---ポンコ婦---

 職場によくミスをする主婦がいる。どうにかしてミスをなくしたいのだが何か良いアイディアはないだろうか。
 失敗したら一日セフレになってもらうとか提案したらどうだろうか。それなら失敗できないとなるだろう。いやいや、普通に考えてクビだな。それなりに仲が良いので冗談っぽく言ってみるか。

-数日後-

 ミスの現場に遭遇した。
「ちょっと最近多くないですか」
「ごめんなさい、私少しぬけてて」
 ちょうど周りには人がいない。
「えっ、少しですかね」
「結構ですよね」
「あんまりミスが続くとちょっと」
「そうですよね。どうしたらいいですかね」
「わかりました。今度ミスしたら自分の言う事を一つ聞いてください」
 悪戯を思いついたような顔で「えっちなお願いするんでしょ」と言ってきた。反省してないな。よし、これは乗っかろう。
「よくわかりましたね」
「えっ、冗談ですよね」
「そんなわけないじゃないですか」
「からかわないで」
 微妙に疑問系。戸惑っているのだろうか。
「いやいや、本当ですって」
「それじゃあ、そういうことにしておきましょう」
「今度ミスしたらお願いしますね」
「やっぱりやめたとか言わないでくださいね、傷ついちゃうから」
「そんなこと言うわけ無いじゃないですか」
 意外と簡単に提案する事ができた。さてこれで実際にミスをした時にどうなるのか楽しみだ。十中八九流されるだろうがそれでミスがなくなるなら問題ない。
 思いついた事はなんでも試してみないとな。何事も試してみることが大切だ。一度やって駄目だったら別の方法を探すだけだ。そうすればいつかきっとミスがなくなるだろう。
 その日は何事もなく仕事が終わった。もう効果があったのだろうか。まだ一日だけなので何とも言えないが。継続してくれると嬉しい。
 次の出勤の被る日、ミスがないのは良い事だと思っていたところ、やらかしていた。さてとどのタイミングで声をかけるべきか。
 帰りに二人きりになったタイミングで声をかける。
「いつにしますか」
「ふふ、何日がいいですか」
 おっと、素で返してきた。さすが人妻。このくらいは平気で返してくるか。それなら。
「えっと」
「早くしないと帰っちゃいますよ」
 これ誰かに聞かれたらまずいだろうか。別になんの日付かはわからないよな。
「あっ、シフト見るから少し待ってください」
「はーい」
 シフトを確認し日付を伝えた。
「いいですよ。後で住所教えてくださいね」
「了解しました」
 了解しましたって何だ。動揺しているのか。
 帰り道、色々な考えが頭の中でぐるぐるしていた。
 連絡を取り、計画を進めるも実感はわかない。これは現実なのだろうか。当日になってみたらわかるか。
 当日、九割来ないと思っていたのだが本当に来た。いつもは職場の制服で今日は私服。何だか新鮮で可愛い。おめかししてきたのか。なるほど、主人とご無沙汰なのだろうか。それなら楽しませてもらうとしよう。

---next---