クリちゃんこんなに勃起させちゃって……、相当使い込んでる大きさねぇ、コレは……」
「………ッッ!! 気安く……触らないで……!! ……っっはぁあぁぁぁぅぅッッ!!!」
限界勃起の陰核を軽くシゴかれ、ソフィアは他愛もなく気をやってしまう。
押し寄せる快楽に抵抗ができない……。いくら気を強く持とうとしても、淫魔の指先が為すがままに、内から溢れる欲求が暴かれてゆく。
「随分と敏感なのね❤ オナ禁でもしてたのかしら? それとも、ただのオナ狂いさん?」
(………ッッ!! コイツ、だけは……、必ず殺す……!!)
屈辱的な質問にも、イカされたばかりのソフィアには殺意を込めた瞳で睨み返す以外にできる抵抗はなかった。
実践では勝るはずの聖天使であっても、ひとたびベッドの上に乗せられてしまえば、淫魔にとってそれはただのオモチャでしかない。
……しかしそもそも、何故に天才肌の天使と言われたソフィアが、淫魔の独擅場であるベッドの上で、こうもあられもない姿を披露しているのだろうか?
***
――路地裏での戦いに遡る。
先手必勝で襲い掛かってきた淫魔を、ギリギリまで引き付けて魔法の一撃で返り討ちにしたソフィア。
しかし、魔法の一撃を受けて吹き飛ばされたはずの淫魔は、間もなくしてゆっくりと立ち上がったではないか。
「………!?」
「ふぅ……、なかなかキクじゃない、アンタの魔法……。でも、その程度じゃアタシは倒せないわよ」
赤い瞳を血走らせ、再び巨体が襲い掛かってくる。
(攻撃は確かに当たったはず……、筋肉を貫通できなかった……?)
驚異的な身体能力を実現するために淫魔の肉体は相当鍛えられている。増強された筋肉が衝撃を吸収した可能性も考えられるものの、しかしあれほどの至近距離で魔法を浴びせてこうもピンピンしているとは、にわかに信じがたい……
だが、いくら疑ったところでこうして再び襲い掛かってきているというのが現実だ。人々に気づかれないよう、極限まで引き付けて魔力の出力を絞ったのが裏目に出たか……
淫魔の攻撃をいなしながら状況を分析したソフィアは、導き出した答えにいささか不信感を感じながらも、再び攻勢に出るチャンスを窺う。
「自慢の魔法はもう終わりかい!?」
淫魔の巨体が突進を繰り出す。質量で押しつぶす気か、もしこちらが下手に避けでもしたらそのまま繁華街に逃げ出すつもりだろう。
杖に素早く魔力を装填しながら、突進をギリギリまで引き付ける。そして……
(これで……、終わらせる……!!)
杖から放たれた閃光は淫魔の腹部を捕らえ、軽い爆発音が辺りに響いた。
先程の数倍まで出力を上げた一撃……、致命傷になった可能性もあるが、ここで取り逃がすよりは……
巻きあがった砂埃が落ち着き、視界が開ける。
「………ッッ!!? そん、な……!!」
沈着冷静なソフィアも、この時ばかりは感情を滲ませ、唸る様に呟いた。
目の前に淫魔の姿は無く、あるのは唯一……背後にそびえる、強大な殺気だけであった。
「捕まえた……❤」
「………ッッ!! ぐあぁぁぁッッ!!!」
悲痛な声が裏路地に響く。ソフィアは逃げる間もなく、鍛え上げられた丸太のような巨腕に羽交い絞めされてしまったのである。
圧倒的なまでの力の差に為す術もなく、淫魔の手にした布切れで口元を塞がれてしまう聖天使ソフィア……
(コイツ……、しびれ毒を……!?)
