---初旅---
それから気の向くままに徒歩での旅を開始した。初めは果物や木の実をすり潰して煮たものなどを食べて胃をならした。
「あいつは食べれるぞ」
と言うと同時に肉塊になる魔物。仕事早いね。
「じゃろ」
火の魔法で肉がこんがりと焼けていく。焼き目と焼き色がとても綺麗で美味しそうだ。
「食べてみるが良い」
「いただきます」
口の中に頬張るとたっぷりの肉汁が広がる。かなり熱いけど、美味い。久しぶりに肉を食べた。魔物の肉も調理次第なんだね。
「うむ」
それから無心で肉を食べ続けた。お腹いっぱい。のーたんは食べなくていいの。
「我は今お主と感覚を共有しておるからの」
自分の感覚がそのまま伝わるってこと。
「そうじゃな」
そんな事できるんだ、流石。
「じゃろ」
でもそれってエネルギーにはならないんじゃ。そっか、別に食べなくて大丈夫だったね。
「うむ、そういう事じゃ」
感覚リンクすると痛みとか苦しみとか辛くない。
「外的な要因は我が取り除くから安心せい」
内的な要因は。
「まぁ、できる範囲でケアするぞい」
至れり尽くせりだね。
「もう運命共同体みたいなものじゃからの」
いつの間にそんな関係に。夫婦を超越している。
「そのくらい当然じゃろ。何を今更」
そうだね。特に言われてみて違和感ないや。
「じゃろ」
人がいるとこに行ってみるのはどうかな。
「我はこのまま二人でも良いのじゃが」
確かにこのまま二人でゆんるりと旅するのもいいか。
「まぁ、色々経験するのも良いとは思うのじゃが」
それじゃあ旅の途中で、もしあったら街とか寄ってみる感じでいいかな。
「もちろんじゃ。それでいこうかの」
---next---