布から染み出す甘い異臭は、わずかに嗅いだだけで魔力が乱れるほどの強烈なものであった。
羽交い絞めにされた拍子に手放してしまった杖を再生成しようとするも、たった一嗅ぎしただけで全身が軽いしびれを催し、満足に魔力を練ることができない。
天界で身に着けた数多の格闘術、そして人間界で密かに習った護身術も、この圧倒的な重量差の前ではあまりに無意味なものであった。
淫魔の表情には余裕の……、否、嗜虐的とでも言うべき笑みが浮かんで見える。
それもそうだろう、こうなってしまえば聖天使も生娘と同然、あとは息が切れてしびれ毒を吸いこむまで、ただこのまま待てばいいだけなのである。
自信に満ちていた神聖な美少女が、自らの手中で無駄な抵抗を繰り返し、そして力尽きる……
淫魔にとっての至福の瞬間は、さして間を開けずに訪れた。
【製品版では敗北シーンのラフイラストが挿入されます】
「ゔぅッッ……!! ゔッ、ヴゥ゙ッッッ!!!」
必死に手足をばたつかせていた華奢な躯体が、一変してガクガクと痙攣を繰り返す。息が切れ、毒を吸いこみ始めたのだ。
「ヴゥ゙ッッッ!! ふー、ふー……ッッ!! んぉおおッッ……!! お゙ぅ゙ッッッ!!! ぐぅゔぅ゙ぅ゙ぅ゙ッッッ!!!」
白目を剥きながら大粒の涙を溢し、爪先立ちになって痙攣するロングブーツに失禁を撒き散らしながら、ひたすらにもがき苦しむ聖天使ソフィア……
執拗に嗅がされ続けるしびれ毒に肺を満たされると、遂にソフィアの全身はぐったりと脱力し、虚ろになった眼差しをカクンと地面に向けてしまう。
半開きの口元からは大量の唾液が滴り、そのあと暫く、情けない失禁の音色がジョボジョボと裏路地に響き続けた。
***
――それから淫魔は、大胆にもタクシーを呼んで力尽きたソフィアをホテルまで運んだのである。
その道中、脱力しきって抵抗力を失った聖天使は希釈した毒液を口元にあてられながら、自らの敗因を耳元で囁かれ続けた。
『なんで魔法が効かなかったか、不思議に思ってるんでしょう?』
『ふふっ、このコート、強化素材でできてるの……。アタシら淫魔って、金なんか貰っても使い道ないじゃない? だから、金の代わりにコレを作らせたの……』
憎らしい顔が勝ち誇った笑みを見せる。
抵抗したいが、身体に力が入らない。胸が締め付けられているように苦しくて、必死に空気を貪ろうとすれば、布に染み込んだ毒が肺に流れ込んでくる。
……収集した情報は確かなものであった。誤算だったのは、この淫魔が想像以上に人間界に踏み込み、そして黒幕の人間もまた想像以上に、この淫魔に肩入れしていたことである。
「とめ……て……、はぁ……、はぁ……ッッ!! おね……が……、と……め……」
このままではマズい……、窮地を脱しようと、カラカラになった喉から擦れた声を絞りだすソフィア。
「どうかしましたか、お客さん」
「んーん、なんでもないの。この子ったらホテルまで待てないみたいで、ねぇ、仔猫ちゃん」
何事もなかったかのように取り繕う淫魔の表情は、まるで微かな抵抗を踏みにじってそれを楽しんでいるかのようであった。
ソフィアの膝上に跨ると、助けを求める口元を大胆なキスで覆い塞ぐ。淫魔の体液には強力な媚毒が含まれていた。
為すがままに口内を蹂躙されるソフィアは、悔しさの涙を滲ませながら全身をビクビクと痙攣させる。
せめて相手が巨漢であれば、運転手も異変を察知しただろう。
相手が女であるが故に……、いや、淫魔自身、その性別を最大限に利用しているからこそ、ここまで大胆なマネができるのだ。
「んっ……!! んぶっ……!!」
「ちゅ……、ちゅぶ……、ぢゅぅぅぅ……」
しつこいキスで口内を犯しながら、特濃の媚毒唾液を注ぎ込む淫魔。
力の入らない身体、そして口元まで塞がれ、すぐ目の前にいる人間に助けを求めることもできないまま、ソフィアは再び白目を剥いてしまったのである。
「……着きましたよ、お客さん」
呆れた口調で運転手が言うと、ようやく淫魔は唇を放した。
「ごめんなさいね、この子ったらキスだけでイッちゃったみたいで、シート濡らしちゃったの……❤ これ、クリーニング代にしてちょうだい」
2000円そこらの会計に万券を渡して釣りを断った淫魔は、虚ろな眼差しで口元をパクパクと動かすソフィアを担ぎ上げ、ラブホテルのロビーに入ってゆく。
呆れ顔から一転して上機嫌の笑顔で送り出す運転手は、迷惑だが羽振りのいい客だとしか思わなかっただろう。
***
淫魔にとって行き付けの場所だったのか、はたまた裏でなんらかの手引きが働いているのか、ろくに受付けもせずにソフィアはこの部屋に運び込まれた。
見るからに下品な雰囲気の室内は、媚毒のお香で満たされていた。
魔族の使う芳香の中でも一般的なもので、天使やフェレスティアの魔力に反応して強い催淫作用を引き起こし、脱力状態を促す代物だ。
一般的であるが故に、本来であれば解毒魔法で簡単に無力化できるはずだが、路地裏で嗅がされた毒があまりに強すぎ、ソフィアの魔力の流れは完全に乱されたしまっていた。
コートを脱ぎ、おぞましい造形のペニスバンドを装着する淫魔の姿を虚ろに見据えながら、充満する媚毒を吸いこみ続けることしかできなかったのである。
見せつけるかのようにペニスバンドを装着した淫魔であったが、しかしすぐにそれを使うとはしなかった。
言葉すら紡ぎ出すことができずにいる聖天使を相手に、その傍らに腰を下ろした淫魔は、慣れた手つきでまずは豊満な乳房を露出させる。
「や……め……、ッ……!!」
辛うじて拒絶の意思を示すソフィアに対し、実に底意地の腐った笑みを見せてから、豪快に乳房へむしゃぶりついた。
マシュマロのような弾力の乳房をじっくりと吸い上げながら、やらしい舌使いで乳首を舐め上げてゆく。
するとどうだろう、淫魔の舌に玩ばれる乳首はすぐに勃起を催し、舐め上げられる度に甘い痺れをソフィアの脳裏に焼き付けたのである。
(くぅ……!! だ、唾液で……、乳首……が……!!)
何が起こっているか理解はできても、ただそれを受け入れるしかなかった。
淫魔の唾液が持つ催淫作用は経口摂取せずとも十分な効力を発揮し、こうして舐められるだけでもその部位の感度は数倍にも向上してしまう。
ましてや既に濃厚なキスで媚毒を流し込まれ、呼吸をするたびお香を吸い込んでいるソフィアの身体は、淫魔の愛撫に対して情けないほど敏感な反応を示していた。
豆のように固く勃起した乳首をしつこく舌でこねくり回されると、まだ片方の乳を玩ばれているだけだというのに、聖天使の躯体はやらしい痙攣を繰り返す。
淫魔は数十分をかけて、じっくりと乳首を下ごしらえする。
股間に装着したペニスバンドを使えば、捕らえた聖天使を容易くイキ狂いにできただろう。
猛毒で痺れていたソフィアが相手なら、手篭めにするのも容易かったはずだ。にも関わらず、淫魔はネチネチと乳首ばかりを舐め、吸い、甘噛みして、玩ぶ様に獲物を甚振る。
裏路地で吸わされたしびれ毒の効力がようやく薄らいできた頃、ソフィアの両乳首は弾け飛びそうな程の限界勃起を見せつけ、先端から母乳を滲ませる有様であった。
「正義の天使サマが、乳首だけで何回イッたのかしら……?」
「………ッッ!!」
その質問に、ソフィアは言葉を返すことができなかった。当然だろう、フリルのあしらわれたスカートをぐっしょり濡らすほど、愛液をしぶかせていたのだから……
せめてもの思いで殺気立った視線を向けるも、淫魔はソフィアの瞳に反抗心が蘇ったことを確認すると、それだけで実に満足げであった。
幾多の修羅場を潜ったソフィアさえもたちまち無力化し敗北へと導いたしびれ毒は、ようやくその効力を潜めてきている。
しかし、ソフィアの身体は既に別の毒で冒されきってしまっていた。
淫魔の分泌する媚毒、そして部屋中に充満する魔界のお香が、欲情という名の毒となり、聖天使の肢体を淫らに狂わせているのだ。
乳首もアソコも、熱く疼いて仕方が無い……、いくらしびれ毒が抜けてきたとは言え、全身が欲情し魔力を集中できない状況では十分な抵抗など不可能だ。
「乳首だけで潮吹き散らしてるところ悪いけど、こんなのまだ序の口なのよ。時間はいくらでもあるわ。じっくり、時間をかけて楽しみましょう❤」
「……異種族に敬意を持たないゲスなのは知ってたけど、こんな事する為に人間に媚びへつらってたなんて、魔族の自尊心もとことん見下げたものね」
何故、この淫魔がこうも回りくどいやり方をしているのか……、その意味を悟ったソフィアは、今にも濡れそぼった股間に手を触れようとする淫魔に対し、侮蔑の言葉を吐きつける。
……そう、この悪趣味な淫魔は『抵抗し、悔しさを顕にするソフィアを犯すため』に、わざわざ毒が抜けるのを待っていたのだ。

淫魔の思惑通り、それからソフィアはプライドを引き裂かれるような屈辱を味わい、思いつく限りの侮辱で淫魔を罵りながらも、幾度となく気を飛ばし続けた。
乳首に続き、ぐしょぐしょに濡れた股間を激しくマンズリされたソフィアは、隠しきれない欲情をじっくりと引き出されていった。
恥ずかしくて……、そして何より悔しくて、たまらなかった。
それでも、憎しみの視線を向けて罵声を浴びせることだけが、囚われの聖天使にできる唯一の抵抗であった。
一方の淫魔は獲物の無駄な抵抗を愉しみながら、執拗な愛撫でもって神聖な肢体をじわじわと追い込んでゆく。
やがて口汚く罵るばかりの抵抗にすら、欲情の昂りに呼応して抑えきれない喘ぎの声が混じりだし、遂にはソフィアが罵ることをやめ、喘ぎ声を押し殺すことに必死になった頃合いを見計らい、淫魔はそれまで勿体つけていたクリトリスに強い刺激を与えた。
……入念なマンズリにより小指の先ほどまで勃起したクリトリスをシコシコとシゴかれるのだ。いくら誇り高き聖天使とは言え、齎される快楽の強烈さに為す術などなかった。
知性はもちろん、怒りや矜持すら押し流されるほどの恥辱に溺れながら、神聖なコスチュームに飾られた肢体を激しく痙攣させ、為すがままに女の本性を丸出しにされる聖天使ソフィア。
品のないピンク色のシーツを長手袋で必死に掴み、大人びたロングブーツの中で恥じらいもなく足指を丸めながら、被虐の聖天使はクリイキの極楽に激しくイキ果てたのである。
「あらあら、淫魔に見られてるのに随分と激しくイクのねぇ。イク事すら隠せないような聖天使サマが、大事な秘密を守れるのかしら?」
「はぁ……、はぁ……、少し思い通りになったからって……、あまり調子に乗らないで……!! どんなに身体を穢されても……、心だけは絶対に屈しない……!!」
「あぁぁん!! いいわよ、その意気……、それにその目つき……!!」
大きく息を吐きながら天を仰いだ淫魔は、興奮で声を昂らせながら背筋をゾクゾクと震わせる。
「徹底的に抗うつもりならそれでいいわ、むしろそのほうが好都合よ……♪」
「………ッ!!?」
「こう見えてアタシ、身体に訊くのすっごく得意なの……、ふふっ、覚悟してちょうだいね❤」
路地裏で戦いの前にソフィアが言い放ったセリフ……、それが淫魔の口から模倣され、ソフィア自身に返される。
「………貴様ァ!! ………あぐぅぅッッ!!」
柄にもなく怒りを爆発させたソフィアであったが、直後、股間を貫いた衝撃的な快感に思わず身体を捩らせた。
「ふふっ、やっとオマンコのナカを弄ってもらえて、さぞかし嬉しいでしょう……? まずは許しを懇願するほどの快楽を与えて、ドコがキモチいいのか全部吐かせてアゲルわ❤」
散々の愛撫で本気汁が垂れ流しになった膣内を、冷たい指先がぐちゅぐちゅと掻き回す。
マンズリとは比べ物にならない快感……、いや、この程度の行為なら普段の自慰でもしているはずだが、膣内を軽く掻き回されるだけで耐え難いほどの快感が押し寄せてくる。
これが……、これこそが、数多の聖少女らを毒牙にかけてきた魔族の恐ろしさである。気を許せばすぐにも果ててしまいそうな心地よさに、しかしソフィアは唇を噛み締め、必死に声を押し殺した。
(これ以上……、こんな奴の好きにはさせない……!!)
聖天使のプライドに懸けて心に誓い、反撃の糸口を模索し始めるのであった……
***
かつて、ソフィアが天界の諜報部隊に所属していた頃……
情報収集の才能において、彼女の右に出る者はいないと言われていた。
敵地の奥深くまで潜入し、魔族の中でも極限られた要人しか知り得ない情報を、幾度と天界にもたらした。
天界がソフィアから受けた恩恵は、計り知れないものであっただろう。
事実、公に敬意を表される機会など存在しない諜報部隊の中で、誰も成しえなかった大天使への昇格を、間近に控えていたのだ。
それが……、たった一度の任務の失敗で、全てが失われた。
地位も名誉も失い、プライドまで引き裂かれた聖天使ソフィアは、癒えることのない凌辱の傷跡を背負い、人間界へと左遷させられた……。

「……うっ!! ……んっ、くぅッッ!! そ、そこッッ……、はぁあぁぁッッ!!」
「ココがいいのね……、ほら、好きなだけぐちゅぐちゅしてあげるわよ❤」
「あっ、くぅぅッッ!! ………ッッ!! あぁあぁぁッッ!! だ、だめぇぇッッ!!」
膣内の弱い部分を淫魔の細指に責め立てられ、ソフィアの聡明な知性がチリチリと焼き付く。
こんな奴の好きにはさせない……、そう誓ってから数十分の後、聖天使ソフィアは反撃の機会など一切見出せないまま、下劣な淫魔の手淫に浅ましくよがり狂っていた。
かつて魔族の手によって刻み付けられた凌辱の傷跡……、膣内に植え付けられた快感のツボを、淫魔の巧みな手淫が容赦なく暴き立ててくる。
対するソフィアは、反撃に出るどころか絶頂を堪えることすらままならなかった。
いくら気張ろうと、女の本性を顕にされた肢体は淫魔の指先が感じるツボを刺激する度にはしたない息遣いや腰の痙攣を披露し、外道に対してそこが心地よい部分である事をあっさりと暴露してしまうのである。
Gスポットを含む3ヵ所のツボを探り当てられてしまったソフィアは、淫魔の手淫に為すがままイカされ続けた。
膣壁全体をほぐすように刺激された後、十分な発情を見計らって感じるツボを押し上げるようにグリグリと圧迫されると、聖天使は呆気なく喘ぎ散らし、容易く頂点へと昇り詰める。
悔しくて……、情けなくてたまらないのに、その全てを呑み込むほどの快感に襲われるたび、せめて理性が飛ばされないよう必死に耐えることしかできなかった。
「くぅッッ!!! くぅうぅぅぅッッッ!!!」
日々のオナニーとは比べ物にならない快感に、頭が真っ白に染まってゆく。
黒手袋をギリギリと噛み締め、ロングブーツの足先をピンと突っ張らせなければ、到底耐えられる快感ではなかった。
淫魔の手で達している自分がどんなに惨めで、情けない姿を晒しているかなど、もはや考える余裕もなかっただろう。
……しかしこれほどの恥辱でさえ、敗北の聖天使を待ち受ける快楽地獄の序章でしかなかったのである。
***
それから更に小一時間が経過した。
淫臭と汗臭さの混じった下品な空気が充満する部屋の中、ギシギシと軋むベッドの上に、あられもない絶叫を響かせながら背筋を反らせるソフィアの姿があった。

「いぐっ!!! いぐっ、いぐっ、いぐぅぅッッ!!! イグゥウゥゥゥッッッ!!!」
「ほぅら、素直に答えるまでいつまでも続けるわよ?」
「はぐッッッ!!! はぁあぁぁうッッッ!!!!」
イッたばかりの膣内を容赦なく蹂躙され、休む間もなく次の絶頂へと導かれていく聖少女ソフィア……
淫魔の巧みな指使いが、盛りきったGスポットをこそぐように穿ってくる。
「ほぁあぁぁぁぁッッッ!!!! うっ、くぅぅッッ!!! んぐぅぅぅぅぅッッッ!!!!」
余韻に浸る間もない連続絶頂……。仰け反りかえった美しき躯体が、汗を撒き散らしながら激しくのた打ち回る。
「ふふっ、そろそろ言う気になったかしら? クリとオマンコ、どっちがキモチいいか……❤」
「はっ、はっ……!! はぐぅぅッッ!! お、おまんこ……ッッ!!! おまんこキモチ……いッッ!! ひぐぅぅぅッッ!!!」
終わることのない快楽地獄から逃れる手段はただひとつ、聖天使としてのプライドを差し出すことだけであった。
諜報、つまりは敵対者の秘密を暴く行為を何よりも得意とするソフィアにとって、己の浅ましき性の秘密を暴かれることは何よりも屈辱である。
しかし、一体幾多の聖少女を堕としたとも知れない淫魔の手淫は、プライドも屈辱も何もかも忘れてしまう程の快楽をソフィアに与えてくるのだ。
イッてもイッても終わることのない容赦のない愛撫により自慰では達することの無い頂に導かれる度、真っ白に焼き尽くされる脳裏に悪夢のような記憶が蘇る。
(これ以上……、これ以上流されちゃだめッッ……!! 抵抗……しないと……!! また……魔族の言いなりに……ッッ!! あぁああぁッッ!!!)
魔族に囚われ、地下施設で搾取奴隷として犯され続けた地獄の日々……、いくら記憶から消し去ろうとしても、身体の奥底に植えつけられた肉欲が消えることはない。
聖少女にも人並みの性欲は存在する故に日頃から自慰は行うが、魔族に虐げられた過去を持つソフィアは、その後遺症からかなりキツイいオナ癖を持っていた。
発作的な肉欲が生じる度、忘れなければいけない忌々しい凌辱の記憶をオカズに、激しい自慰に没頭する日々……。
それでも、どんなに激しく自慰をしても、絶頂い昇り詰めて指先の動きを止めれば、そこで快楽は遮断される。
もう十分だと思えばそこで止めることもできるし、あるいは絶頂の余韻にじっくりと浸ることもできる。
だが、淫魔の快楽責めはそんな生易しいものではない。
絶頂に達してもその余韻に浸る間も与えられないまま、更なる快感に襲われる。
Gスポットを集中的に刺激してくる指先の動きに呼応し、ソフィアの躯体は制御不能の痙攣を何度も繰り返した。
美しき聖天使は頭の中が焼け付きそうな苦悦の中でもがき苦しみ、そして快楽から逃れたい一心で藁にも縋るように痴情を暴露する。
かつて魔族に囚われた忌まわしき過去を暴かれ、凌辱の記憶を自慰のオカズにしているふしだらさを暴かれ、そしてしつこい愛撫で知り尽くされた性感帯をわざわざ自分の口で暴露させられ……
これらは当然、天使と魔族の戦いにおいてほぼ無価値と言える情報である。しかしそれを暴露させられることで、ソフィアの崇高なプライドはズタズタに引き裂かれていった。
浅ましく痴情を暴露した後に与えられる、束の間の休息。
じわじわと続く余韻の中、快感で焼け付いた脳が冷静さを取り戻すと、被虐の聖天使は快楽に蕩ける表情を必死に隠しながら、己の浅ましさを恥じ、これ以上は好きにさせないと決意を新たにする。
その反抗的な態度が、何より淫魔を悦ばせた。
「ねぇ、仔猫ちゃん……、アナタどれくらいの頻度でオナニーするのかしら?」
「………!!?」
「ふふっ、さっきオナ狂いなのか訊いたら物凄い殺気向けてきたけど、魔族に犯された体験を思い出してオナるような変態天使さんが、節度のあるオナニーなんてできるのかしら?」
「………ッッ!! どこまで調子に乗れば気が済むの……!! いつまでもこんな状態が続くと思ってるなら………ッッ!!? はぁゔッッッ!!!」
白濁の愛液に塗れた軽く割れ目をなぞられただけで、生意気な口からは素直な喘ぎ声が零れた。
「アナタこそ、こんなエッチなカラダにされてまだ勝てるとおもってるのかしら? いい加減気張るのやめて、素直になった方がラクよ。いいじゃない、オナネタ教えてくれたんだからオナニーの回数くらい言っちゃいなさいな❤」
戯言をほざく妖魔に対し、グッと下唇を噛み締め、あたかも思い通りにさせないという意思を見せつけるソフィアであったが、愛撫が再開されればものの数分と立たずに桃色の吐息を漏らし始める。
「ほら、すこし触っただけでアソコがドロドロ……❤ こんなエッチなカラダして抵抗なんかしても、惨めになるだけじゃない?」
「そんな……、こと……ッッ!! はぐッッ……!! はぁ……、………ッッ!! ………はぅ゙ぅ゙ぅ゙ッッ!!」
淫魔の責めは実に狡猾だ。まずはじっくりと時間をかけて、ねちっこい愛撫で身体を昂らせてゆく。
今度こそは負けない、今度こそは反撃を……、そう思い上がっている哀れな獲物に己の不甲斐なさを噛み締めさせ、そして括れた躯体が小刻みな痙攣を始めたところで、一番感じる部分を一気に責め立てる。
「あっ、あっ、あ゙あ゙っっ!! あ゙ぁあ゙ぁぅッッッ!!!」
甲高い喘ぎ声と共に、汗ばむ女体がエロティックに引き攣って見せる。
責める場所もタイミングも、全てを知り尽くした淫魔の手淫に翻弄され、決意も虚しく呆気ないイキ様を晒す聖天使ソフィア。
多幸感に包まれる中、しかし淫魔の責めはここからが始まりである。キュンキュンと締まる膣内で、細い指先が的確にツボを探り当て、コリコリと引っ掻くように犯してゆく。
「い、いまだめッッッ!!! いまだめぇぇッッ!!! ……んっっくぅぅぅッッッ!!!」
容赦ない追い打ちにイッたばかりの淫乱天使はひとたまりもなくよがって見せた。
必死に押し殺したような声に、細かく打ち震える汗だくの躯体……、意志に反してイキまくる身体で、それでも必死に耐えようとしている様は窺える。
「本当に敏感よねぇ、アナタのカラダ。大して開発もしてないのにこんなによがるなんて、さぞかしオナニーで"鍛え上げて"きたんでしょう?」
「………ッッ!! 愚弄……、するのも、いい加減に………、ん゙ぅぅぅッッ!!?」
有無も言わさず、しつこいGスポット責めが続けられる。
どんなに拒絶しようと無駄であった。身体が絶頂を欲し、快楽を受け入れ、意志とは関係なく何度も絶頂に昇り詰める。
歴戦の聖天使がたった二本の指先だけでまるでオモチャのようにイカされ続け、そして数分後には……
「あ゙ぁあ゙あ゙ぁあ゙あ゙あ゙あ゙ッッッッ!!! いぐっ!!! いぐッッ!!! イグゥゥゥゥゥゥ!!!!」
野太い断末魔を部屋中に響かせながら、痙攣する全身を限界まで仰け反らせていた。
無限に続く快楽、絶頂から降りてこられない恐怖の中、カラダの全てを知り尽くされたソフィアは、自分が聖天使であることも憚らずに羞恥を微塵も感じさせない激しいイキ様を披露してみせる。
「ふふっ、いいイキっぷりねぇ……❤ 毎日オナニーしてますって答えられるまで、ずーーーっと続けてあげるわよ」
擦れる意識の中、屈辱的な問いかけを続ける淫魔の声……。
答えればこの絶頂地獄から解放され、心地の良い余韻に浸ることもできる……
それでもソフィアは奥歯を食いしばることを選んだ。もはや取り返しのつかないほど恥を晒したが、だからと言ってこれ以上恥を晒し続ければ、天使としての種族の誇りまで穢すことになる。
それだけは……、それだけはなんとしても避けなければならなかった。
「ふーん、今度は随分と必死に耐えて見せるのねぇ。さっきなんかどこがキモチいいのか教えてくれるのに5分もかからなかったクセに……❤」
ソフィアが意地を張っていることに淫魔も気づいているようで、『聖域』を蹂躙する指先の動きはGスポットへの一点責めから、変則的にクリを擦ってくるいやらしい責めに切り替わってゆく。
(くそ……!! コイツ……、クリを……、あぁあッッ!!!)
軽くクリを擦られるだけで背筋を鋭い快感が奔り、理性がパチパチと火花を散らす。
なんとか耐えなければ……、この一晩は淫魔に蹂躙される現実を甘んじて受け入れるしかないが、時間が経てば必ず隙は生まれる。反撃の機会は残されている……
そう繰り返し自分に言い聞かせながら、ソフィアは極楽に達した肢体をビクビクと引き攣らせた。
「くぅッッッッ!!! くぅぅッッ!!! ヴッ………ぐぅッッッッ!!! ………はぁうッッッ!!?」
脳がチリチリと焼けた後、今までとは明らかに異なる感覚に見舞われた絶頂天使は、狂ったように打ち震えていた躯体を頓狂な悲鳴と共にガクンと跳ねあげた。
絶頂の最中に沸きあがる強烈な虚脱感……、何が起こっているのかはすぐに理解できた。
「あらあら、イキ潮と一緒に魔力まで漏らしちゃって……、だらしのない天使様なこと❤」
「ゔっ……、ゔぁ……ッッ!! あ゙っ……、でちゃッッ……!! はぅうぅぅッッ!!!」
絶頂に伴う魔力の放出……、かつて魔界で受けたこの屈辱的な快楽を、ソフィアは身体で覚えていた。
魔力は通常、安定した状態であればそう簡単に奪われることはない。
それが放出しているということはつまり、それだけ激しく魔力が乱れているということを意味している。
当然、そのような状態で戦闘など行えるはずがない。戦闘力の完全な喪失……、それは同時に、ソフィアがこの淫魔に完全敗北したことを意味していた。
(こんな……、こんなヤツの……、目の、前で……ッッ!! んぅぅッッ!!!)
膣内を遠慮なくホジられる度、うねる膣壁から愛液と共にじわじわと魔力が滲みだしてゆくのがわかる。
悔しくて、恥ずかしくてたまらないのに、雌膣から魔力を垂れ流す背徳的な快楽に思わず腰が震えてしまう。
身体も魔力も、押し寄せる快楽の前に完全なる屈服を示し、理性による制御は完全に失われてしまっていた。
それでも手淫は止まらない。引き攣る膣壁をぐちゅぐちゅと穿り回し、濃厚な愛液と聖天使のエナジーを容赦なく掻き出してくる。
「いい加減素直になったらどうかしら、仔猫ちゃん? もうわかってるでしょ? 反撃なんかできっこないって……❤」
「はぁっ、はぁっ……!! だ、誰が……!! 誰が淫魔、なんかに……、はぁああああああッッッ!!!」
拒むなら認めさせるまで……、そう言わんがばかりに淫魔の手淫が激しさを増す。
どんなに穢されても、心だけは屈服しない……。ソフィアは気力を振り絞り、下唇をキツく噛み締める。
***
……それから暫くして、歪な形のペニスバンドを腰に巻き付ける淫魔の隣には、ぐったりと横たわり吐息を荒げるソフィアの姿があった。
「ごめんなさいね、毎日欠かさずアナルまで使ってオナニーしてる変態天使様だなんて、アタシ全然知らなかったから……、指でおまんこ弄られるだけじゃ物足りなかったわよねぇ」
屈辱的な蔑みにも言葉を返すことすらできないソフィアは、欲情の収まらない躯体を時折にヒクつかせながら、ぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返す。
一体どれだけ犯され続けているのだろうか?締め切られた分厚いカーテンの向こうで日が差していることだけは確かだった。
魔力の放出が始まってからも絶え間なくイカされ続ける快楽拷問に、結局は毎日のようにオナニーしているという痴情を暴露させられた挙句、アナルを使い込んでいることまで明るみにされてしまった聖天使ソフィア。
淫魔が蔑むように口にする『変態天使』の言葉が心に刺さる。
いくら魔族に犯された後遺症があるとは言え、自分の自慰行為が常軌を逸しているという自覚と、それに伴う後ろめたさは常にあった。
だからこそ、その痴情をたかが淫魔如きに見抜かれ、蔑まれることが、悔しくて堪らなかった。
しかし今、どんなに恨み、悔しがっても、指先ひとつ満足に動かすことができない。
それが毒のせいなのか、散々溺れた快楽により魔力を乱されたせいなのか、定かではなかった。
性癖もオナニーの頻度も、全ての痴情を暴露したその口で、淫魔を罵ることもできず……
浅ましさの代償に手にした一時の余韻に浸りながら、ただただ罪悪に苛まれることしかできないソフィアの目の前に、歪な形をしたディルドが突き出される。
「お留守にしちゃってたアナルちゃん、このディルドで滅茶苦茶にしてアゲルわね❤」
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